ルナエイト、副作用の“ホントのところ”を知っていますか?

ルナエイト、副作用の“ホントのところ”を知っていますか?ルナエイトは、不眠症治療に使える効果の高い薬のひとつで、特に「寝つけない」「夜中に目が覚める」などの症状に対して安定した作用がある一方、「副作用が心配」という声も少なくありません。

実際のところ、「翌朝まで眠気が残る」「変な苦味がする」「ふらっとする」など、ルナエイトに特有の副作用はいくつか考えられます。
ここでは、そんなよくある副作用の内容や対策方法をまとめました。
注意すべき重篤な副作用の情報もまとめたので、ぜひ確認しておいてください。

ルナエイトのよくある副作用一覧

まずは、どんな副作用があるのか・どれくらいの頻度で起きるのかを把握しておきましょう。

副作用発現頻度(%)
味覚異常36.3
傾眠3.7
頭痛2.2
口渇1.8
浮動性めまい1.2

参考元:医薬品インタビューフォーム|ルネスタ錠

苦味が残る「味覚異常」…発現頻度36.3%

ルナエイトの副作用として最も多いのが「口の中に金属のような苦味が残る」「水を飲んでも苦みが消えない」といった味覚に違和感が出る味覚異常です。

なぜ起こる?

ルナエイトの有効成分エスゾピクロンが一部、唾液とともに分泌されて舌の味覚神経を刺激するためと考えられています。
また、錠剤を舌で舐めると苦みが残りやすいとされています。

対策する方法は?

ルナエイトの服用時に、できるだけ舌に触れず、多めの水ですぐに流し込むのがおすすめです。
また、エスゾピクロン特有の苦みはクエン酸で軽減できるとされているので、クエン酸入りのドリンクを飲むことで苦味を軽減できる場合もあります。

翌朝まで眠気が残る「傾眠」…発現頻度3.7%

ルナエイトを服用して眠ってから目覚めた後に「朝起きてもぼーっとする」「仕事や家事に集中できない」「運転が怖い」といったように眠気が残ることがあります。

なぜ起こる?

エスゾピクロンの半減期は6.5時間となっているので、就寝時間が短かい場合、目が覚めた後も効果が続く持ち越し効果が出てしまいます。
また、体質的に薬の代謝が遅い方も眠気が残りやすい傾向にあります。

対策する方法は?

7時間以上の十分な睡眠時間が取れる夜だけ服用したり、ルナエイトの量を減らすことで対策できます。また、念のため朝早くからの車の運転などは避けることをおすすめします。

ズキズキする「頭痛」…発現頻度2.2%

「こめかみが締めつけられるように痛む」「朝起きたら頭が重い」といった、鈍い痛み〜ズキズキ系の頭痛が報告されています。
まれに、片頭痛のように片側に集中するケースもあります。

なぜ起こる?

エスゾピクロンが中枢神経に作用し、脳の血流調整や神経のバランスに一時的な変化を与えることで頭痛が引き起こされることがあります。
特に、「睡眠時間が足りない」「脱水気味」「服用後も寝ずに起きて行動した」など、脳への負荷が大きい条件が重なるとリスクが上がります。

対策する方法は?

頭痛が出た日は無理せずにカフェイン光刺激を避けて安静にしたり、起床後にコップ1杯の水を飲むことで軽減されるケースがあります。
また、つらい場合は市販薬のロキソニン(消炎鎮痛薬)を飲むのも構いません。

口が乾く「口渇」…発現頻度1.8%

「のどが渇いてイガイガする」「話しづらい」「口の中がネバつく」など、唾液の減少による口内の乾燥症状が起床時に出ることがあります。

なぜ起こる?

ルナエイトが副交感神経に影響を与え、唾液の分泌を抑えることが原因です。

対策する方法は?

就寝前にはしっかり水分を取り、利尿作用のあるカフェインを控えましょう。
また、加湿器で室内の湿度を保つことで乾燥を防げます。
ガムや飴など、唾液の分泌を促すものを口にするのも対処法のひとつです。

ふらっとする「浮動性めまい」…発現頻度1.2%

「起きた瞬間にクラッとする」「足元がフワつく感じがする」といった浮動性めまいがあらわれることもあります。

なぜ起こる?

エスゾピクロンの中枢抑制作用が、血圧調整機能や平衡感覚を一時的に乱すために起こります。
起立性低血圧自律神経のバランス変化が関与している場合もあります。

対策する方法は?

起床時は、急に立ったりせずに一度座ってからゆっくり呼吸を整えましょう。

見逃してはいけない「重篤な副作用」リスト

ルナエイトには、ごくごく稀にしか出ないものの、いったん出たのを放置すると命に関わる副作用もあります。
初期症状で気づくことがカギとなっているため、以下の表で確認しておきましょう。

副作用主な症状例
幻覚・錯乱現実との区別がつかない言動、妄想、混乱
夢遊行動睡眠中に無意識で動き回ったり会話する、起床後に記憶がない
前向性健忘薬を飲んだ後の出来事を全く覚えていない
呼吸抑制息が浅くなる、胸が苦しい、呼吸困難、眠っていても異常な呼吸音が出る
ショック
アナフィラキシー
顔の腫れ、発疹、強いかゆみ、のどの閉塞感、呼吸困難、顔色が悪くなるなどアレルギー反応の極端な形

上記の表の症状に書かれている症状が出た場合は、すみやかにルナエイトの服用を中止して、医療機関を受診してください。

長く飲み続けても大丈夫?──「依存」や「効かなくなる」はあるの?

女医ルナエイトは、比較的依存性の少ない非ベンゾジアゼピン系睡眠薬ですが、長期連用による依存・耐性のリスクは完全にゼロではありません。
特に、「効きが悪くなってきたから量を増やす」といった使い方はNGです。

ちなみに、ルナエイトの服用を急に中止すると「反跳性不眠(前より眠れなくなる)」が起きることもあるため、ルナエイトの服用を中止する場合は医師と相談しながら徐々に減薬してください。

副作用を記録して主治医に伝えるコツ

ルナエイトを飲んでから「なんか変だな」と感じたときは、その違和感を記録に残しておきましょう。
特に医師に説明するのが苦手な人や、症状があいまいな人は以下の項目をメモしておきましょう。

項目記入例
発生日・時間帯6月20日午前7時ごろ、起床後
症状頭がボーっとする、会話に集中できない
継続時間およそ1時間
引き金・背景要因睡眠時間が5時間以下だった/服用が遅れた/夕食が脂っこかったなど

まとめ:「副作用=怖い」ではなく、「知って備える」が正解

「口に残る苦味」「朝のぼんやり感」「ふらつきや口の渇き」……こうしたよくある副作用は、飲み方や日常の工夫で軽減できるものがほとんどです。
ポイントは、以下の通りです。

  • どんな副作用が起こりやすいのかを把握し、対策を実施する
  • 小さな異変でもメモしておく
  • 「重篤な副作用の症状っぽい」「副作用がつらい」と思ったら、医師に伝える

ルナエイトを「安心して」「正しく」使うには、副作用に関する正しい知識が欠かせません。
眠れない夜を変える第一歩として、事前に知って備えましょう!