睡眠薬は適切なものを選ばないと逆効果!睡眠薬の選び方を解説します!

睡眠薬の選び方不眠の悩みを改善することができる「睡眠薬」。しかし、この非常に便利な睡眠薬にはさまざまな種類があります。ですが、睡眠薬にいくつもの種類があるように、不眠にもいくつかの種類があります。そのため、適当に睡眠薬を選んでしまうと十分な効果を得られない上に逆効果になることも。

そこで、こちらのページでは数ある睡眠薬の種類の中から自身の不眠を改善するのに適したものを選ぶためのポイントを紹介していきます。
また、睡眠薬選びのポイントだけでなく、それぞれの不眠の悩みに効果的な睡眠薬についても紹介していきますので、不眠を改善したいとお考えの方は是非参考にしてみてください。

睡眠薬はきちんと理解して選ぶ必要がある

不眠症一口に睡眠薬といっても、種類によって全く違った効果を発揮します。そのため、自身の不眠の改善に最適なものを選ぶことが何よりも重要になります。間違った種類の睡眠薬を選択してしまうと、不眠で眠れないままだったり、眠れたとしても翌日まで睡眠薬の効果を引きずってしまいます。その結果、睡眠薬による眠気で仕事が手に付かなかったり、運転や高所作業などが必要な場合には非常に危険です。

そのためには、何よりもまず自身の不眠について把握し、その上で適切な睡眠薬の種類がどういったものかを把握して、適切な種類の睡眠薬の中から自身に合ったものを選ぶという工程が必要になります。

また、睡眠薬には有効な効果の他に、副作用もあります。そのため、副作用についても適切に把握しておくことも重要です。

睡眠薬の選び方のポイント①自分の睡眠障害(不眠症)を把握する

睡眠薬選びを行う前に、まずは自身の不眠について把握しておくようにしましょう。
睡眠薬にはそれぞれの不眠の種類に適したものがあるため、自身の不眠を把握することこそが、睡眠薬選びの第一歩といっても過言ではありません。

現在、この不眠症の種類は

  • 入眠障害
  • 中途覚醒
  • 早朝覚醒
  • 熟眠障害

という4つの種類に分類されています。

ここからは、この4つの不眠について詳しく紹介していきますので、自身の不眠がどの種類なのかを確認した上で、適切な睡眠薬を選ぶようにしましょう。

入眠障害

いくつかの種類がある不眠の中でも、多くの方がイメージする不眠症の症状なのがこちらの「入眠障害」です。眠りに付こうと思っても、思うように眠りにつけず、日常生活に支障が出てしまうようなものになります。

入眠障害と診断されるポイントとしては

布団に入ってから30分~1時間以上眠れない

上記の状態が1ヶ月以上続いている

眠れないことを苦痛に感じる

といったものがあげられます。

布団に入ってから寝付けないことが1日2日程度であれば、まだ不眠とは言い切れない状態ですが、それが1ヶ月以上続いてしまうと、入眠障害と診断されます。
この入眠障害は不眠症を訴える方の中で最も多く、強い緊張や不安、プレッシャーなど精神的な負担が原因となって起きるケースが多いとされています。

中途覚醒

不眠症と聞いて多くの方が思い浮かべる症状は、前述の眠りにつけない入眠障害ですが、実はそれだけではありません。
こちらの中途覚醒は布団に入って眠りにつくことはできるのに、夜中に何度も目覚めてしまう状態を指します。

中途覚醒と診断されるポイントは

睡眠中に2回以上、目が覚めてしまう。

上記症状が1ヶ月の内に週3回以上ある

眠りが浅くなることで、翌日に影響が出る

といったものがあります。

眠りにつけるのに目が覚めてしまい、翌日に眠気を持ち越してしまったり、集中力の低下などを招いてしまいます。しかし、眠りにつけているが故に、不眠症だと自覚しにくい不眠の種類のひとつとなっています。
こちらの中途覚醒は特に中・高齢者の方に多い症状といわれています。

早朝覚醒

不眠症の種類として、中途覚醒と似たものとなっているのが早朝覚醒です。こちらは、中途覚醒のように夜中に何度も目覚めたり、入眠障害のように眠りにつけないといったタイプとは別の不眠になります。

早朝覚醒と診断されるポイントとしては

本来起きようと思っている時間よりも2時間以上早く目が覚める

再び眠りにつこうとしても眠りにつけない

といったものがあげられます。

早く目が覚めてしまうものの、眠れていることは眠れているため、不眠と自覚しにくい症状のひとつとなります。
こちらの不眠は、体内時計のリズムがズレやすい高齢者の方によくみられる症状とされています。

熟眠障害

最後に紹介する不眠症の種類は熟眠障害です。
こちらの不眠症はこれまでに紹介した入眠障害や中途覚醒、早朝覚醒とは違い、寝付けなかったり眠れても目が覚めるといったことはありません。

ではどういった時にこの熟眠障害と診断されるのでしょうか?
熟眠障害として診断されるポイントとしては

起床時に疲労が回復していない

十分な睡眠をとっているはずなのに、眠りの満足感が得られない

といったものがあげられます。

一番の特徴はしっかりと長い眠りにつけているものの、疲れが残ってしまい翌日以降にも影響を及ぼしてしまうという点です。これは、眠りが浅いことが原因となっています。
また、こちらの熟眠障害は睡眠時無呼吸症候群など他の疾患が原因となって起きている場合もあります。

睡眠障害になっている原因を把握する

睡眠障害にはさまざまな種類がありますが、この睡眠障害に陥ってしまう原因にもさまざまな種類があります。
睡眠障害の原因として代表的なものとしては

生活習慣の乱れ

強いストレスなどの精神的原因

疾患

老化

といったものがあげられます。

また、上記以外にも睡眠する環境が原因となっている場合であったり、タバコやコーヒーなどの嗜好品の成分が原因となって眠りを妨げている場合もあります。

睡眠障害を改善するには睡眠障害の種類と共に、何が原因となって睡眠障害が起きているのか?ということを把握することが重要です。そうすることで、睡眠障害の改善と共に原因の改善を並行して行うことで効率的に睡眠障害を改善へと導くことが可能となります。

睡眠薬の選び方のポイント②睡眠薬の効果について知っておく

睡眠薬を服用する自分の睡眠障害の種類を把握することが、睡眠薬選びの第一歩です。
しかし、それだけでは十分とはいえません。睡眠障害について把握した上で睡眠薬ごとの効果についても把握しておくようにしましょう。

同じ睡眠薬であっても効果時間が違っていたりするため、睡眠障害の種類に合わせて最適な効果時間を持った睡眠薬を選ぶことも睡眠薬選びのポイントのひとつとなっています。
そのため、ここからは睡眠薬の効果について紹介していきます。

睡眠薬の「効果持続時間」ってなに?

睡眠薬にはそれぞれ「効果持続時間」があります。
効果持続時間とは、その名の通り効果が続く時間のことで効果持続時間が短いものは薬が効いている時間が短く、逆に長いものは薬が効いている時間が長くなります。

効果持続時間によって

短い


長い

  • 超短時間型
  • 短時間型
  • 中時間型
  • 長時間型

という4つの種類に分類することができます。

これらの種類には、それぞれの種類によってメリット・デメリットがあります。
効果時間が短いものは、早く効果があらわれるというメリットがある反面、効果時間が短いため睡眠障害の種類によっては十分な改善効果を得られないというデメリットがあります。

一方で、効果時間が長いものは長く効果を得られるというメリットがある反面、すぐには効果があらわれなかったり、翌日まで効果を持ち越してしまうリスクがあるというデメリットがあります。

睡眠薬の「半減期」ってなに?

睡眠薬に限らず、どういった医薬品にも「半減期」と呼ばれるものがあります。
この半減期というのは、睡眠薬を服用した後に薬の血中濃度が半分になるまでの時間を指します。

基本的に、人は薬を飲むと薬の有効成分が血流にのって効果を発揮します。そのため、薬を服用すると薬の血中濃度が上昇していき、効果を発揮します。その後、次第に薬の成分が代謝されて血中濃度が下がっていって効果が消失していきます。

そのため、薬の半減期を調べることで、その薬がどのぐらいの時間効果を持続したりするのかといったことや、その睡眠薬が超短時間型なのか?長時間型なのかといったことを判断したりすることができます。

超短時間型睡眠薬

睡眠薬の中でも、最も早く効果が表れるとされるのが超短時間型の睡眠薬です。
代表的な超短時間型の睡眠薬には

  • マイスリー
  • ハルシオン
  • ルネスタ

といったものがあります。

こちらの超短時間型の睡眠薬は服用から15~30分で効果があらわれるとされています。
睡眠薬を飲んで、すぐ効果があらわれるので布団に入ってもなかなか眠りにつけない「入眠障害」の改善に用いられます。
その反面、半減期は2~4時間となっており睡眠中に効果が消失するので、眠りにつくことはできるけど夜中に何度も目が覚めてしまう中途覚醒であったり、本来起きようと思っていた時間よりも2時間以上早く目が覚めてしまう早朝覚醒といった睡眠障害に対しては、適していない睡眠薬となっています。
また、この効果時間の短さは、翌日にもその効果を持ち越さないという点でも優れているといえます。

短時間型睡眠薬

超短時間型よりも長く効果が持続するのが短時間型睡眠薬です。
代表的な短時間型睡眠薬としては

  • リスミー
  • ロラメット
  • レンドルミン

といったものがあります。

こちらも超短時間型と同様に15~30分ほどで効果があらわれるため、入眠障害の改善に利用されます。
早い効果に期待できる上に、半減期も6~12時間と比較的長いため、入眠障害だけでなく夜中に目が覚めてしまう中途覚醒の治療にも用いられることがあります。
短時間型の睡眠薬は、超短時間型と同様に早く効果があらわれ、その効果がよりも長く持続するというメリットがあります。
その反面、長く効果が持続するため短時間型の睡眠薬を服用するタイミングや睡眠時間などによっては翌日にまで効果を持ち越してしまう可能性があるというデメリットもある点には注意が必要です。

中時間型睡眠薬

短時間型よりも長く効果が持続するのが中時間型睡眠薬です。
代表的なものとしては

  • サイレース
  • ベンザリン
  • ユーロジン

といったものがあります。

中時間型睡眠薬の半減期は21~27時間となっており、20時間以上効果が持続します。
中時間型の睡眠薬は服用してから1時間程度で効果があらわれ、かなり長い時間にわたって効果を発揮するため、中途覚醒や早朝覚醒といった睡眠障害の改善に使用されます。
その反面、効果があらわれるまでに時間を要するため入眠障害の改善には適していません。
また、中時間型睡眠薬は長時間効果を発揮するため、服用するタイミングによっては翌日にまで効果を持ち越してしまうリスクが高いため、服用するタイミングに気を付ける必要があります。

長時間型睡眠薬

睡眠薬の中でも、最も効果が長く持続するのが長時間型の睡眠薬となります。
長時間型の睡眠薬でも代表的なのは

  • ソメリン
  • ダルメート
  • ドラール

などがあります。

長時間型の睡眠薬は半減期が24時間以上と、1日に渡って効果が持続するというのが最大の特徴となっています。そのため、夜中に目が覚めたり早く目が覚めるといった中途覚醒や早朝覚醒の改善に効果的な種類の睡眠薬となっています。効果が非常に長く持続するため、翌日には運転だったり高所での作業など危険な作業を避ける必要があります。

また、効果は60分ほどであらわれるため、就寝の直前などに服用しても効果が出るまでに時間がかかってしまうため、入眠障害の改善には適していません。
一部の睡眠薬は依存症になりにくいといった特徴があったりします。

睡眠薬の選び方のポイント➂睡眠薬の種類と副作用を知る

睡眠薬の分類は前述の効果時間の長さでの分類以外に、作用のメカニズムによっても分類することができます。
こちらの分類法では

  • ベンゾジアゼピン系
  • 非ベンゾジアゼピン系
  • メラトニン受容体作動薬
  • オレキシン受容体拮抗薬
  • バルビツール酸系

という5種類に分類されています。

ここからは、これらの5種類の分類ごとにどのように睡眠に効果があるのかといったことや、効果の強さなどについて紹介していきます。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬

睡眠薬の中でも、現在幅広く利用されているのがこちらのベンゾジアゼピン系睡眠薬です。
代表的なベンゾジアゼピン系の睡眠薬には

  • ハルシオン
  • リスミー、レンドルミン
  • サイレース、ユーロジン
  • ソメリン、ドラール

などがあります。

こちらの睡眠薬は脳の神経伝達に関わっている受容体であるベンゾジアゼピン受容体を刺激することで、リラックスを促す神経伝達物質の作用を強くします。そうすることで眠りへ誘う作用を発揮するタイプの睡眠薬となっています。

効果の強さとしては

短時間型では、レンドルミン>リスミー

中時間型では、サイレース>ユーロジン

長時間型では、ドラール>ソメリン

という順になっています。
同じベンゾジアゼピン系睡眠薬であっても、それぞれで効果の強さが違っているので、自身に適した強さの睡眠薬を選ぶのがポイントです。

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬

ベンゾジアゼピン系睡眠薬と同様の効果を持つ睡眠薬に非ベンゾジアゼピン系睡眠薬があります。
こちらの非ベンゾジアゼピン系睡眠薬には

  • アモバン
  • マイスリー
  • ルネスタ

といったものがあります。

こちらの睡眠薬が睡眠障害を改善するメカニズムは前述のベンゾジアゼピン系睡眠薬と同じで「ベンゾジアゼピン受容体」を刺激することで、心身をリラックスさせる神経伝達物質の作用を強めることで、眠りへと誘います。
効果の強さはマイスリー>アモバン>ルネスタとなっています。

では、なぜベンゾジアゼピン系受容体を刺激する作用が同じであるのに、なぜ非ベンゾジアゼピン系睡眠薬という名称なのでしょうか。
これは、睡眠薬に配合されている有効成分が「ベンゾジアゼピン骨格」を持っているものが「ベンゾジアゼピン系」、持っていないものが「非ベンゾジアゼピン系」と分類されているためです。

メラトニン受容体作動薬

3つめに紹介するのが「メラトニン受容体作動薬」と呼ばれる種類の睡眠薬です。
メラトニン受容体は睡眠ホルモンとも呼ばれるメラトニンと結びつくことで、体内時計を正常化して睡眠と覚醒のリズムを整えます。本来、メラトニンは日光を浴びることで、日が落ちる頃から分泌が増えていき、夜に自然に眠くなって、眠りにつくことができます。

こちらの睡眠薬は有効成分がメラトニンと同様の作用をもっているため、メラトニン受容体と結びつき睡眠と覚醒のリズムを整えて、自然な眠りへと誘う効果を持っています。

代表的なメラトニン受容体作動薬としてロゼレムがあります。
こちらのメラトニン受容体作動薬の効果は緩やかであり、睡眠障害の改善薬としても効果は前述の者たちと比べても弱いという特徴があります。

オレキシン受容体拮抗薬

これまで紹介してきた種類の睡眠薬はいずれも眠りへと誘う作用を持ったものになりますが、こちらの「オレキシン受容体拮抗薬」という種類の睡眠薬は、少し違っています。
オレキシンは神経伝達物質のひとつで、オレキシン受容体と結びつくことで覚醒を促す作用を発揮します。
オレキシン受容体拮抗薬は、有効成分がオレキシン受容体と結びつくことで、受容体とオレキシンが結びつくのを阻害します。
これによって覚醒する作用を抑えて、自然な眠りに誘います。

代表的なオレキシン受容体拮抗薬として、ベルソムラやデエビゴといったものがあります。
副作用のリスクが、従来の睡眠薬よりも小さいとされている反面、その効果の強さについては従来のものよりも緩やかであるという点には注意が必要になります。

バルビツール酸系

最後に紹介するのはバルビツール酸系睡眠薬です。
こちらの睡眠薬は、有効成分がGABAA受容体にあるバルビツール酸誘導体結合部位と結合することで神経機能を抑制する作用を発揮します。これによって催眠・鎮静作用が発揮されて眠りへと誘います。

代表的なバルビツール酸系の睡眠薬としてラボナやフェノバールといったものがあります。こちらのバルビツール酸系睡眠薬は麻酔薬の効果を高めるためにも用いられるほど、非常に強い効果を持っています。
こうした非常に強い効果を持っている反面、依存性や耐性ができやすいというデメリットもあります。
また、適切な用法用量を守らなかった場合、重篤な副作用を引き起こすリスクも高いとされています。

そのため、睡眠障害の改善のためにバルビツール酸系睡眠薬は使われることは少なく、これまでに紹介してきた睡眠薬が使われるケースが多いです。

入眠障害に効果的な睡眠薬3選

入眠ここまで、睡眠薬選びの3つのポイントについて紹介してきました。
ここからは、睡眠障害の種類ごとに効果的な睡眠薬を紹介していきますので、是非参考にしてみてください。

まず紹介するのは、睡眠障害の中でも特に多いとされている「入眠障害」に対して、効果的な睡眠薬を紹介して3種類紹介していきます。それぞれの睡眠薬の有効成分や種類、副作用や価格なども紹介していきますので、お役立てください。

ソミナー

ソミナーは有効成分にドキシラミンを配合した短時間型の睡眠薬です。
有効成分のドキシラミンがヒスタミン受容体と結びつき、ヒスタミンが受容体と結びつくのを阻害します。
この作用によってアレルギー症状を防ぎます。しかし、ヒスタミンと受容体の結合が阻害されることで、中枢神経が抑制されて眠気が起き自然な眠りへと誘います。副作用としては、口の乾きや排尿障害などがあります。

ソミナーは1日1回、25mgを就寝前に服用するだけと、用法用量も簡単で使いやすくなっています。
ただし、ソミナーは国内では未発売であり、手に入れるには個人輸入の代行などを利用する必要があります。
この方法で手に入れる場合、ソミナーの価格は1錠あたり45前後となっています。

ハイプナイト

ハイプナイトは有効成分にエスゾピクロンを配合した超短時間型の非ベンゾジアゼピン系睡眠薬です。
有効成分のハイプナイトがGABAと呼ばれる神経伝達物質の働きを高めて、脳神経の興奮を抑えて眠気を誘います。副作用としては頭痛や不安感、口の乾きや倦怠感といったものがあげられます。

ハイプナイトは1回1~3mgを就寝前に服用します。年齢や症状によって用量が異なるので適切な用量については医師に相談するなどして把握するようにしましょう。
ハイプナイトはルネスタのジェネリックで、海外で認可処方されています。
新薬であるルネスタはクリニックなどで処方してもらうことができますが、ハイプナイトは個人輸入などで手にするしかありません。

価格については、ハイプナイト1錠あたり64~105となっており、成分量によって価格が違っています。

マイスリー

マイスリーは有効成分にゾルピデム酒石酸塩を配合した、超短時間型の非ベンゾジアゼピン系睡眠薬です。有効成分がGABAA受容体に作用することで、鎮静催眠作用があらわれて眠りへと誘います。
副作用としては、倦怠感やふらつきといったものが報告されています。

マイスリーは1日1回、5~10mgを就寝の直前に服用します。服用量は年齢や症状などによって適宜増減する必要があるため、専門医と相談しながら服用量を決めるようにしてください。
マイスリーは輸入が禁止されているため、個人輸入などでは手に入れることはできません。手に入れるには病院で医師から処方してもらう必要があります。

病院でマイスリーを処方してもらう場合、マイスリーは1錠あたり27~44となっています。

中途覚醒に効果的な睡眠薬3選

中途覚醒ここまで入眠障害に対して効果的な睡眠薬を3種紹介しました。次は、眠りにつけても夜中に目覚めてしまうことが何度もある「中途覚醒」に対して効果的な睡眠薬を3種紹介していきます。
中途覚醒は疲れが取れない、目が覚めてストレスが溜まるというように睡眠障害の中でも辛い症状のひとつであるため、効果的に改善するようにしましょう。

中途覚醒に対して有効な睡眠薬の中には入眠障害に対しても有効な睡眠薬と同じ成分を配合したものもあるため、ひとつでふたつの症状に対応できるので幅広く活用できます。

フルナイト

中途覚醒に対して効果的な睡眠薬のひとつが「フルナイト」です。
フルナイトは有効成分にエスゾピクロンを配合している超短時間型の非ベンゾジアゼピン系睡眠薬で、インドの製薬会社である「Sun Pharmaceutical」が製造、販売しています。
有効成分がGABAA受容体機能を亢進して眠気を促すことで、眠りへと誘います。
副作用としては頭痛や下痢、不安感などが報告されています。

超短時間型の睡眠薬ではありますが、半減期が5時間程となっているため中途覚醒の改善にも利用されています。
用法用量は1日1回2~3mg(高齢者は1~2mg)を就寝前に服用します。適切な用量に関しては専門医にご相談ください。

フルナイトは個人輸入の代行で手に入れられるほか、病院で処方してもらえます。
個人輸入だと、2mgのフルナイトが1錠あたり82程となっています。

エスゾピック

エスゾピックもルネスタのジェネリックの一種で、フィリピンの製薬会社である「LLOYD LABORATORIES」が製造、販売しています。有効成分はエスゾピクロンで、超短時間型の非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬に分類されます。

睡眠薬としての作用は、前述のフルナイトと同じでGABAA受容体機能を高めることで眠りに誘います。用法用量なども同様に1日1回1~3mgを就寝前に服用します。(服用量は年齢や症状の強さによって適宜増減します。)

こちらのエスゾピックも、フルナイトと同じで個人輸入でのみ手に入れることが可能です。
価格は1錠あたり86~132となっており、成分量によって価格がちがっています。

レンドルミン錠

レンドルミン錠は有効成分にブロチゾラムを配合した、短時間型のベンゾジアゼピン系睡眠薬です。
有効成分のプロチゾラムがベンゾジアゼピン受容体と結合して、催眠や鎮静といった中枢神経の抑制作用を発揮します。これによって眠りへと誘います。副作用としては、眠気の残りやふらつき、眩暈といったものが報告されています。

レンドルミン錠の用法用量は1日1回、0.25mgを就寝前に服用します。(服用量は症状や年齢などによって適宜増減する必要があります。)

レンドルミン錠は国内で処方されている睡眠薬の一種であり、病院やクリニックで処方してもらうことで手に入れることができます。1錠あたりの薬価は17程となっています。

早朝覚醒に効果的な睡眠薬3選

早朝覚醒眠りにつけても、予定していた時間よりも2時間以上早く目が覚めてしまい、そこから再び眠れなくなってしまうといった「早朝覚醒」。ここからは、そんな早朝覚醒に対して効果的な睡眠薬を3つ紹介していきます。

早朝覚醒は年齢を重ねると増えるため、改善することができないと考える方もいますが、効果的な睡眠薬で改善は可能なので、効果的な睡眠薬について是非、把握しておくようにしましょう。

サイレース錠

早朝覚醒に効果的な睡眠薬のひとつ目として紹介するのはサイレース錠です。
サイレース錠は有効成分にフルニトラゼパムを配合している中時間型のベンゾジアゼピン系睡眠薬です。
中時間型の睡眠薬であるため、中途覚醒や早朝覚醒の改善に用いられます。
有効成分のフルニトラゼパムが脳のベンゾジアゼピン受容体に作用することで、興奮を抑制することで眠りへと誘います。副作用はふらつきや眠気、眩暈や運動失調などがあらわれてしまうおそれがあります。

サイレース錠は1回あたり、0.5~2mgを就寝前に服用します。こちらのサイレース錠は病院やクリニックなどで処方してもらうことができ、処方してもらう際の薬価については1錠あたり1mgは10程、2mgは11程となっています。

ベンザリン錠

ベンザリン錠は有効成分にニトラゼパムを配合した中時間型のベンゾジアゼピン系催眠薬です。
長く効果が持続するため、夜中に目が覚めてしまう中途覚醒や早く目が覚めてしまう早朝覚醒の改善に利用されます。

こうした効果は有効成分のニトラゼパムが脳のベンゾジアゼピン受容体を介して、GABA受容体の機能を高めることで、神経抑制性を強く働かせることで眠りへと誘います。こうした作用の副作用として傾眠などが報告されています。

ベンザリン錠は1回5~10mg就寝前に服用します。(年齢や症状によって適宜増減する必要あり)この睡眠薬は国内の病院やクリニックなどで処方されているため、クリニックなどで処方してもらうことで手にすることが可能です。その際、ベンザリン錠の薬価は1錠あたり6~14となっており、薬価は成分量によって変わります。

エスタゾラム錠

エスタゾラム錠はユーロジンといった名称で処方されている睡眠薬のジェネリックで、有効成分としてエスタゾラムが配合されている、中時間型のベンゾジアゼピン系睡眠薬となっています。
中時間型の睡眠薬であり、中途覚醒や早朝覚醒の治療に用いられます。

他のベンゾジアゼピン系睡眠薬と同様に、脳内のベンゾジアゼピン受容体と結合することで、神経機能を抑制します。これによって、眠りへと誘います。副作用は効果が長く続くことから眠気やふらつき、歩行失調などがあります。

エスタゾラム錠の用法用量は1回1~4mgを就寝前に服用となっています。服用量に関しては、年齢や症状などを考慮して適宜増減する必要があります。
エスタゾラム錠は病院やクリニックで処方してもらうことができ、薬価は1錠あたり6~8となっています。

熟眠障害に効果的な睡眠薬3選

熟民障害熟眠障害は眠れているけど、睡眠の質が低く眠りの満足感が得られない状態です。そのため、睡眠障害の中でも、自覚しにくい睡眠障害のひとつとなっています。

そんな熟眠障害も適切な睡眠薬を用いることで、改善へと導くことができます。最後に、熟眠障害に効果的な睡眠薬について3種類紹介していきますので、熟眠障害でお悩みの方は是非お役立てください。

ドラール錠

ドラール錠は有効成分にクアゼパムを配合した超時間型のベンゾジアゼピン系の治療薬です。
有効成分のクアゼパムはベンゾジアゼピン受容体に作用することで、覚醒系を抑制して眠りを促します。
長時間作用するため、朝まで十分な睡眠を得ることができるため、中途覚醒や熟眠障害などの睡眠障害に利用されます。その反面、長時間作用が持続するため翌日まで薬の効果を持ち越してしまい、眠気ふらつき、眩暈やぼんやり感といった副作用があります。

1回20mgを就寝前に服用します。食事によって効果が強くあらわれるおそれがあるため、食後に服用するようにしてください。ドラールは病院などで処方してもらうことができ、薬価は新薬であるため1錠あたり62~76となっています。

ロゼレム

ロゼレムは有効成分にラメルテオンを配合したメラトニン受容体作動薬です。
有効成分であるラメルテオンは脳の視床下部にあるメラトニン受容体に作用することで、催眠効果を発揮します。この催眠効果によって睡眠時間を増やすことが熟眠障害の改善に繋がります。その反面、副作用としては、倦怠感や眩暈、眠気などが報告されています。

用法用量については非常に簡単で就寝前に1回あたり8mgを服用するだけとなっています。こちらのロゼレムは個人輸入代行で輸入したり、病院やクリニックで処方してもらうことで手に入れらることが可能となっています。価格に関しては、輸入する場合であれば1錠あたり350で購入することが可能となっています。

ベルソムラ

ベルソムラは有効成分にスボレキサントを配合したオレキシン受容体拮抗薬です。
こちらの睡眠薬は有効成分として配合されているスボレキサントがオレキシン受容体と結びつくことで、覚醒を調整する神経伝達物質「オレキシン」が受容体と結びつくのを抑えます。
これによって、覚醒を調整する働きを抑えることで眠りから目覚めるのを抑えて早朝覚醒や熟眠障害の改善に用いられます。副作用としては、傾眠や頭痛、悪夢といったものが報告されています。

ベルソムラは1日1回、1回あたり15~20mgを就寝の直前に服用します。
こちらの睡眠薬は病院やクリニックなどで処方してもらうことが可能となっています。処方してもらう場合、1錠あたりの薬価は1錠あたり70~110となっています。
ベルソムラは10、15、20mgと成分量の違いで3種類あり、成分量によって価格が違っています。

睡眠薬以外の改善方法も実践する

入眠障害や中途覚醒などさまざまな種類がある睡眠障害の改善は睡眠薬を用いることで可能ですが、睡眠薬を用いるだけではなく、睡眠薬を用いる以外の改善法も実践することでより効果的に睡眠障害を改善することができます。

そこで、ここからは睡眠薬以外の改善法として取り入れられるものを2つ紹介します。そのため、無理のない範囲で紹介する改善法も合わせて取り入れて、睡眠障害の改善にお役立てください。

生活習慣の改善に努める

日光を浴びる眠りにつけない、予定よりかなり早く目が覚めるといった睡眠障害は生活習慣が原因のひとつになっている場合もあります。そのため、睡眠薬で正常な眠りを得るとともに、原因を改善することでより効率的に睡眠障害の改善が可能です。

例えば、朝は日光を浴びて目を覚まして体内時計を正常化したり、夜はスマホの使用を控えて脳が覚醒してしまうのを抑えるといったことも効果的です。
また、布団に入る前にお茶やコーヒーなどの刺激物を含んだ飲み物を避けたり、飲酒を避けるといったことも重要です。また、朝昼晩の規則正しい食生活を送ることも重要です。

こうした生活習慣の中でも、基本的な部分に気を配るだけでも睡眠障害の改善に役立てることが可能です。
ただし、こうした生活習慣を改善するために無理をしてしまうと、強いストレスがかかってしまい逆効果になるケースもあるため、無理のない範囲で取り入れていくことが重要です。

精神的な原因の場合は診療も考える

うつの男性睡眠障害は生活習慣の乱れなどが原因となることもありますが、それ以外に鬱や統合失調症などの精神的な疾患が原因となっている場合もあります。
そうした精神疾患が原因となって睡眠障害が起きている場合には、この根本原因となっている精神疾患の改善が非常に重要です。

睡眠薬を用いるだけでは原因となる精神疾患の改善にはつながらないため、睡眠障害そのものが解消することに繋がりません。そのため、精神疾患が原因となっているような場合には、睡眠薬の使用だけでなく精神科などで適切な診察を受けて疾患の治療を並行して行うことが、睡眠障害の解消や改善には必要不可欠になっています。

まとめ

睡眠薬にはさまざまな種類があり、睡眠薬ごとに有効な睡眠障害の種類が違っていたりします。
そのため、睡眠障害を改善するためには適切な睡眠薬選びは非常に重要になります。
こちらのページでは適切な睡眠薬を選ぶためのポイントや効果的な睡眠薬について紹介してきました。
睡眠薬選びのポイントは

睡眠障害の種類を把握する

睡眠薬の効果について把握する

睡眠薬の種類を把握する

という3つでした。

睡眠障害で睡眠薬選びに迷っているという場合は、上記の3つのポイントやそれぞれの睡眠障害に効果的な睡眠薬を参考に、睡眠薬選びにお役立てください。