エムラクリーム

タイプによる違いは、ローションは浸透が早く即効性に期待できますが、効果の持続は短い場合があります。その反面軟膏タイプはじんわりと長く効果が持続するといった特徴があります。また、軟膏タイプはベトベトとした感じが残ってしまうといったデメリットもあります。

注射針やレーザー治療など皮膚表面で起こる痛みを和らげるための局所麻酔薬です。針を刺すときや皮膚処置の前にあらかじめ塗っておくことで、痛みを感じにくくする効果があります。

最大100cm²（エムラクリーム10g使用）までの範囲に効果があります。ピンポイントから広範囲の処置に対応できます。ただし、顔や粘膜など部位によって吸収量が異なるため、適切な範囲にとどめる必要があります。

多くの人が「痛みをほとんど感じない」程度の効果が得られます。ただし、完全に無痛になるわけではありません。臨床試験でも痛みの自覚が大幅に軽減されたデータがあり、有効率は80〜90%以上とされています。

過剰に塗布したり、過度な回数塗布することで、副作用のリスクが高まってしまうため適切な用法用量を守ってご使用ください。

推奨量（最大10g）を超えて使った場合、中枢神経系や心臓に副作用が出るおそれがあります。広範囲に塗るほど吸収量も増えるため、使用量や使用範囲などには十分に注意して使うようにしてください。異常を感じたら直ちに拭き取り、医療機関に相談してください。

顔や性器などの粘膜に近い部位では吸収が早く、副作用リスクが高いため使用は慎重に行う必要があります。特に粘膜は皮膚に比べてバリア機能が低いため、予想以上に麻酔成分が浸透することがあります。これらの部位に使用する際は、医師の監督下で行うのが安全です。

同じ部位への連続塗布は推奨されていません。効果が弱いと感じても、重ねて塗ると吸収量が増えすぎ、副作用リスクが高まります。麻酔が不十分な場合は、時間の置き方や塗布範囲、密封状態を見直すことが先決です。どうしても改善しない場合は医師に相談して対応を検討してください。

軽い発赤やかゆみ、ひりつき感は比較的よくある副作用です。これは塗布部位に対する一時的な刺激反応で、多くは自然におさまります。ただし、広範囲に強く出たり、水ぶくれやただれのような症状が出る場合は接触性皮膚炎やアレルギー反応の可能性があるため、直ちに使用を中止し医師に相談してください。

すぐに大量の水またはぬるま湯で洗い流してください。目に入ると刺激が強く、角膜に損傷を与える可能性があります。痛みや目のかすみ、充血が続く場合は角膜への影響を考慮して早めに眼科を受診するようにしてください。

リドカインまたはプロピトカインに対するアレルギーのある人は使用できません。また、メトヘモグロビン血症の既往がある人、重度の肝障害を持つ人、広範囲の皮膚病変がある人にも慎重な対応が必要です。

時間を過ぎてしまったと気づいた場合は、すぐに拭き取って洗い流し、体調に変化がないか様子をみてください。60分以上の長時間塗布は吸収量が増えて副作用のリスクが高まります。とくに密封した状態で放置すると成分が皮膚から急速に吸収される可能性があるため、使用時間は厳守が基本です。