アルコールを飲んでも睡眠薬は使える?寝酒をしてしまう方にオススメの睡眠薬を紹介!
ストレス社会と呼ばれる現在の日本では、睡眠に関する悩みを抱えている方が大勢いらっしゃいます。
3人に1人は不眠の悩みを、10人に1人は不眠症の悩みを抱えているといわれており、中には慢性的な不眠症に悩まされている方もいます。
こういった睡眠の悩みを解消する方法として睡眠薬の服用や寝酒などが挙げられますが、これらの方法は併用することができるのか気になる方も多いかと思います。
こちらのページではそんなアルコールと睡眠薬の関係についてご説明します。
アルコールを摂取した場合は睡眠薬を使用してもいい?
結論から説明すると、アルコールを摂取した場合は睡眠薬を使用することは原則禁止されています。
というのも、アルコールと睡眠薬には中枢神経を抑制する作用があり、併用することによって中枢神経が過度に抑制されてふらつきや物忘れ、異常行動などの症状が引き起こされてしまう可能性があります。
そのため、アルコールと睡眠薬を一緒に服用するのは避けたり、アルコールを飲んだ際は睡眠薬を使わないよう気をつけたりする必要があります。
アルコールを飲んでから時間をあければ大丈夫?
時間を開けた場合でも、基本的にアルコールを飲んだあとに睡眠薬を服用するのはやめておきましょう。
アルコールの影響が体から抜けるにはかなりの時間がかかり、ビールの大瓶1本を代謝するまでに4~5時間ほどかかるとされています。
この代謝には個人差があり、どれくらいの時間を開ければいいのか、はっきりとは明らかになっていません。
酔いが覚めたから大丈夫と思っても、実際にはまだアルコールの影響が体に残っている可能性が高いため、時間を開けたとしても睡眠薬を服用するのはお控えください。
アルコールを睡眠薬がわりに使ってはいけない理由
アルコールを飲むと眠気がきたり、眠りやすくなったりします。
そのため、寝る前にアルコールを摂取するいわゆる寝酒をする方もいらっしゃいますが、寝酒は医学的に良くないとされています。
アルコールを摂取して眠るのがどうして良くないのか、ご説明します。
アルコールは睡眠を浅くする
アルコールは摂取することによりGABAニューロンという神経を刺激します。
この神経は大脳の活動を鎮める働きをもっているため、この働きによって大脳の働きが抑えられて入眠しやすくなります。
しかし、アルコールによる入眠作用は3時間ほどで途切れてしまい、その後はアルコールを代謝した際に作られるアセトアルデヒドがもつ覚醒作用が働いてしまいます。
その結果、ノンレム睡眠時に深い眠りへ移行するのを妨げてしまい、浅い眠りが増えて目覚めやすくなってしまいます。
こういった仕組みによって睡眠の質や睡眠量を低下させてしまい、不眠や睡眠の悩みに繋がってしまいます。
睡眠時無呼吸症候群を悪化させる可能性がある
睡眠に関する悩みの原因の一つに睡眠時無呼吸症候群があります。
睡眠時無呼吸症候群は、名前にもついているように、睡眠中に無呼吸状態が繰り返される症状です。
医学的には10秒以上呼吸が止まる状態を無呼吸といい、平均して1時間に5回以上、睡眠中に無呼吸がみられる場合はこの病気であると診断されます。
睡眠中に何度も呼吸が止まることによって眠りの質が悪くなり、日中の眠気や体の怠さなどを引き起こし、社会生活に影響を及ぼします。
アルコールには筋弛緩作用があり、喉周辺の筋肉を緩めて舌が喉に落ち込んで十分に酸素を取り込めない状態を作ってしまいます。
こういった理由によって、アルコールは睡眠時無呼吸症候群を悪化させてしまう可能性があります。
連日寝酒をすると逆に眠りにくくなる
寝酒には入眠効果がありますが、実はこの効果を得られるのは最初の数日程度です。
連日続けていると10日ももたないうちに耐性が形成され、同じ飲酒量では催眠作用が弱くなってしまいます。
寝付きが悪くなるうえに深い眠りも減り、飲酒量も体が慣れてしまったと思ってさらに増えてしまいます。
気がついた頃には飲酒量のコントロールが困難になってしまい、アルコール依存症になってしまうことも少なくありません。
さらに眠れなくなってしまううえに自身の健康も害する悪循環を招いてしまうため、こういった理由からも寝酒はあまり好ましくありません。
寝酒をしているという方にオススメの睡眠薬
ご紹介したように、寝酒には睡眠の質を悪化させて健康に害を与えるさまざまなデメリットがあります。
これまでアルコールの力を借りて眠ろうとしていたという方は、これを機に睡眠薬へ切り替えてみてはいかがでしょうか。
睡眠薬にはさまざまな種類がありますが、眠りにつくのが難しいから寝酒をしていたという場合には、入眠障害に有効な短時間型の睡眠薬がオススメです。
ハイプナイト
ハイプナイトは、Consern Pharmaが製造、販売している睡眠薬です。
国内で処方されている睡眠薬であるルネスタのジェネリック医薬品で、有効成分にエスゾピクロンが配合されています。
服用することによってGABA受容体が脳の活動を抑え、緊張やストレスを和らげる働きをする神経伝達物質の作用を強めて、自然に近い形で眠りに誘います。
1mg50錠入りのもので1箱3,360円(1錠あたり67円)で販売されており、ルネスタを処方してもらった場合よりもリーズナブルにお使いいただけます。
ソクナイト
ソクナイトは、数多く作られているルネスタのジェネリック医薬品の1つです。
Asle pharmaceuticalsという製薬会社から製造、販売されており、ルネスタと同様にエスゾピクロンという有効成分が配合されています。
そのため、ルネスタと同等の催眠効果を得ることができ、自然に近い形で眠気を起こして入眠しやすくします。
こちらは海外製のジェネリックですが日本向けに作られているため、パッケージなどが日本語表記となっており使いやすいという特徴があります。
2mg50錠入りで1箱4,460円(1錠あたり89円)で販売されています。
エスゾピック
エスゾピックは、LLOYD LABORATORIESが製造・販売する睡眠薬です。
有効成分にエスゾピクロンが配合されており、なかなか寝付けない入眠障害に対して効果を発揮します。
服用すると、エスゾピクロンの作用によってGABA受容体が刺激され、脳の興奮や活動が抑えられて寝付きが良くなります。
翌日の眠気が少なく、依存性も少ないため、はじめて睡眠薬を使う方にも適しているという特徴があります。
2mg30錠入りのもので1箱3,860円(1錠あたり128円)で販売されているので、価格面の負担も少ないといえます。
フルナイト
フルナイトはSun Pharmaceuticalが製造・販売する睡眠薬です。
有効成分にエスゾピクロンを配合したものの一種で、服用してから30~60分という短時間で効き目があらわれます。
肝心の睡眠効果は数時間ほどで消失するため、寝付きにくい入眠障害に対して高い改善効果を発揮します。
また、依存性が低く副作用の心配も少ないため、睡眠薬の依存性が心配な方も安心して服用することができます。
2mg50錠入りのものの場合、1箱4,560円(1錠あたり91円)で取り扱われています。
ロゼレム
従来の睡眠薬で多くみられる副作用がどうしても心配な場合は、ロゼレムがオススメです。
この睡眠薬は武田薬品工業株式会社から製造、販売されており、有効成分としてラメルテオンという成分が使われています。
メラトニン受容体を刺激して睡眠中枢に活力を与え、脳の松果体から分泌されるメラトニンというホルモンの働きを高めて自然に近い眠りを促します。
直接的に眠りを誘うのではなく、乱れてしまった睡眠リズムを整えて不眠を改善するのが特徴です。
8mg100錠入りで1箱34,960円(1錠あたり349円)で販売されています。
まとめ
現在の日本では、多くの方が何らかの睡眠に関する悩みを抱えています。
睡眠薬や寝酒といった手段に頼る方も多いですが、寝酒は睡眠を浅くしたり睡眠時無呼吸症候群を悪化させたりするリスクがあり、場合によっては気づかないうちにアルコール依存症になってしまう危険性もあります。
また、睡眠薬との併用も危険性が高く、ふらつきや異常行動などの副作用を強めてしまうおそれがあります。
そのため、睡眠に関する悩みを解消したい場合は寝酒ではなく睡眠薬を使うのが一番といえます。
寝付きの悪さから寝酒に頼っていた方には短時間型の睡眠薬がオススメで服用することによって寝付きやすくしてくれます。
睡眠薬とアルコールを併用する危険性を正しく把握し、不眠に関する悩みを解消しましょう。