フェブリクvsトピロキソスタット:痛風治療の最適解はどっち?

フェブリクvs.トピロキソスタット:痛風治療の最適解はどっち?フェブリクとトピロキソスタットは、いずれも痛風や高尿酸血症の治療に使われる「キサンチンオキシダーゼ(XO)阻害薬」ですが、違いもあります。
こちらのページでは両者の違いや選び方について徹底解説します!

 

まるで双子!?フェブリクとトピロキソスタットの比較!

トピロキソスタットフェブリクとトピロキソスタットは、どちらも同じくキサンチンオキシターゼと呼ばれる酵素の働きを阻害して尿酸の生成を抑制するという作用を持っています。
そもそも尿酸は、体内に取り込まれたプリン体がピポキサチンに変化し、さらに「ピポキサチン→キサンチン→尿酸」と変化することで生じますが、そのために働くのがキサンチンオキシダーゼです。
フェブリクとトピロキソスタットは、そんなキサンチンオキシダーゼを阻害することで、「ピポキサチン→キサンチン」「キサンチン→尿酸」という変化を防ぎます。
基本的な採用機序そのものは、まるで双子かと思われるほど同じなのです。
 
ただし、服用方法や効果の速さ、副作用などさまざまな面で違っています。
フェブリクはトピロキソスタットよりも素早く尿酸を下げる作用があり、効果が長く続くという特徴があります。
その他の違いは、以下の通りです。

フェブリクトピロキソスタット
1日あたりの
服用量
・1日1回10mgからスタート
・増量して維持量40mg
・1日2回、各20mgからスタート
・維持量は1回60mgを1日2回
1錠あたりの
コスト
1錠あたり約53円/40mg
(先発薬フェブリク錠)
1錠あたり約43円/60mg
(先発薬トピロリック錠)
副作用の
発現頻度
最大1~5%未満最大5%

先発薬を使う場合、コスト面ではフェブリクに軍配が上がります。
トピロキソスタットは、1錠あたりの価格はフェブリクより安価であるものの、1日2回の服用が必要であるため、結果的に高くなってしまうのです。
 

 

高尿酸血症治療薬は切り替える必要がある?

切り替える必要について言及する医者個々の体質や状況に合わせて、高尿酸血症治療薬の切り替えを行うことは珍しくありません。
たとえば、フェブリクの強い尿酸低下作用によって痛風発作が出やすい場合に、尿酸値の変動が緩やかで痛風発作のリスクが低いトピロキソスタットへ切り替えることができます。

 

換算できるの?フェブリクとトピロキソスタットの同等量換算

  • フェブリクからトピロキソスタットへ切り替える
  • トピロキソスタットからフェブリクへ切り替える

このようなとき、服用量がどのぐらい変わるのか把握するために、同等量換算が参考になります。
実際に行われた非劣性試験から導き出される同等量換算の結果は、以下の通りです。

フェブリク40mg≒トピロキソスタット120~160mg

フェブリクは1日あたり40mgで良いのに対して、トピロキソスタットで同等の結果を得ようと思えば1日あたり120~160mg必要であるわけです。
 

参考元:【尿酸生成抑制薬】薬物動態情報まとめ&同等量換算&使い分け

 

結局どっちがいいの?フェブリクvs.トピロキソスタットの最適解

フェブリクとトピロキソスタットでは、それぞれ異なる特徴があります。
これまでの内容をもとに簡単にまとめると、それぞれ以下のような人に向いているといえます。

フェブリク1日の服用回数を減らしたい
速やかに尿酸値を下げたい
トピロキソスタットXO阻害薬を飲むと痛風発作が出やすい
腎機能に不安がある(※)

(※いずれも腎機能に左右されない医薬品とされていますが、トピロキソスタットは、腎機能低下による影響が最も少ないとされています)

参考元:フォーミュラリー(尿酸生成抑制薬)

 

まとめ:あなたに最適な痛風治療薬を選ぼう!

フェブリクとトピロキソスタットを比較した結果、ポイントは以下の通りです。

  • 腎機能が低下しているならフェブリク!(肝代謝なので安全)
  • フェブリクで痛風発作がよく出るならトピロキソスタット!(尿酸値低下が緩やかで発作が出にくい)
  • 服薬回数を減らしたいならフェブリク!(1日1回で済む)

フェブリクとトピロキソスタットは、どちらも優れた薬だからこそ、どちらを選ぶべきか迷うこともあります。
そのため、自分の体調や希望に合ったものを選ぶようにしましょう。
ただし、迷った場合は医師に相談してアドバイスを受けるのがいちばん安全です。