クロルオフ点眼液

細菌によって起こる目の感染症に対して使います。結膜炎や麦粒腫（ものもらい）、角膜炎や涙嚢炎など、目や目の周辺で起きている症状に効果を発揮します。

グラム陽性菌とグラム陰性菌の両方に効果がある薬です。ブドウ球菌やレンサ球菌、大腸菌やインフルエンザ菌などに対して作用します。細菌のタンパク質合成を妨げることで細菌が増殖するのを防ぎます。

クロルオフ点眼液は細菌の増殖を止めるタイプの薬です。ベータラクタム系やニューキノロン系とは作用が違っており、クラミジアやリケッチアなどにも効果がある点が特徴です。一般的な細菌だけでなく、幅広い病原菌に対応できるのがこの薬の強みです。

感染の予防目的で使うことは推奨されていません。抗菌薬は必要なときに限って使うもので、症状がない状態で使うと耐性菌ができるリスクがあります。この薬も、細菌感染が疑われるときだけ使用するのが基本です。

通常は1回1滴を、1日数回点眼するのが基本です。症状に応じて1日4〜6回の頻度で使用されることが多いです。点眼する間隔はできるだけ揃えるのが推奨されています。

1日の中で決まった間隔で点眼することで、薬の効果が安定します。例えば朝・昼・夕方・就寝前など、4回使用する場合はおおよそ6時間おきに行うのが目安です。起きてすぐや外出前、帰宅後など、生活リズムに合わせて継続できる時間帯を選ぶと習慣化しやすくなります。

点眼後はすぐにまばたきを繰り返さず、1〜2分ほど目を閉じて薬をしっかりなじませるのが理想的です。まばたきをすると薬が外に出やすくなってしまうため、まぶたを軽く閉じて静かに待つようにしましょう。必要に応じて目頭を軽く押さえることで薬液が鼻へ流れるのも防げます。

この点眼薬はコンタクトレンズを装着したままでは使用できません。点眼する前に必ずレンズを外してください。再装着する場合は、点眼後15分以上空けるのが一般的な目安です。感染症の治療中は、できるだけメガネで過ごすことが望ましいです。

点眼後に軽い刺激感や異物感を感じることがあります。これは一時的なもので、多くの場合はすぐにおさまります。ただし、強い症状が出ている場合は使用を中止して医療機関を受診するなどしてください。

長期間の連用は避けるべきとされています。クロラムフェニコール点眼液を長く使い続けると、耐性菌が増えるだけでなく、まれに再生不良性貧血といった重い副作用の報告があります。指示された期間だけ使い、自己判断で使い続けないことが大切です​。

目をこすると薬が押し出されたり、炎症が悪化する原因になることがあります。点眼後はできるだけ目に触れず、軽く閉じたままにして薬をなじませるようにしましょう。かゆみなどが強い場合は、そのまま使い続けず、状態の変化を確認してください。

過去にクロラムフェニコールでアレルギー反応（発疹やかゆみなど）を起こしたことがある人は使用できません。また、血液の病気（再生不良性貧血や白血病など）の既往がある方は、慎重に使用する必要があります。全身性の薬剤と異なり点眼ではリスクは低いとされていますが、念のため使用中は体調の変化に注意してください。症状の強い人は医師に相談したうえで判断するのが望ましいです​。