ガチブル点眼液

ガチブル点眼薬は、インドの製薬会社Lupin Ltdが製造した抗菌作用のある点眼薬です。原因が細菌による目のトラブルに非常に有効になっており、眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫（もらいもの）、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎、眼科周術期の無菌化療法などに用いられます。

細菌が眼の中に感染、増殖すると炎症を起こし痛みや充血などを引き起こします。細菌は、DNAを複製させ、細胞分裂することで増殖していきます。

ガチブル点眼薬の有効成分である「ガチフロキサシン水和物」は、細菌のDNA複製の働きを阻害する作用がある抗生物質で、ブドウ球菌属、肺炎球菌、腸球菌、セラチア属、クレブシエラ属、モルガネラ・モルガニー、インフルエンザ菌、コリネバクテリウム属、緑膿菌、スフィンゴモナス・パウチモビリス、アクネ菌、などの様々な細菌に対して殺菌効果を発揮します。また、従来の抗菌薬よりも耐性菌を作りにくいという特徴があります。

このように、ガチフロキサシン水和物は様々な菌に対して有効なため、初めは点眼薬と経口薬として用いられていました。経口薬は発売当初は、高い抗菌作用から「有望な抗菌剤」と称され世界中で多くの人々が利用してきましたが、一方で高齢者、糖尿病患者などからの副作用の報告が続発したため、最終的には各国で販売中止、終了されました。

一方、点眼薬は、経口薬と違い副作用は殆ど無く、高い抗菌作用を得ることができます。
眼科領域手術での手術前の使用で、無菌化率70％以上、手術後14日目での無菌化率は95％以上と非常に良い結果があり、今でも幅広い用途で使われています。