睡眠薬が効かないときはどうすればいい?睡眠薬が効かない原因と対策
現代病のひとつともいえる不眠症を改善へと導いてくれるのが睡眠薬です。
ですが、睡眠薬を使っても薬が効かずに眠りに付けなくなってしまうというケースもあります。
そこで、こちらのページでは睡眠薬が効かない原因やその対策について紹介していきたいと思います。
不眠の悩みは眠れないことからさまざまな問題へと発展してしまいます。
そのため、睡眠薬が効かない場合にはその原因や対策を把握して対処するようにしましょう。
睡眠薬が効かないときに考えられる原因と対策
不眠症に対して、睡眠薬は非常に有効な対策法ではありますが、睡眠薬が効かない場合には非常に厄介なものになってしまいます。
では、なぜこのような睡眠薬が効かないということが起きてしまうのでしょうか?
ここでは、睡眠薬が効かない時に考えられる原因やその対策について紹介していきます。
就寝タイミングの直前に服用していない
睡眠薬が効かない場合に考えられる原因のひとつ目が睡眠薬を服用するタイミングです。
入眠障害などに対して効果を発揮する睡眠薬は基本的に30~60分で効果を発揮します。
そのため、就寝の直前に服用して、服用後はベッドに入ってリラックスした状態にしておくことが大切です。
ですが、服用するタイミングが間違ってしまっていると十分に効果を得ることができずに睡眠薬が効かないという状況になってしまうことがあります。
無理に早く就寝しようとしている
不眠の症状を少しでも改善しようと、無理に早く就寝しようとしてしまうことは珍しくありません。
ですが、こうした時に睡眠薬を使っても十分な効果を発揮しないケースがあります。
睡眠薬を使って不眠を改善する場合は、基本的には体内時計のリズムに合わせて適切なタイミングで服用するということが大切です。
そのため、こうした無理に早く就寝しようとするといったことは逆効果になってしまう場合があります。
睡眠薬が合っていない
不眠改善に対して絶大な効果を発揮する睡眠薬が効かない場合、さまざまな理由がありますがそのひとつに睡眠薬が合っていないというケースもあります。
不眠にも入眠障害や早朝覚醒などさまざまな種類があるように、睡眠薬にも超短時間型から長時間型までさまざまな種類があります。
そして、それぞれの不眠の種類に適した睡眠薬の種類があるため、自身の不眠に対して使っている睡眠薬の種類があっていないこともあり得ます。
当然、そうした場合には十分な不眠改善の効果に期待できなくなってしまうため、そうした場合には医師に相談するなどして適切な種類の睡眠薬に変えてもらうということが重要です。
睡眠薬に対して耐性ができている
睡眠薬が効かない場合の原因には睡眠薬への耐性ができてしまうというものもあります。
現在、処方されている睡眠薬の多くは安全性が高く、こうした睡眠薬への耐性ができるということはほぼありません。
ですが、古くから使われているタイプの睡眠薬の中には、継続して使うと耐性ができてしまう睡眠薬もあります。
そのため、そうした睡眠薬を継続して使っているというような場合には、睡眠薬への耐性が原因となって効かなくなってしまっている可能性があります。
【要注意】耐性ができても服用量は増やさない
睡眠薬への耐性ができてしまって効きにくくなっているというような場合、眠りにつくために睡眠薬の服用量を増やすという方も中にはいます。
ですが、これは厳禁です。
睡眠薬の服用量を増やしてしまうと、更に耐性が付いてしまったり睡眠薬の濫用に繋がったりします。
そのため、睡眠薬を服用しているうちに耐性ができてしまったという場合は、服用量を増やすという方法以外で対策を行うことが重要です。
耐性が付きやすい睡眠薬と耐性がないとされる睡眠薬
睡眠薬が効かない原因のひとつに睡眠薬に対する耐性がつくというのをお伝えしました。
そこで、ここからは耐性が付きやすいタイプの睡眠薬と耐性がないとされる睡眠薬について詳しく紹介していきたいと思います。
耐性が付きやすい睡眠薬を服用している場合は、睡眠薬の変更を検討してみてはいかがでしょうか。
耐性が生じる可能性がある睡眠薬
睡眠薬の中でも耐性が付く可能性があるものは大きく分けて2種類になります。
その2種類というのがバルビツール系睡眠薬とベンゾジアゼピン系睡眠薬です。
バルビツール系睡眠薬
バルビツール系睡眠薬は有効成分が脳の大脳皮質や脳幹へと作用することで、脳の覚醒を抑えて眠気を呼び起こすタイプの睡眠薬っとなっています。
代表的な商品としてペントバルビタールカルシウムを有効成分に配合したラボナやフェノバルビタールを有効成分として配合したフェノバールといったものがあります。
どちらの睡眠薬についても、早い段階で耐性が付いてしまうこともあるため、現在ではあまり使われることがないタイプの睡眠薬となっています。
そのため、ラボナやフェノバールを服用しているという場合には耐性に気を付けたり、耐性が付かない薬への変更を検討してみてはいかがでしょうか。
参考元:バルビツール酸系睡眠薬の解説
ベンゾジアゼピン系睡眠薬
耐性が付く可能性がある睡眠薬にはベンゾジアゼピン系睡眠薬という種類もあります。
こちらは、脳にあるベンゾジアゼピン受容体を刺激する作用を持った睡眠薬です。
ベンゾジアゼピン受容体は催眠や鎮静、抗不安といった気持ちを落ち着けたり、眠気を呼び起こしたりするといったことに関与しています。
睡眠薬の成分がこのベンゾジアゼピン受容体を刺激することで脳の興奮を鎮めて眠気を呼び起こし催眠作用を発揮します。
このベンゾジアゼピン系睡眠薬にはトリアゾラムを有効成分として配合したハルシオンや、ブロチゾラムを配合したレンドルミン、フルニトラゼパムを配合したサイレースといったものがあります。
参考元:ベンゾジアゼピン系睡眠薬の解説
耐性がないとされる睡眠薬
耐性が付く可能性がある睡眠薬を上記で紹介したので、ここからは逆に耐性がないとされる睡眠薬について紹介していきます。
耐性が付く可能性がなくなることで、睡眠薬を使う上で気を付けるべきポイントを減らすことができるため、睡眠薬の使い勝手が向上したりすることもあります。
非ベンゾジアゼピン系睡眠薬
耐性がないとされる睡眠薬の中でも幅広く使われているのが非ベンゾジアゼピン系睡眠薬です。
名前から、前述のベンゾジアゼピン系睡眠薬とは違ってベンゾジアゼピン受容体に作用しない睡眠薬と考える方は少なくありません。
ですが、この非ベンゾジアゼピン系睡眠薬もベンゾジアゼピン受容体を刺激することで眠りへと誘う作用を持っています。
非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の有効成分はベンゾジアゼピン骨格という構造を持っておらず、ベンゾジアゼピン系はベンゾジアゼピン骨格を持っているという違いになります。そのため、睡眠へ誘うメカニズムに違いはありません。
この非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の中でも代表的な物としてはゾルピデム酒石酸塩を配合したマイスリー、ゾピクロンを配合したアモバン、エスゾピクロンを配合したルネスタなどがあります。
メラトニン受容体作動性睡眠薬
メラトニン受容体作動性睡眠薬も耐性がないという種類に分類される睡眠薬になります。
こちらは、睡眠ホルモンとも呼ばれるメラトニンが結びつくメラトニン受容体に作用することで、自然な眠気を呼び起こすことによって不眠を解消するタイプの睡眠薬となっています。
代表的なものとしてはラメルテオンを配合したロゼレムがあります。
脳の働きを直接抑制して睡眠に誘うといった効果はなく、あくまでも自然な眠りを呼び起こすことで眠りに誘う睡眠薬となるため、睡眠薬としての効果は前述したものと比べると弱くなってしまうという点には注意が必要です。
ですが、耐性がつく心配がないため現在では幅広く活用されています。
参考元:メラトニン受容体作動薬の解説
オレキシン受容体拮抗薬
耐性がつかない睡眠薬の種類として最後に紹介するのがオレキシン受容体拮抗薬です。
こちらは、眠りと目覚めの調整をしている神経伝達物質のオレキシンがオレキシン受容体と結びつくのを阻害する作用を持っています。
オレキシンが受容体と結びつくことで、脳を覚醒へと促します。
そのため、オレキシン受容体拮抗薬によってオレキシンと受容体が結びつくのを阻害することによって、脳が覚醒するのを抑制して眠りへと誘います。
こちらの睡眠薬は半調整不眠などのリスクが小さいといったメリットがあると考えられています。
代表的なオレキシン受容体拮抗薬としてスボレキサントを配合したベルソムラやレンボレキサントを配合したデエビゴといったものがあります。
参考元:オレキシン受容体拮抗薬の解説
睡眠薬が効かないときはすぐに医師に相談を
服用している睡眠薬が効かなくなってしまったりした場合には、必ず何かしらの原因があると考えられます。
そうした原因をハッキリとさせるためには自己判断だけでは難しい部分もあるため、睡眠薬が効かないとなった場合には一人で考えて悩むのではなく、速やかに医療機関などを受診して専門の医師に相談をするようにしましょう。
そうすることで、睡眠薬が効かなかった原因がわかれば少しずつその対策をとることができるようになります。
まとめ
こちらのページでは不眠を解消するために使われる睡眠薬が効かないという場合の原因などについて紹介してきました。
こちらで紹介した情報のまとめがこちら
- 効かない原因は複数ある
- 睡眠薬には耐性ができるものがある
- 耐性ができる可能性があるのがバルビツール系とベンゾジアゼピン系
- 耐性ができたとして服用量を増やすのは厳禁
- 睡眠薬が効かない場合はすみやかに病院を受診
睡眠薬が効かないという場合には何かしらの原因が考えられますが、その原因の種類はさまざまにあるので適切に原因を把握して対策を行うことが重要です。
また、睡眠薬が効かない場合の原因として耐性ができてしまっていることがあります。
そうした時、睡眠薬の服用量を増やすことで対策するという方もいますが、副作用などのリスクも高くなりますし、耐性が更に強くなってしまうことも考えられるため厳禁です。
睡眠薬には耐性ができるものもあれば、そうでないタイプも多数あるため、自身に合ったものを選んで上手に不眠症の対策を行うようにしましょう。

睡眠薬は通販で購入することができます!病院で自分に合う睡眠薬がなにかを指導してもらい、適切な睡眠薬を選んでください。