バルトレックス

口の周りにできる単純疱疹や性器ヘルペスの再発予防、それに造血幹細胞移植を受けた人で起きるヘルペスウイルス感染症の発症予防にも使われる薬です。

バルトレックスは、性器ヘルペスの治療中にパートナーへ感染を広げるリスクも減らせることが示されています。ウイルス量を減らす働きによって、感染予防にもつながると考えられています。

帯状疱疹のウイルス増殖を抑えることで皮膚の発疹だけでなく、痛みの軽減にも役立ちます。特に治療を早く始めることで後々まで残る強い痛みを防ぐ効果が期待できます。

大人や体重が重い子どもの水ぼうそうに対しても効果が確認されています。水ぼうそうの発疹が広がるのを抑え、回復を早めるために使われることがあります。

治療する病気によって飲み方が違います。例えば帯状疱疹では1日3回、単純疱疹では1日2回飲むことが基本です。症状や体の状態によって変わることがあるので、必ず先生の指示通りに飲みましょう。

バルトレックスは食事の前でも後でも、どちらでも飲むことができます。お腹にやさしい飲み方をしたい人は、食後に飲むと安心です。

バルトレックスを飲み忘れたときは、気づいたときに1回分を飲みましょう。ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分は飛ばして、次からいつも通り飲んでください。2回分をまとめて飲まないようにしましょう。

バルトレックスは、症状がよくなったと感じても、自己判断で飲むのをやめてはいけません。治療をきちんと終えないと、ウイルスがまた元気になってしまうことがあるので、最後まで飲み続けましょう。

バルトレックスを飲むと、まれに頭が痛くなったり、吐き気がしたり、お腹がゆるくなることがあります。たいていは軽い症状ですが、体調がおかしいと感じたらすぐに病院を受診しましょう。

腎臓の働きが弱い人や透析中の人では、薬が体にたまりやすくなることがあります。そのため、医師が飲む量を調整してくれるので、指示通りにきちんと服用しましょう。

バルトレックスは、腎臓に負担をかける薬（たとえば一部の抗生物質）と一緒に飲むと副作用が出やすくなることがあります。ほかに飲んでいる薬があるときは、必ず先生に伝えてくださいね。

バルトレックスにアレルギーがある人は絶対に飲んではいけません。以前にアシクロビルやバルトレックスを飲んで発疹や息苦しさが出たことがある人は、必ず事前に先生に伝えましょう。