不眠症は病院の何科を受診すればよい?治療法についても解説!

不眠症は病院の何科を受診すればよい?治療法についても解説!仕事でのストレスや不安などで夜、眠れないという人は非常に多いです。
こうした不眠症に悩まされている人のなかには、改善したいという気持ちはあっても、何科を受診すればいいのか分からずにそのままでいるという人も少なくありません。
 
こちらのページでは不眠症や不眠症を改善するために何科を受診すればいいのかといったことを紹介していきます。
また、実際に行われている不眠症の治療方法についても紹介するので、是非お役立てください。
 

不眠症とは?

まずは不眠症がどのような病気であり、どのような種類があるのかを解説します。

不眠症の概要

日本において不眠症は国民病ともいわれるほど患者数が多い疾患です。
実に5人に1人が不眠症に悩まされているといわれており、中でも女性に多く見られるとされています。
 
不眠症の症状は寝つくのに時間がかかったり、夜中に何度も目が覚めたりなどさまざまで、不適切な睡眠・生活習慣などが原因となっています。
また、仕事で大きなトラブルを起こしてしまったり、両親や友人など身近な人が亡くなってしまったショックなど、強いストレスにより不眠症になることもあります。
ほかにも、寝る前にカフェインやニコチンを摂取したり、普段よりも長く睡眠をとったりすると不眠につながる可能性があります。

不眠症の種類

不眠症は、症状によって以下の4つの種類にわけられます。

  • 入眠困難…寝床に入って30分~1時間以上たっても寝つけない
  • 中途覚醒…眠りに入ったものの、夜中に何度も目が覚めてしまう
  • 早朝覚醒…起床する予定の2時間以上も前に目が覚めてしまい、そこから寝つけない
  • 熟眠障害…十分に睡眠時間を確保しているにも関わらず、眠りが浅く寝た気がしない

不眠症=眠れない」というイメージを持っている方は少なくないでしょう。
ですが、眠りにつくことができても早く目が覚めたり、何度も目が覚めてしまう場合も不眠症に該当します。
また、普通に眠れて目が覚めることがない場合でも、睡眠の質が低いような場合では不眠症に該当します。
そのため、眠れているから不眠症ではないと自己判断してしまうのは早計といえます。

不眠症は何科に行けばよい?

不眠症を引き起こした場合、病院の何科を受診すればよいのかわからない人もいるでしょう。
ここでは、不眠症の状況別の受診すべき病院の科について解説します。

参考元:これってもしかして不眠症?|原因・受診・治療方法を詳しく紹介

不眠症かわからない場合は「内科」

「眠れない日が何日か続く」
「日中の行動はそこまで深刻ではない」
など、眠れないものの体調が悪いといった症状がない場合は、まず内科を受診しましょう。
 
内科では、患者の健康状態や生活習慣などを考慮し、眠れない原因を明確にするのを手助けしてくれます。
また、薬物の投与や慢性的な疾患などの影響も調査し、必要に応じて適切な治療やアドバイスをしてもらうことが可能です。
 
ストレスや生活習慣など不眠症にはさまざまな原因があるため、原因によっては他の診療科を受診する必要がある場合もあります。
不眠症なのか判断ができないという場合、まずは内科を受診してみましょう。

精神的なストレスがある場合は「精神科・心療内科」

精神的なストレスが不眠症の原因となってしまうことがあります。
そのため、不安や気分の浮き沈み、ストレスなどがある場合は、精神科や心療内科を受診しましょう。
 
精神科や心療内科では、上記のような不安やきもちの浮き沈み、ストレスマネジメントなどメンタル面の治療を行えます。
それによって精神的な問題が解消されることで、不眠の悩みも改善していきます。

不眠症に悩むことが多い場合は「睡眠専門外来」

近年では、不眠症に悩む人が多くなったことから、不眠症などの睡眠の問題を専門的に扱う睡眠専門外来が増えてきています。
こうした睡眠を専門的に扱う機関が増えたことによって、精神科はハードルが高いと感じる人でも気軽に不眠症の改善への一歩を踏み出せるようになっています。
 
睡眠専門外来は不眠症だけでなく、過眠症や睡眠時無呼吸症候群など、睡眠に関するさまざまな悩みに対処することができるようになっています。

不眠症の治療方法

不眠症の治療には、治療薬を用いた薬物療法治療薬を使わない非薬物療法の2つがあります。
ここでは、それぞれについて詳しく解説します。

参考元:不眠症とは?原因や治療法・自分でできる治し方をわかりやすく紹介

薬物療法

薬物療法はその名の通り睡眠薬などの治療薬を用いて、不眠症の症状を改善する治療法になります。
この薬物療法で用いられるのは、GABA受容体作動薬やメラトニン受容体作動薬、オレキシン受容体拮抗薬と呼ばれる種類の薬になります。

  • GABA受容体作動薬…脳の興奮を抑える「GABA」と呼ばれる神経伝達物質の活動を促進させて睡眠作用をもたらします。
  • メラトニン受容体作動薬…脳内の「メラトニン」を刺激することで、体内時計のリズムを整えて睡眠を促します。
  • オレキシン受容体拮抗薬…脳内の覚醒に導く神経伝達物質であるオレキシンの活動を弱めることで、眠りを促す薬です。

治療薬ごとに、眠りへと誘う方法がちがっていたり、同じ種類の治療薬でも効果があらわれるまでの時間や効果時間などが違っていたりします。
そのため、自身の不眠の症状に合わせて適した睡眠薬を選択して用いる必要があります。
 

女医

 

非薬物療法

非薬物療法には、以下の2つの治療法があります。

  • 生活習慣の改善
  • 認知行動療法

どちらも、治療薬を用いずに行う治療法となっているため、薬が使えない方でもできる治療法となっています。
 
不眠に悩みがある場合、まずは上記のような非薬物療法を実施するのが一般的です。
それでも改善されない場合には、上記に加えて薬物療法を実施します。

生活習慣の改善

生活習慣の乱れは不眠症の原因となってしまいます。
そのため、不眠症の原因となる生活習慣の乱れを改善することによって、不眠症も改善できる可能性があります。
一例として以下のような改善を実施すればよいでしょう。

  • 規則正しい睡眠のスケジュール…就寝・起床の時間を一定にして体内時計を整える
  • 睡眠時間にこだわりすぎない…眠れないときは寝床を離れて気分転換をし、眠気がきたら寝床につく
  • 就寝前にリラックスする…読書や入浴、瞑想など就寝前にリラックスする行動をとり入れる
  • 適切な食事と運動…寝る直前に大量の食事や激しい運動はしない
  • カフェイン・アルコールの制限…就寝前にカフェインやアルコールの摂取は控える
  • 寝る前のスマホ操作を控える…スマホのブルーライトには覚醒作用があるため、寝る前の使用は控える

認知行動療法

認知行動療法は、問題・症状の要因になっているその人の考え方や癖(習慣)を明確にして、よい習慣に変えていくように促す治療法です。
不眠症であれば、「なぜ眠れないのか」といった自身の睡眠状況を見直して、不眠症の原因である考え方や癖などに見つけて変えていきます。
認知行動療法の治療方法は以下の通りです。

治療方法概要
睡眠日誌毎朝何時から何時までどのくらい寝たのかを記録する
自身の睡眠パターンを理解して、治療するための戦略を見つける
刺激制御法「寝床は寝る以外は使わない」という考え方に変更するための以下3つを実践する
1.寝床は睡眠以外使わない
2.寝床で15分以上目が覚めたら寝床をでる
3.眠くなったときだけ寝床につく
睡眠制限法寝床にいる時間を制限する

まとめ

指示棒を持つ薬剤師
普段よりも寝つくのに時間がかかったり、夜中に何度も目が覚めたりする場合、不眠症である可能性があります。
不眠症は、内科や精神科・心療内科などで治療ができるため、不眠で悩む場合はこれらを受診しましょう。
近年では、睡眠に特化した睡眠専門外来も増えているため、「病院はハードルが高い」という人にはおすすめです。
 
不眠症は、治療薬によって改善する薬物療法と、生活習慣の改善・認知行動療法などによって改善する非薬物療法があります。
治療薬は、依存性や頭痛などの副作用があるため、まずは治療薬を使わない非薬物療法を試してみましょう。