トリキュラーの避妊効果は99%以上?休薬期間中の効果も紹介!

トリキュラーの避妊効果は99%以上?休薬期間中の効果も紹介!低用量ピルの中でも任意性に使われるトリキュラー
「正しく飲めばほぼ100%避妊できる」と言われることもありますが、その背景には「条件付き」の現実があります。

このコラムでは、トリキュラーの避妊ロジックから、よくある失敗例まで、トラブやミスなく「実際どうなの?」に答えます。

トリキュラーの避妊効果はほぼ100%!ただし条件付き

トリキュラーは、3つの作用が妊娠の成立を防ぎます。

作用①排卵の抑制

脳の視床下部と下垂体に働きかけて、卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)の分泌を抑制。
これによって卵胞の成熟が止まり、排卵そのものが起こらなくなります。

作用②子宮頸管粘液の変化

ピルに含まれる黄体ホルモンの働きにより、子宮頸管の粘液が粘り気の強い状態に変化します。
これがフィルターとなって精子が子宮内へ入りにくくなります。

作用③子宮内膜の増殖抑制

子宮内膜が厚くなるのを防ぎ、受精卵が着床しにくいようにします。
たとえ排卵や受精が起きたとしても、着床をブロックして妊娠の成立を防ぎます。

女医 丸この3段構えの効果で非常に高い避妊率を誇っているのがトリキュラーの強みです。
ただし、この効果は「正しい時間に、毎日1錠ずつ飲み続ける」という前提のうえに成り立っています。
たった1日の飲み忘れでもホルモン濃度は不安定になり、飲み忘れが続いたりすると避妊効果は大きく下がってしまうため要注意です。
つまり、ピルの避妊効果には「毎日飲む」という行動の習慣化が欠かせません。

次の項では、トリキュラーによる避妊成功率とその根拠となるデータを紹介します。

実際にトリキュラーを用いて行われた臨床結果

トリキュラーを用いた臨床試験で確認された有効性はこちら。

試験製剤評価対象周期数妊娠例数パール指数承認時評価資料
アジー
(アジスロマイシン)
約7日間約7日間約7日間約7日間
トリキュラー錠2113,0980
(4)
0.00
(0.40)
松本清一ほか
基礎と臨床 25(4),1155-1177(1991)
トリキュラー錠2862300.00八神喜昭ほか
基礎と臨床 25(4),1178-1191(1991)
トリキュラー錠2814100.00黄宏駿ほか
Prog Med 11(2),349-361(1991)
合計13,8620
(4)
0.00
(0.38)

( )内の数字は服用忘れによる妊娠例と、それを含めた場合のパール指数

参考元:総合製品情報概要・トリキュラー錠

臨床試験で妊娠したのは、飲み忘れによる4例のみとなっていることから、正しく使えばほぼ100%の避妊率を誇ることがわかります。

パール指数で見るトリキュラーの避妊効果

パール指数は、その方法を用いて避妊を行った 100 人の女性が 1 年間に妊娠する件数のことで、トリキュラーは「0.3」と極めて低くなっています。
そのため、適切な使用ができていれば避妊確率は99 %以上と非常に高くなっています。
ただし、この指数には「理論値(Perfect Use)」と「実測値(Typical Use)」の2種類があります。

  • 理論値(Perfect Use):飲み忘れや時間ズレなしで完璧に持続した場合の数値
  • 実測値(Typical Use):実際の使用者にありがちなミスを含めた数値

トリキュラーのパール指数である0.3は理論値であり、飲み忘れリスクなどを考慮した実測値では「8」がパール指数となっているため、注意しなければいけません。

避妊効果はいつから始まる?飲み始めの注意点

トリキュラーは、飲み始めたその瞬間から避妊効果があるわけではありません。
避妊効果は、飲み始めのタイミングによって変わります。
ここでは、飲み始めの違いによる避妊効果の違いや注意点について詳しく見ていきます。

最も確実な「Day1スタート」

トリキュラーの避妊を最速で得たい時は、生理が始まったその日から飲むDay1スタートが最も確実な方法です。
この方法なら初日から避妊効果を期待できます。
ただし、生理の開始日からという縛りがあるのが一番の難点となっています。

サンデースタートやクイックスタートと避妊効果の安定時期

トリキュラーの服用を始める方法には、Day1スタートのほかに、生理開始した後の最初の日曜から服用するサンデースタートや、飲み始めのタイミングに縛られずすぐに服用を開始するクイックスタートがあります。
これらの方法は服用を開始する日に縛られなかったり、休薬期間の消退出血が起きるタイミングを週末からずらしたりできます。
一方で、避妊効果が安定するまでの7日間ほどは、別の避妊方法を一緒に使う必要があります。

飲み方で避妊効果に変化はある?

トリキュラーを服用するにあたり、「Day1スタート」と「Sundayスタート」では避妊効果に違いはあるのでしょうか?
実は、避妊効果に違いはありません。
いずれの方法でも、ほぼ100%の避妊効果を得ることができます。
ただし、避妊効果が何日目からあらわれるかが異なります。

なぜ?ピルを飲んでいても避妊に失敗する5つの原因

避妊失敗「ピルを飲んでいれば絶対に妊娠しない」と思っていませんか?
実は、避妊に失敗する多くのケースには共通する“原因”があります。
この章では、よくある5つの落とし穴を紹介しながら、どうすれば確実に避妊効果を保てるのかを解説していきます。

原因1:飲み忘れ・飲み間違い

トリキュラーは、毎日正しく持続して飲むことで初めて力を発揮します。
たとえ1錠でも飲み忘れるとホルモンバランスが崩れ、排卵が起こるリスクが出てきます。
飲み忘れに気づいたら、すぐに対応しましょう。

原因2:激しい嘔吐や下痢による成分の排出

服用後に激しい嘔吐や下痢があると、有効成分が体に吸収される前に排出されてしまうことがあります。

服用後、何時間以内の嘔吐・下痢に注意すべきか

服用から2時間以内の嘔吐や激しい下痢には要注意です!
2時間以内に起きた場合は、薬が十分に吸収されていない可能性があります。その際は追加で1錠服用することが推奨されます。

原因3:効果に影響を与える薬やサプリメントの併用

一部の抗生物質や抗てんかん薬、セントジョーンズワートなどのサプリは、トリキュラーの代謝を早めて効果を弱めてしまうことがあります。
逆に、効果を強めて副作用リスクを高める種類の薬もあります。こうした薬の場合、副作用で嘔吐や下痢があると前述のように成分排出に繋がる場合もあります。

原因4:効果が安定する前の避妊なしの性行為

トリキュラーの飲み始めや飲み忘れ後の復帰直後はホルモンレベルが安定していないことがあります。
その結果、避妊効果が不完全な状態となってしまい、妊娠リスクが高まります。
確実な避妊のためにはこうしたタイミングでは他の避妊法を併用することが重要です。

原因5:休薬期間のルールを守らない

予定日21錠タイプで8日間以上の休薬をしてしまうと卵巣が再び働きはじめ、排卵が起こる可能性があります。
休薬は必ず7日にして、8日目から服用を再開しましょう。

避妊に失敗しないための対策はある?

では、避妊に失敗しないためにできる対策としてできることはあるのでしょうか?
避妊失敗を防ぐための対策法をいくつか紹介します!
 

飲み始めは他の方法を併用

トリキュラー服用時の避妊失敗を防ぐ最も簡単な方法が「避妊方法を併用すること」です。
特にトリキュラーの飲み始めや飲み忘れてしまった時などには、コンドームや殺精子剤を並行して使用することで避妊に失敗する可能性を下げることができます。

事後の避妊方法を準備する

アフターピルなどの事後避妊の方法を準備しておくことで、避妊失敗を防ぐことが可能な場合もあります。
ただしアフターピルなどの事後避妊はどうしても体への負担が大きくなってしまうため、なるべく避妊方法を併用するようにしましょう。

休薬期間中の避妊効果と注意点

okピルを飲んでいない「休薬期間」の間も避妊効果が続いているのか不安になる人も多いはず。
結論から言えば、きちんとルール通りに服用していれば、休薬期間中も避妊効果は持続します。
この章では、その理由や休薬期間にありがちなトラブルとその対処法をまとめました。

ピルを飲んでいない休薬期間も、避妊効果はあるの?

正しく飲み続けていれば、体内にホルモンの影響が持続しているため、休薬中に排卵が起こることは基本的にありません。
そのため、7日間の休薬中も避妊効果は持続する形になります。

休薬期間が8日以上になってしまった!

8日以上休薬してしまうと体内のホルモン濃度が低下し、卵巣の活動が再開する可能性が出てきます。
その場合の対処法は、以下の通りです。

  • できるだけ早く新しいシートを開始する
  • 最初の7日間は他の避妊法の併用
  • 休薬期間中に性行為があった場合は、アフターピルの使用を検討する

できる限り早いタイミングで新しいシートを開始し、次の排卵を防ぐことが何よりも重要です。
このとき、服用再開からの7日間は他の避妊法を併用しましょう。
 
また、長くなった休薬期間中に性行為をしていた場合は、妊娠の可能性があるためアフターピルの使用を検討することもひとつの選択肢となります。

休薬期間中に生理が来ない。妊娠の可能性は?

妊娠していない場合でも、ストレスや体調の変化で出血が起こらないことはあります。ですが、飲み忘れなどが合って避妊に不安がある場合はすぐに妊娠検査または受診をしてください。

ニキビや肌荒れも改善するって本当?

ニキビホルモン剤であるトリキュラーには、ニキビを改善する効果も期待できます!
特に顎まわりやフェイスラインにできる大人ニキビは、女性の体内でも分泌されている男性ホルモン(テストステロン)の影響が大きいとされています。

トリキュラーの成分が男性ホルモンの働きを抑制し、ニキビの改善に役立ちます!

ただし体質によっては、一時的にニキビが悪化する場合もあります
飲み始めたばかりの時期は、ホルモンバランスが変化する過程で一時的に皮脂分泌量が不安定になる場合があります。

生理痛やPMSの緩和に効果ある!?

PMS生理痛やPMS(月経前症候群)特有のイライラや気分の落ち込み、頭痛、むくみ、乳房の張りなどは、女性ホルモン分泌量の急激な変化によって引き起こされます。

トリキュラーの服用は、そうした辛い症状の改善にも役立ちます。
また、トリキュラーを用いることで生理日のコントロールなども可能となるため、生理に関するさまざまな悩みを幅広くカバーしているのも特徴です。

生理やPMS、生理周期のコントロールに関する情報はこちらで詳しく解説しています。

【まとめ】正しい知識が、トリキュラーの効果を最大限にする

トリキュラーは「正しく飲めばほぼ100%避妊できる」低用量ピルです。
その仕組みや注意点を正しく理解しておくことが、効果を活かす第一歩になります。

この記事のポイントを3つにまとめました!

  • 避妊成功率は最大99.7%
  • 飲み忘れなどのミスがあると効果が下がる
  • 避妊以外にもさまざまな効果がある

正しい知識と習慣があれば、トリキュラーはとても頼れる効果を持った避妊薬です!
そのため、トリキュラーでの避妊を検討されている方はぜひ使ってみてはいかがでしょうか。

トリキュラーについての情報ならこちらで幅広く紹介しているので、使用を検討されている場合は是非お役立てください。