ラシックス

ラシックスは強力な利尿作用をもつ薬で、心臓、腎臓、肝臓などが原因のむくみに対して体内の余分な水分を尿として排出し、症状をやわらげます。特に心不全や腎障害によるむくみで高い有効率が示されています。

高血圧症の治療にも使われます。利尿によって血液の量を減らし、血圧を下げる働きがあります。むくみから血圧までさまざまな症状に対して有効なため、幅広い方に活用されています。

服用後1時間以内に効果が発現します。そのため、そのぐらいから尿量が増えたり、トイレの回数が増えたりするようになります。そして、この効果は約6時間持続するとされています。

ラシックスは排尿を促進するため、結果的に尿路結石の排出を促す効果もあります。尿路結石の排出を助ける目的にも使用されることがあります。

通常、成人には1日1回、40～80mgを経口で服用します。これを毎日または1日おきで継続します。また、服用量などについては年齢や症状に応じて適宜調整する必要があります。

ラシックスは強い利尿作用があるため、夜に飲むと夜間頻尿で眠れなくなることがあります。そのため、服用するのは朝にするのが良いとされています。

吸収に大きな差はありません。しかし、食後より空腹時の方が効果の発現が早くなっています。そのため、食事の影響を避けたい場合は空腹時に服用するようにしてください。

気づいた時点ですぐに飲んでかまいませんが、次の服用時間が近い場合は1回飛ばしてください。2回分を一度に飲むのは避けましょう。

あります。ラシックスにはカリウムの排泄を増やす作用があるためです。その結果、低カリウム血症を起こすことがあります。症状としては、脱力感や筋肉のけいれん、疲れやすさなどが出ることがあるため、定期的な血液検査で確認しながら使うことが大切です。

強い利尿作用によって体内の水分が急に減り、脱水になることがあります。めまいやふらつき、立ちくらみが出た場合は、医療機関を受診するようにしてください。

ラシックスは無尿の人や肝性昏睡、重度の電解質異常（特にナトリウムやカリウムの大幅な低下）がある人、スルフォンアミド系薬にアレルギーがある人は使用できません。

ジギタリス製剤や非ステロイド性消炎鎮痛剤（NSAIDs）、糖質副腎皮質ホルモンやアミノグリコシド系抗生物質などと併用すると、利尿作用や副作用が強まる可能性があります。特にカリウムが減りやすくなるため、不整脈や難聴などのリスクに注意が必要です。