月経困難症はピルで改善できる!効果的なピルの種類や副作用とは?

月経困難症はピルで改善できる!効果的なピルの種類や副作用とは?月経による痛みや精神的な症状などの月経困難症に悩む女性は多いでしょう。
月経に伴う月経困難症はピルを服用することで改善できる可能性があります。
しかし、月経困難症を改善するためには、月経困難症の概要やピルの種類について把握しておく必要があります。
 
今回は月経困難症の概要や原因、改善に効果的なピルの種類について解説します。
ピルの服用方法や副作用についても紹介するため、月経困難症で悩む人は参考してください。

 

月経困難症とは?

月経困難症とは、月経に伴って発症する痛みや精神的な症状のことです。
月経困難症の痛みでは腰痛や腹痛、頭痛などが起こります。
一方で精神的な症状ではイライラや不安、抑うつなどがあらわれるのが一般的です。
なお、排卵を伴わない月経の場合は、痛みは起こりづらいといわれています。
 
月経困難症には、原因疾患がないケースとあるケースで以下の2つに分類されます。

  • 機能性月経困難症
  • 器質性月経困難症

ここからは、それぞれについて見ていきましょう。

 

機能性月経困難症

機能性月経困難症とは、原因疾患がないにも関わらず月経期・月経前に強い腰痛や腹痛、頭痛などがみられる月経困難症です。
原因疾患がないため「原発性月経困難症」とも呼ばれています。
機能性月経困難症は、初経後2年~3年に始まるケースが多く、加齢とともに発症しなくなるのが一般的です。
ただし、若い年齢で機能性月経困難症の症状が強い人は、将来「子宮内膜症」になりやすいといわれています。

 

器質性月経困難症

器質性月経困難症は、原因疾患があることで起こる月経困難症です。
原因疾患に続いて発症することから「続発性月経困難症」とも呼ばれています。
器質性月経困難症は、初経後5年を超えてから発症するのが一般的です。
器質性月経困難症の原因となる疾患は以下の通りです。

 

子宮内膜症

子宮内膜症とは、卵巣や骨盤内などの子宮以外で子宮内膜のような組織が増える病気です。
増えた組織は、女性ホルモンに反応して出血を起こします。
通常の子宮内膜であれば、出血とともに腟を通って体の外に出されます。
 
しかし、子宮以外にできた組織は出る箇所がないため、お腹に溜まって炎症を起こすのです。
お腹にできた炎症によって痛みなどの器質性月経困難症を発症します。
子宮内膜症を引き起こした約8割以上の患者に月経困難症の症状があらわれるといわれています。

 

子宮線筋症

子宮腺筋症とは、子宮の筋肉に子宮内膜が潜り込んで増える病気です。
子宮の筋肉に潜り込んだ子宮内膜が増えると、周辺の筋肉が固くなり子宮の壁も厚くなるため、子宮全体が膨らんできます。
子宮腺筋症になると強い痛みだけでなく、多量な出血によって貧血を引き起こすこともあります。

 

子宮筋腫

子宮筋腫とは、子宮の壁にある筋肉の一部が異常に発達して、こぶができる病気です。
子宮筋腫は、子宮の筋肉内にできた腫瘍がエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの影響を受けて発症することが原因といわれていますが、はっきりとした原因はわかっていません。
子宮筋腫のこぶが大きくなるにつれて、出血時にレバーのような血の塊がでてくるのが特徴です。

 

月経困難症が生じてしまう原因

月経困難症が発症する原因としては、以下が考えられます。

  • プロスタグランジンの過剰分泌
  • 子宮口が狭くて固い
  • 心理的な要因

プロスタグランジンとは、子宮内で落ちた子宮内膜を体の外に排出する際に、子宮を収縮させる物質です。
プロスタグランジンが過剰に分泌されることで、子宮が収縮しすぎてしまい痛みが起こります。
なおプロスタグランジンの過剰分泌による痛みは、機能性月経困難症の原因となります。
 
子宮口が狭くて固いことも月経困難症の原因の1つです。
特に若い人や出産の経験がない人は、子宮と腟をつなぐ箇所が狭くて固いため、月経による血をスムーズに流せずに痛みが起こりやすくなっています。
月経困難症は、「月経は痛いから嫌」といった思い込みからも発症するケースもあります。
ほかにもストレスによって引き起こされるケースもあり、月経困難症は心理的な要因でも引き起こされることもあるのです。

 

月経困難症はピルで改善できる

ピルピルとは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の成分が配合されており、排卵の抑制や子宮内膜の増殖を抑える薬です。
月経による痛みを軽くしたり、月経の回数を減らしたりできるため、月経困難症の症状を改善する効果があります。
このようにピルは避妊のためだけでなく、月経困難症の症状改善にも使われるのです。

 

月経困難症に効果的なピルの種類と服用方法

月経困難症の改善にピルを活用する際には、ピルの種類や服用方法について注意する必要があります。
ここからは、月経困難症に効果的なピルの種類と服用方法について見ていきましょう。

 

ピルの種類

ピルには「LEP」「OC」の2種類があります。
月経困難症に効果的なピルはLEPです。
 
LEPは、低用量エストロゲン・プロゲステロン配合という意味であり、月経困難症や子宮内膜症などの治療薬として認められています。
LEPを使用するためには、医師の診断が必要となり問診や内診、血液検査や腹腔鏡検査などを行います。
なお、月経困難症や子宮内膜症などの治療を目的としてLEPを使用する場合は、保険が適用されます。
 
一方でOCは低用量経口避妊薬であり、避妊を目的としている低用量ピルになります。
避妊を目的としたOCは保険適用外であるため、全額自己負担です。
いずれのピルも作用自体は共通しているため、OCを月経困難症の治療薬として使ったり、LEPを避妊に活用したりすることができたりします。

 

ピルの服用方法

ピルは1日1錠を毎日決まった時間に服用します。
原則として、月経の初日から飲み始めて21日間連続で服用し続けて、21日間の服用が完了したら7日間休みます。
ピルを飲み続けなければならない期間に1日でも飲み忘れてしまうと、排卵が始まる可能性があるため、忘れないようにしましょう。
なお、24時間以内の飲み忘れであれば、気づいた時点で服用して問題ありません。

 

ピルに副作用はある?

体重増ピルを服用すると吐き気や頭痛、不正出血などの副作用が起こる可能性があります。
ほかにも、体重増加やむくみなどの症状ができる人も多いようです。
これらの副作用は長くても3ヶ月で治まるケースが多いため、「マイナートラブル」とも呼ばれています。
 
万が一こうした副作用が長く続いたり、強すぎたりする場合は医師に相談しましょう。
体質によって合わないピルもあるため、種類を変えることで治まるケースもあります。
重篤な副作用として血栓感染症を発症する可能性があるため注意が必要です。
特に肥満の人や喫煙者、高血圧の人は注意が必要です。

 

まとめ

月経困難症とは、月経に伴って発症する症状のことです。
腰痛や腹痛、頭痛などの痛みから、イライラ・不安などの精神的な症状まであらわれます。
月経困難症には、原因疾患がない機能性月経困難症と原因疾患がある器質性月経困難症の2つがあります。
これらの月経困難症はピルを服用することで改善が可能です。
 
LEPのピルは、月経困難症や子宮内膜症などの治療薬として認められています。
もう1つの種類であるOCは避妊が目的です。
ピルを服用するとマイナートラブルと呼ばれる頭痛や不正出血などの副作用が起こる可能性がありますが長くても3ヶ月で治まります。
ただし、あまりに長く続いたり痛みが強かったりする場合は、医師に相談することが大切です。
月経困難症の改善でピルを服用する際には、この記事を参考に効果的な種類や服用方法を把握しておきましょう。