不眠症になるとどんな症状があらわれる?日中に生じる症状とは?

不眠症になるとどんな症状があらわれる?日中に生じる症状とは?現代日本において数多くの方を悩ませている不眠症。
不眠症になると眠れなくなるというイメージを持たれる方は非常に多いですが、実はそれだけではありません。
そのため、実は不眠症なのに自身で不眠症と自覚していないというケースもあります。
そこで、こちらのページでは不眠症について、実際にどのような症状があらわれるのかといったことについて紹介していきたいと思いますので、是非一度ご覧ください。

 

不眠症の種類と症状を解説!

不眠症は大きく分けて3つの種類に分類することができます。
それぞれの種類ごとに、あらわれる症状は違っているため、まずはそれぞれの種類ごとの特徴を適切に把握するようにしましょう。

 

入眠障害

不眠症の中でも、もっとも多くの方が認知している種類がこちらの入眠障害です。
寝つきが悪くなるという症状があらわれるというもので、布団に入っても眠りに入るまでに30~60分以上の時間がかかってしまい、それが苦痛と感じてしまう状態を指します。
強い不安や緊張が引き金となって起きやすく、不眠症の中でも最も多くの人が症状を訴える種類となっています。

 

中途覚醒

中途覚醒とは入眠障害とは違って寝付きが悪くなるといったことはありません。
中途覚醒という名前の通り、何の問題もなく眠りにつくことができるのに夜中に何度も目が覚めてしまって目覚めた後は、なかなか寝つけなくなってしまう状態を指します。
こちらの中途覚醒は眠りが浅くなったり、睡眠中に生理的病態(睡眠時無呼吸症や四肢運動異常症など)が存在して引き起こされる不眠症で、特に中高年に多くみられるとされています。

 

早朝覚醒

早朝覚醒とは本来予定していた時間よりも2時間以上早く目が覚めてしまうという不眠症です。
加齢によって体内時計が前倒しにずれてしまうことでおきるとされており、実際に若い方よりも年齢を重ねた高齢者によく見られるタイプの不眠症となっています。
また、こちらの早朝覚醒の原因は老化だけではなく、うつ病の症状としても見られるため若い方でもなってしまう可能性はあります。

 

不眠症になると日中の生活にも問題が生じるようになる

仕事中眠気に襲われる女性不眠症になってしまうことの一番の問題は日中にも問題が生じるという点です。
睡眠時間が短かったり、睡眠の質が低くなってしまえば、当然より多くの睡眠をとろうとしてしまい、眠気が起きてしまいます。
その結果、日中の生活にもさまざまな問題が生じるようになってしまいます。

 

不眠症によって日中に生じる症状は?

では、不眠症になってしまうと日中にどのような症状があらわれるのでしょうか?
ここからは日中にあらわれる症状について紹介していきたいと思います。

 

日中の強い眠気

不眠症になった時にあらわれる日中の症状の中でも特に多いのが強い眠気です。
睡眠不足になったり、睡眠の質が低下したりすることによって、日中にも強い眠気に襲われるようになったりします。
運転中に強い眠気があらわれることで事故を引き起こす可能性もあり非常に危険です。
 
また、酷い場合は予兆もなく眠りに落ちてしまうといった場合もあります。
当然、危険な作業などの最中に眠りに落ちてしまうことは非常に危険であることは言うまでもありません。

参考元:不眠症と日中の過度の眠気

 

身体的な症状

不眠症になることで日中にあらわれる症状は強い眠気だけではありません。
睡眠の質自体が低下してしまうため、睡眠によって疲れがとれなくなってしまうことで疲れが残り続けてしまうことになります。
そのため、日中も倦怠感に襲われてしまうということは珍しくありません。
特に、不眠だと自覚していない場合、なぜかわからないけど疲れが取れなかったり、体調が優れないといった状態に陥ってしまいやすくなります。

 

精神的な症状

眠気や身体的な症状のほかに、不眠症は精神的な症状を日中に引き起こすことがあります。
不眠によって日中にあらわれる精神的な症状として、集中力や注意力の低下や苛立ち、抑うつ気分や意欲の低下などさまざまなものがあります。
集中力や注意力が低下することで仕事に支障が出てしまったり、事故を引き起こす原因になってしまったりすることがあります。
 
また、抑うつ気分や意欲の低下は仕事などへのやる気の低下やミスにつながることもあります。
これらの精神的な症状が原因となって日常生活に支障をきたし、更にストレスが溜まって不眠症状が強まるといった悪循環にもつながることがあります。

 

不眠症は重症化する前に対策することが大事!

指示棒を持つ薬剤師ここまでに紹介してきたように、不眠症になってしまうと睡眠に関する問題が起きるだけでなく、目覚めている日中にもさまざまな問題が発生してしまいます。
また、不眠症は重症化することで慢性的なものとなり改善するのが困難になってしまうため、不眠症は酷くなる前に適切に対策することが何よりも大切です。
ここからは、そんな不眠症対策についていくつか紹介してきたいと思います。

 

生活習慣の改善

不眠症を改善するための方法として、最も基本となるのが生活習慣の改善です。
就寝前のカフェイン摂取を控えたり、適度な運動を取り入れたり、食事のタイミングを一定の決まった時間にしたり、就寝時間を一定にしたりといったようにさまざまな方法があります。
沢山の対策があるため、一度にすべての対策を生活の中に取り入れるのは難しいため、自身でできることから取り入れるようにするだけでも効果がある場合もあります。

参考元:不眠を改善する8つの生活習慣と治療法

 

睡眠薬を使用する

不眠症の対策として生活習慣の改善のほかに、睡眠薬の利用があります。
睡眠薬と一口にいってもさまざまな種類があり、それぞれの不眠症に合ったものを選ぶことで不眠を効率的に解消へと導いてくれます。
しかし、これは逆に言えば自身の不眠症に合った種類を使わなかった場合、不眠は解消されないということでもあるため、注意が必要です。
 
また、不眠の根本の原因となっている事柄に対してのアプローチではないため、原因が把握できる場合には原因の解消も並行して行うことが重要です。
現在では、睡眠剤の服用においては出口の見える治療を行います。
睡眠が安定したら徐々に薬の量を減らしていき、最終的には服用しなくても眠れるようになります。

 

医者

 

まとめ

こちらのページでは不眠症についてさまざまな情報を紹介してきました。
こちらの記事で紹介した情報のポイントはこちら

  • 不眠症には3種類ある
  • 不眠症は日中にも症状があらわれる
  • 対策は生活習慣の改善と睡眠薬
  • 不眠症は重症化すると改善が困難

不眠症と一口にいっても、3つの種類がありそれぞれで全く違った特徴があります。
そのため、それぞれの種類について適切に把握しておかなければ、自身が不眠症であるという認識ができない場合もあります。
不眠症を対策するためには生活習慣の改善と睡眠薬の使用という方法があり、それぞれの人に合った方法を選べるようになっています。
 
また、不眠と不眠症とは異なります。
不眠があっても日中の症状がなければ、不眠症ではありません。
自分が不眠と思っていても睡眠中の検査(睡眠ポリグラフ検査)をすれば、よく眠れている人もいます(睡眠状態誤認)。
睡眠に不安をもっている人は、専門医療機関を受診してください。

 

監修者情報

山口祐司先生

  • 医師

    山口 祐司

  • 所属・資格等

    福岡浦添クリニック院長

  • 経歴

    1979年自治医科大学卒業後、国家公務員共済組合連合会浜の町病院と九大病院救急部で2年間の臨床研修。浜の町病院勤務の時に、名嘉村博先生(現在、名嘉村クリニック院長)から指導を受け、その20年後に名嘉村先生から現在の睡眠医療への道に導かれることになる。臨床研修後は、福岡県の地域医療(県立病院、町立病院)の仕事を行い、その後、自治医科大学医動物及び血液学、ハーバード大学べス・イスラエル病院感染症部門リサーチフェロー、熊本大学遺伝発生研究施設(分化制御)講師として基礎研究に従事。2000年より、福岡浦添クリニック院長として睡眠医療に従事している。日本睡眠学会総合専門医、日本内科学会総合内科専門医。アメリカ睡眠学会会員、アメリカ血液学会会員。1990年ベルツ賞(2等賞)、2006年福岡県医師会医学研究賞。