依存性の少ない睡眠薬はない?自然な眠りに近い睡眠薬の選び方
現在、何らかの不眠の悩みを抱える方は30〜40%にもなるとされており、一般的な悩みとなりつつある不眠症。
そんな不眠の悩みを改善するための治療薬として睡眠薬が用いられることは珍しくありません。
ですが、睡眠薬には依存症があって、使いだすと睡眠薬無しでは眠れなくなるといった噂があったりします。
そこで、こちらのページでは依存性の少ない睡眠薬はあるのかといったことから、自然な眠りに近い睡眠に役立つ睡眠薬を紹介していきます。
「睡眠薬=依存性が強い」はホント?
睡眠薬を飲み始めると睡眠薬がないと逆に眠れなくなるといった依存症を心配される方は少なくありません。
この「睡眠薬には依存性がある」というのは紛れもない事実です。
ですが、違法ドラッグのように睡眠薬が飲めないと禁断症状が出てしまうといったような依存性はありません。
睡眠薬による依存はどんなもの?
睡眠薬を服用することでなってしまう可能性がある依存症。
では、睡眠薬の依存症になるとどのような症状があらわれるのでしょうか?
睡眠薬の依存症は、睡眠薬無しでは眠ることができなくなってしまったり、睡眠薬を服用しても効果が弱くなってしまったりするといったものになります。
また、睡眠薬を長期間にわたって服用して効果を得られている場合、急に服用を中止することで反跳性不眠と呼ばれる離脱症状があらわれることもあります。
参考元:睡眠薬の依存性について
睡眠薬の種類によって依存性が違うってホント?
睡眠薬と一口にいっても、その種類はいくつかあります。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬などは依存性があるとされ、メラトニン受容体作動薬などは依存性があまりないとされています。
このことから依存性の少ない睡眠薬を使用したいと考えた場合には、依存性の少ないものを選ぶことが重要になります。
依存性が少ないとされる睡眠薬の成分
ここからは実際に睡眠薬の中でも依存性が少ないとされている成分、そしてその成分を配合した代表的な睡眠薬を紹介していきます。
睡眠薬選びで迷った時や依存性の少ない睡眠薬を使いたいという場合には、是非参考にしてください。
スボレキサント
スボレキサントとはオレキシン受容体拮抗薬のひとつで、目が覚めた状態を維持するために重要な役割をしているオレキシンがその受容体と結びつくのを阻害する作用を持った睡眠薬です。
目が覚めた状態を維持するのが難しくなり、自然な眠りへと導くため、脳の機能を低下させて眠りに誘うような成分ではないため、依存性が極めて少なくなっています。
こちらは承認されてからまだそこまで時間が経っていない、比較的新しい部類の成分となっています。
ベルソムラ
有効成分にスボレキサントを配合した睡眠薬の中でも特に有名な物がベルソムラです。
こちらはMSDが製造・販売している睡眠薬です。
1錠あたりの薬価は10mg錠で69.3円、15mg錠では90.8円、20mg錠では109.9円となっています。
依存性は極めて低く、自然な眠気を強めて不眠を改善へと導く睡眠薬となっているため、現在では幅広く活用されています。
こちらは中途覚醒や早朝覚醒、熟眠障害の治療に有効とされています。
参考元:医療用医薬品 : ベルソムラ
レンボレキサント
スボレキサントと同様に新しいタイプの睡眠薬成分として登場したのがこちらのレンボキサントです。
こちらもオレキシン受容体の拮抗作用を持った成分で、従来の脳の働きを抑制して眠りを促すタイプの睡眠薬と違って、自然な眠気を強めるタイプの睡眠薬となります。
上記のスボレキサントとの違いは、こちらは効果が早くあらわれやすいため入眠障害の改善にも効果が期待できるという特徴があります。
デエビゴ
レンボキサントを配合した睡眠薬として、幅広く利用されているのがデエビゴです。
こちらはエーザイが製造・販売する睡眠薬で2.5mg、5mg、10mgと3種類で展開しています。
気になる価格は1錠あたり2.5mgは52.1円、5mgは82.7円、10mgは123.6円となっています。
依存性のリスクや副作用のリスクが少なく、現在では幅広い現場で活用されている睡眠薬となっているため、安心してお使いいただけます。
参考元:医療用医薬品 : デエビゴ
ラメルテオン
ラメルテオンはメラトニン受容体作動薬と呼ばれる種類に分類される睡眠薬のひとつです。
メラトニン受容体は睡眠や体内時計に深く関与しているメラトニンと呼ばれるホルモンと結合することで、体温を下げたり体内時計を同調して覚醒している脳や身体を睡眠へと誘います。
このラメルテオンは、そんなメラトニン受容体と結合することで、上記のような自然な眠りを誘うことで睡眠を改善へと導く作用を持っています。
ロゼレム
ロゼレムはラメルテオンを配合した睡眠薬のひとつです。
こちらは武田薬品工業が製造・販売しており、価格は1錠あたり44.7円となっています。
現在、ロゼレムと同じラメルテオンを配合したジェネリック医薬品がラメルテオン錠として多数登場しています。
こちらは副作用がほとんどなく、幅広い方が安心して服用できるという特徴があります。
また、ジェネリックを採用することで価格を抑えるといったことも可能となっています。
参考元:医療用医薬品 : ロゼレム
依存性に注意する必要がある睡眠薬
ここからは依存性に注意する必要がある睡眠薬を紹介します。
渇望する程の依存性はないもの、自己判断での服用中止や休薬は依存性に注意しなければならない点には注意が必要です。
ですが、適切に使うことで非常に高い効果に期待できるため、上手に使うことが肝心です。
ベンゾジアゼピン系
依存性に注意しなければならない睡眠薬の代表となっているのがベンゾジアゼピン系の睡眠薬です。
こちらはベンゾジアゼピン受容体に作用することで、GABAと呼ばれる神経伝達物質の作用を強めます。
このGABAは興奮を抑えたり、ストレスを緩和したりといった抑制系の情報を伝達する物質で、このGABAの作用が強めることで不眠の症状を改善へと導きます。
神経伝達物質の働きを高めて脳の働きを抑制することで、眠れない不安などを取り除きながらてリラックスさせて眠りへと誘います。
ハルシオン
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬の中でも代表的なものとなっているのがハルシオンです。
ハルシオンが何か知らずとも、その名前を聞いたことがあるという方もいるかと思います。
このハルシオンは有効成分としてトリアゾラムを配合しています。
こちらのハルシオンはファイザーが製造・販売する睡眠薬のひとつであり、現在ではトリアゾラム錠といった名称でジェネリックも登場しています。
気になる価格はハルシオン1錠あたり0.125mg のものが5.9円、0.25mgのものが8.8円となっています。
参考元:医療用医薬品 : ハルシオン
依存性は注意すれば問題ない!
ベンゾジアゼピン系などの依存性がある睡眠薬を使うのは怖いと感じる方もいるかと思います。
適切な使用ができない場合には、当然依存性のリスクが増えてしまいます。
これは逆に考えれば、適切に使いさえすれば依存性のリスクを最小限に抑えることができるということ。
ですから、ベンゾジアゼピン系などの依存性に注意が必要な睡眠薬は自己判断だけではなく、医師と相談しながら治療を進めるといったことが重要です。
まとめ
こちらのページでは、睡眠薬と依存性について紹介してきました。
覚えておくべきポイントはこちら
- 睡眠薬にも依存性はある
- その上で、依存性の高い薬と低い薬がある
- 現在では、依存性の少ない薬も増えている
- 依存性の高い睡眠薬も適切に使えば問題ない
睡眠薬と一口にいっても、その種類は現在では多くなっていますし、依存性の少ない薬も増えています。
また、依存性が高い睡眠薬も、注意しながら適切に使用することで依存症となってしまうのを予防することが可能です。
不眠の悩みは、酷くなると日常生活のさまざまな場面で大きな問題を引き起こしてしまう可能性があります。
睡眠薬は通販サイトで購入できるほど身近になりました。
だからこそ、睡眠薬について正しい知識を持ったうえで活用しなければなりません。