不眠症とうつの関係とは?うつが原因の不眠症の種類や改善方法を解説
眠れない夜が続き、気分が落ち込んで日々の生活に支障をきたしていませんか?
実は、不眠症とうつ病は密接に関連しており、多くの人が両方の症状に苦しんでいます。
この記事では、不眠症とうつ病の関係性、うつ病が不眠症に与える影響、そして、その改善方法について詳しく解説していきます。
目次 [表示]
不眠症とうつ病とは
不眠症とうつ病は多くの人々に共通する健康問題であり、両者は密接に関連しています。
まずは、それぞれの概要について詳しく見ていきましょう。
不眠症とは
不眠症は、多くの人が経験する睡眠障害のひとつで、十分な睡眠が得られない状態のことです。
厚生労働省が発行した「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、日本における不眠症に苦しんでいる人の割合は高く、一般人口を対象とした調査では23.4%(男性21.9%、女性24.5%)が不眠症状を有しているとされています。
症状としては、寝つきが悪い、夜中や早朝に目が覚める、再び眠ることができない、熟睡感が得られないなどがあります。
症状が続くことで、日常生活や健康に悪影響を及ぼすでしょう。
また、ストレス、心的外傷、生活習慣の乱れ、身体的な病気など、不眠症の原因はさまざまです。
慢性的な不眠症は精神的な健康に悪影響を及ぼし、うつ病のリスクを高めることがあるため、早期の対策が必要となります。
参考元:不眠症とうつ病の関係性
うつ病とは
うつ病は、以下のような症状を特徴とする精神的な健康問題です。
- 持続的な悲しみ:長期間にわたり、持続的な悲しみや憂うつな気分が続く
- 興味の喪失:以前は熱中していた活動に対する意欲や興味が失われる
- エネルギーの低下:疲労感やエネルギーの低下が顕著になる
- 睡眠障害:入眠障害、中途覚醒、早期覚醒、熟睡感の欠如などの眠りに関する症状が見られる
うつ病の診断には、DSM-5(精神障害の診断・統計マニュアル)の基準が使用され、患者の症状や心理的状態、日常生活への影響を総合的に評価します。
うつ病は上記のような精神的な症状だけでなく食欲不振や体重減少などの身体的な症状も伴うことがあります。
不眠症とうつ病の関係
不眠症とうつ病は密接に関連しており、互いに影響し合うことがあります。
不眠症がうつ病の発症や悪化を引き起こすこともあれば、うつ病をきっかけとして不眠症を引き起こすこともあります。
以下に、両者の関係性について詳しく説明します。
不眠症が原因でうつ病になる場合
不眠症は、長期間にわたり十分な睡眠が取れない状態が続くことにより、精神的なストレスや不安を引き起こします。
これが積み重なることで、うつ病の発症リスクが高まります。
医療機関の研究でも、不眠症と診断された人のなかには、うつ病を発症するリスクが高いことが示されています。
具体的な理由として、以下のようなメカニズムが働いています。
ストレスホルモンの増加
不眠症が続くと、体内でストレスホルモン(コルチゾール)の分泌が増加し、これが精神的な健康に悪影響を及ぼす
神経伝達物質の不均衡
睡眠不足は、セロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質のバランスを崩し、うつ病の発症につながる可能性がある
うつ病が原因で不眠症になる場合
うつ病の症状のひとつとして、さまざまな形の睡眠障害が現れがちです。
多くのうつ病患者は、睡眠の量や質に関する問題を抱えています。
十分な時間眠っているにのもかかわらず、起床時に疲労感が残り、熟睡した感覚が得られないという訴えも多く聞かれます。
うつ病が原因で不眠症になる場合、以下のような影響が考えられます。
精神的ストレスの増加
うつ病によるストレスや不安が、睡眠障害を引き起こす
体内時計の乱れ
うつ病によって体内時計が乱れ、睡眠リズムが崩れることで不眠症が生じる
うつ病が原因で起きる不眠症の種類
うつ病が原因で起きる不眠症には、以下のようないくつかの種類があります。
- 入眠障害
- 中途覚醒
- 早期覚醒
- 熟睡障害
うつ病の症状のひとつとしてあらわれることが多く、生活の質を大きく損なう要因となります。
ここでは、うつ病が原因で起きるそれぞれの症状や特徴について説明します。
入眠障害
布団に入ってもなかなか寝つけない状態を指します。
うつ病の人は、特に寝つきが悪くなることが多く、入眠障害が続くと疲労感やイライラ感が増し、うつ症状が悪化することがあります。
中途覚醒
夜中に何度も目が覚める状態を指します。
うつ病の人は、この中途覚醒が頻繁に起こり、結果として十分な睡眠が取れないため、日常生活に支障をきたすことが多いです。
早期覚醒
予定していた時間よりも早く目が覚めてしまい、その後再び眠ることができない状態を指します。
うつ病の人に多く見られる不眠症のひとつで、睡眠時間が短くなるため、日中に強い眠気や倦怠感を感じることがあります。
熟睡障害
十分な時間寝ても熟睡感が得られない状態を指します。
うつ病の人は、深い眠りに入れず、常に疲労感を抱えてしまいます。
日中のパフォーマンスが低下し、うつ症状がさらに悪化することがあります。
不眠症を改善するとうつ病のリスクが下がる?
不眠症を改善することが、うつ病のリスクを低下させる可能性があるという研究結果があります。
質が高い睡眠を取ることは、精神的な健康を保つために重要です。
まず、不眠症が改善されると、体と心の回復力が向上します。
十分な睡眠は、ストレスや不安を軽減し、ポジティブな思考を促進します。
結果として、うつ病の発症リスクが低下することが期待されます。
また、質の高い睡眠を十分とれていると日中のエネルギーレベルや集中力が向上し、仕事や学業、日常生活の質が向上します。
これも、不眠症改善のメリットのひとつとして非常に大きいポイントです。
そうして日常生活の質が向上することで、自己肯定感が高まり、うつ症状の悪化を防ぐことが可能です。
最後に、不眠症の改善は、うつ病の治療にもプラスの影響を与えることがあります。
適切な睡眠時間を意識することで、うつ病の治療効果が向上し、回復のスピードが速まることがあります。
不眠症の改善方法
不眠症を改善するためには、生活習慣や睡眠環境の見直しが重要です。
ここでは、具体的な改善方法を紹介します。
生活習慣の改善
生活習慣を規則正しいものにして維持することが、不眠症の改善に役立ちます。
毎日同じ時間に就寝・起床することで、不安定だった体内時計を整え、自然な眠りにつながりやすくなります。
また、カフェインやアルコールの摂取を控えることも重要です。
特に、夕方以降はカフェインを避け、寝る前のアルコール摂取は控えましょう。
睡眠環境の整備
快適に睡眠ができる環境を整えることも、不眠症の改善に効果的です。
寝室の温度や湿度を適切に保ち、静かで暗い環境を作ることが大切です。
また、リラックスできる寝具を選ぶこともおすすめです。
快適な睡眠をサポートする枕やマットレスを使用しましょう。
医薬品の使用
生活習慣を整え睡眠環境の改善したものの不眠症に変化が見られない場合は、医薬品の使用を検討することもひとつの手段です。
睡眠薬や抗うつ薬を使用することで、短期間で不眠症を改善することが可能です。
ただし、医薬品の使用には医師の指導が必要であり、自己判断での使用は避けましょう。
まとめ
不眠症とうつ病は互いに影響し合う複雑な関係であり、適切な対策を講じることが重要です。
不眠症がうつ病のリスクを高め、逆にうつ病が不眠症を引き起こすこともあります。
それぞれの関係を理解し、不眠症の改善に努めることで、うつ病のリスクを低下させ、より健やかな生活が期待できます。
生活習慣や睡眠環境の見直しは、不眠症の改善につながる重要なステップです。
現在のライフスタイルや睡眠環境を見直し、質のよい睡眠を確保しましょう。
この記事で紹介した方法を参考に、まずは生活習慣の見直しから始めてみてください。
不眠症を改善することで、精神的にも健やかになり、より充実した生活を取り戻すことができます。

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