イベルスマート

効果は投与後2週間ほどであらわれます。4週間後の駆虫確認では98%が陰性となっており、初期段階から症状改善が見られる例も多いです。長期の服用を必要としない点も特徴です。

国内で行われた調査では、疥癬に対しての有効率は97%（202/209例）と高く、多くの患者で1〜2回の服用で改善しています。高齢者施設などでの集団感染対策としても使用されています。

アルベンダゾールよりも有意に高い駆虫率を示し、チアベンダゾールと同等という臨床試験結果があります。副作用も比較的少ないため、バランスのとれた第一選択薬とされています。

腸管糞線虫症に対しては、投与4週間後の駆虫率が98.0%（49/50例）と報告されています。ほとんどの症例で1回の服用で駆虫が完了し、安全性の高さも評価されています。

空腹時に水と一緒に飲むのが基本です。イベルメクチンは脂溶性の薬であり、高脂肪の食事と一緒に摂ると血中濃度が上がりすぎて副作用のリスクが増す可能性があります。服用前の8時間、服用後の2時間は食事を避け、水だけで飲むことが推奨されています。

特別な制限はありませんが、内服後はまれに眠気や軽い倦怠感が出ることがあります。念のため、服用当日は激しい運動や重労働は避け、体調を見ながら行動するのが安心です。

再投与のタイミングは病状により異なります。疥癬の場合、症状の再発や検査で感染が確認された場合に追加投与が検討されます。自己判断せず、医師の診察と経過確認を受けた上で再投与することが原則です。

前回の食事から8時間以上空いている状態、つまり就寝前の夜以降に水以外を摂っていない状態での服用が望ましいとされています。朝食の1時間前が最も一般的な服用タイミングです。

基本的に併用禁忌薬や注意すべき併用薬は設定されていません。ただし、他に服用している薬がある場合は念のため医師や薬剤師に伝えてください。特に脂溶性の薬や抗寄生虫薬との併用時には注意が必要です。

原則として妊婦への投与は避けるべきです。動物実験において胎児への悪影響（催奇形性）が確認されており、ヒトにおける安全性も確立していません。そのため、妊娠中の方や妊娠の可能性がある場合には、治療上どうしても必要と判断された場合のみ、慎重に使用されます。自己判断での服用は絶対に避け、必ず医師と相談してください。

イベルメクチンは現在のところ、肝機能や腎機能に障害がある患者への使用制限は設定されていません。ただし、重度の障害がある場合は薬の代謝や排泄に影響が出る可能性があるため、医師の判断で慎重に使用されます。検査値や持病がある方は、必ず事前に申告し、指示に従ってください。

重篤な副作用として「意識障害」が知られています。服用後にぼんやりする、ふらつく、意識がもうろうとする、反応が鈍くなるなどの症状が見られた場合は、すぐに服用を中止し、医師の診察を受けてください。症状が悪化すると、自動車の運転や機械作業などに支障をきたし、重大な事故につながる可能性もあるため注意が必要です。