フォシーガ

余分な糖を尿として排出することで、血糖値を自然に下げます。SGLT2というたんぱく質の働きを抑えることで、腎臓で糖が再吸収されるのを防いで、尿として排出するのを促します。

慢性心不全の治療にも使われており、心臓に負担をかける余分な水分を体外に出す作用が期待されています。心血管のリスクを減らし、心不全の悪化や入院の回数を減らす効果も確認されています。

腎臓にかかる圧を和らげて、腎機能の低下を遅らせる働きがあります。ただし、末期の腎不全の方や透析治療を受けている場合にはこの効果は及びません。

服用後すぐに効果が現れ始め、早ければ数日で血糖値の改善が見られることもあります。個人差はありますが、4週間以内に効果があらわれ持続することが確認されています。

糖尿病の治療では、通常5mgを1日1回服用するのが基本です。効果が不十分な場合は1日10mgまで増量することができます。また、慢性心不全、慢性腎臓病では1日あたり10mgを服用します。

食前でも食後でも、フォシーガの効果にほとんど違いはありません。吸収速度にやや差が出ることがありますが、吸収される量は変わらず、いつ飲んでも問題ないとされています。

飲み忘れに気づいたら、できるだけ早く1回分を服用しましょう。ただし、次の服用時間が近い場合は1回分をスキップして、次の服用時に1回分を服用します。この時2回分をまとめて飲むのは厳禁です。

血糖が安定しても、薬をやめると再び数値が上がることがあります。継続することで長期的なコントロールが期待できるため、医師の指示に従って服用を続けることが大切です。

フォシーガは尿と一緒に糖を排出する作用があり、水分も一緒に出てしまうため脱水が起こることがあります。口の渇きやめまいが現れたら注意が必要で、水分をこまめにとることが大切です。

性器感染症やまれに「フルニエ壊疽」と呼ばれる重い細菌感染が起こることがあります。陰部や会陰部の痛み、発赤、腫れなどが現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。

高齢者は脱水状態を感じにくいことがあり、重症化するリスクがあります。水分摂取を意識し、暑い日や下痢が続くときはとくに注意して使用することがすすめられます。

単独では低血糖のリスクは低いですが、他の糖尿病薬と併用する場合は注意が必要です。特にインスリンやスルホニルウレア系と呼ばれる薬との併用では、血糖が下がりすぎることがあるため、症状に気をつける必要があります。