市販の痛み止めにも副作用はある!副作用の対策方法を紹介!
市販薬の痛み止めを服用する場合でも気を付けるべきことはいくつかあります。
その中でも特に気を付けなければいけないのが「副作用」です。基本的に市販薬の場合、病院で処方してもらえる薬よりも有効成分の効果が弱かったりするので、副作用のリスクはそこまで高くありません。
ですが、医療用医薬品から一般医薬品になった種類の痛み止めもあるため以前、病院で処方してもらった痛み止めで副作用が出たというような場合には注意が必要です。そこで、こちらのページでは痛み止めの副作用についてやその対策法について紹介していきます。
市販の痛み止めにも実は副作用がある
市販されている医薬品であれば、副作用はないと考える人は少なくありません。
副作用は効果が強い医療用医薬品であらわれるケースが多く、効果の弱い成分を配合している市販薬では副作用のリスク自体は相対的に低下します。
ですが、市販薬であっても副作用のリスクが完全にゼロとなっているわけではありません。
もちろん、痛み止めも同様で市販されているものであっても、副作用が出てしまうというリスクは少なからずあります。
そのため日常的に痛み止めを常用しているというような場合には、気を付ける必要があります。
NSAIDsとは
痛み止めと一口にいってもその種類は多岐に渡ります。
その中でも特に幅広く知られている種類なのが「NSAIDs」と呼ばれるものになります。
このNSAIDsというのは「Non-Steroidal Anti Inflammatory Drugs」の頭文字をとったもので、非ステロイド性抗炎症薬と呼ばれます。
名前にもあるようにステロイドではない抗炎症作用を持った薬すべての総称となります。
このNSAIDsの中にもさまざまな種類があるので、ここからはNSAIDsの各種類について詳しく紹介していいきます。
抗炎症作用の強い薬
NSAIDsの中でも
を配合した鎮痛薬は特に抗炎症作用が強いとされています。
関節リウマチなどの痛みを効果的に皆瀬へと導く作用があります。ただし、胃腸の副作用リスクは小さくありません。
胃腸への負担が大きいため、上記の痛み止めと一緒に胃薬などを併用するケースも珍しくありません。
元々強い痛み止め作用をもっているため、適切に用法用量を守らずに服用してしまうと、その分だけ副作用のリスクも高まってしまうことから適切に服用する必要があったり、危険な副作用を引き起こす可能性もゼロではないという点に留意しておく必要があります。
プロドラッグタイプ
次に紹介するのNSAIDsはプロドラッグと呼ばれる種類になります。
代表的なプロドラッグとして
- ロキソプロフェン(代表的なお薬:ロキソニン、ロキソニンS)
- スリンダク(代表的なお薬:クリノリル)
といったものがあります。
このプロドラッグというのは服用後に体内で配合されている有効成分が患部に到着するまで分解されないようにした薬になります。
そのため、胃や腎臓などへの負担も他の種類と比べて小さくなります。
また、体内で有効成分が代謝などで変化して活性化するため、効果時間が他の種類よりも長いことも珍しくありません。
副作用のリスクが小さかったりするため、継続しての痛み止めの服用が必要になる関節リウマチなどの治療によく利用されたりします。
作用時間の長い薬
痛み止めの種類の中にはプロドラッグタイプよりも更に長い時間に渡って効果を発揮する作用時間の長い薬もあります。
長期にわたって効果を発揮してくれるので、一度の服用で1日中痛みに悩まされることがなくなるといった利点があります。
作用時間の長い代表的な痛み止めとしては
- アンピロキシカム(代表的なお薬:フルカム)
- ナプメトン(代表的なお薬:レリフェン)
- メロキシカム(代表的なお薬:モービック)
などがあります。
長時間にわたって効果を発揮する痛み止めは、非常に便利である反面、長時間薬が作用し続けることから副作用のリスクがどうしても高くなってしまいます。
特に薬の成分が代謝される腎臓などの内臓機能が低下しているような場合には、更に長時間作用することになってしまうため副作用リスクがより高くなってしまうので、服用する前に服用しても問題がないかといった判断を医師にしてもらうといった必要があります。
COX-2選択的阻害薬
NSAIDsはさまざまな種類がありますが、次に紹介するのはCOX-2選択的阻害薬です。
代表的なCOX-2選択的阻害薬は
- エトドラク(代表的なお薬:ハイペン)
- セレコキシブ(代表的なお薬:セレコックス)
といった種類があります。
NSAIDsの多くは炎症などの元となるプロスタグランジンの合成に関わる酵素の「COX(シクロオキシゲナーゼ)」の働きを阻害する作用を持っています。
このCOXには、COX-1、COX-2とありCOX-2は炎症などが起きている時に作られる酵素となっています。
COX-2の働きを選択的に阻害するCOX-2選択的阻害薬は、COX-1の働きを阻害することが少ないため、その分だけ副作用のリスクが小さいというメリットがあります。
ただし、消化器腫瘍などがあるような方の場合は他の胃薬などと併用することが推奨されている点には注意が必要です。
座薬
NSAIDsの痛み止めにはさまざまな種類のものがありますが、錠剤とは違ったものもあります。
たとえば
- ジクロフェナク(代表的なお薬:ボルタレン・サポ)
- ピロキシカム(代表的なお薬:フェルデン坐薬)
などがあります。
坐薬は内服薬と比べて体内へ吸収される速度が速く、素早い鎮痛効果に期待することができます。
また、内服薬の場合、有効成分によっては胃などへ負担をかけてしまうことも多いですが、坐薬の場合は有効成分の吸収が腸でおこなわれるので、胃などへの負担はほとんどなくなります。
通常の内服タイプのNSAIDsは胃の負担が大きくて服用することが難しいという方でも、坐薬タイプだったら問題なく利用できるというケースもあるため、上手に使い分けることで副作用などのリスクを最小限に抑えながら辛い痛みを改善へと導くことが可能となっています。
NSAIDsの副作用
痛み止めであるNSAIDsは、医薬品成分を配合しているため当然副作用のリスクはあります。
辛い痛みを解消するために役立てられているNSAIDsに関しても、当然同じように副作用のリスクは存在しています。
そこで、ここからはNSAIDsの副作用について、なぜ起きるのか?どんな症状があらわれるのかといったことについて詳しく紹介していきたいと思います。
痛み止めであるNSAIDsの服用をお考えの方は、副作用について適切に把握しておいて副作用があらわれた時に速やかに対応できるようにしてみましょう。
NSAIDsの副作用はなぜ起こるのか
NSAIDsを服用することで副作用が起きる理由は色々とあります。
痛みの原因となる物質をつくる酵素の働きを阻害する効能の他に、胃の粘液を減らしたり胃酸を増やすといった作用もあります。
胃の粘液が減ってしまうと、胃酸によって胃の粘膜が傷ついてしまうことによって胃腸の障害といった副作用が起きてしまいます。
そのため、胃壁への負担を抑えるために食後の服用が推奨されていたりします。
ただし、長期間にわたって継続的にNSAIDsの服用を続けることによって、副作用のリスクは高くなるため長期にわたっての痛み止めの服用が必要になる疾患などを患った時などは特に注意が必要になります。
消化器系症状
NSAIDsの副作用として多いのは「消化器系の症状」になります。
これは、前項でも紹介したように胃の粘液を減らし、胃酸の分泌を増やすといった作用があるためです。
胃の防護壁となる粘液が減少し、胃酸が増えることで薄くなった胃壁を傷つけてしまうことで、さまざまな消化器系の症状があらわれます。
あらわれる症状としては
- 腹痛
- 食欲不振
- 吐き気
- 胃潰瘍
- 十二指腸潰瘍
などです。
胃潰瘍などの症状があらわれた場合には、速やかにNSAIDsの服用を中止して、内視鏡検査などを行い治療にあたるということが必要になります。
腎機能障害
NSAIDsの副作用は、消化器系の症状だけではありません。
次に紹介する副作用は「腎機能障害」です。NSAIDsを服用することで、腎臓の機能が低下してしまうことでさまざまな症状があらわれてしまいます。
あらわれる症状は
- 倦怠感
- 食欲不振
- 吐き気
- むくみ
- 尿量の減少
といったものがあげられます。
腎機能の低下は、シクロオキシゲナーゼを阻害する作用によって、腎臓の血管拡張が抑制されることで血流が減少してしまうことで起きてしまいます。
また、元々腎機能が低下しているような方が服用した場合には、余計に腎臓の血管収縮がより強くなるためより腎機能低下しやすくなってしまう点にも注意が必要です。
喘息発作
NSAIDsの副作用として最後に紹介するのは「喘息発作」です。
アスピリン喘息といった名称でも呼ばれることがあるこちらの副作用は、NSAIDsを服用した後に急激に喘息症状があらわれる副作用です。
あらわれる症状としては
- 強いぜん息発作
- 鼻づまり
- 鼻水
- 目の充血
- 顔面紅潮
などになります。
この副作用は男性よりも女性に多く見られ、成人後に喘息を発症した方におこりやすいと考えられています。
また、こちらのアスピリン喘息は通常の喘息での死亡例よりも多いため、上記のような副作用症状があらわれた場合には、速やかに診察などを受けて治療にあたる必要があります。
副作用の対策
NSAIDsを服用する時に、副作用が起きないようにするための対策はいくつかあります。
こうした対策を把握しておくことで、副作用のリスクを最小限に抑えることができるため、NSAIDsを普段からよく服用するという方は覚えておくようにしましょう!
副作用対策といっても、何か特別なことをするといった必要はなく基本的な方法だけでも十分な効果に期待することができます。
何も対策せずに、副作用が出てしまうという場合には、一度対策をしてみた上で試してみることを推奨します。
適切に服用する
NSAIDsを服用する際の副作用対策として最も基本となるのが「適切に服用する」ということです。
服用回数が増えたり、服用量が増えたりすることで、薬の効果が強まるといったことはありません。
用法用量よりも多く服用しているという場合には、適切な服用方法を把握して服用するようにするだけで、副作用の対策になります。
また、痛みがあらわれていない状態で痛みの予防のために常用するといったことは副作用のリスクを引き上げてしまいます。
そのため、痛みがあらわれた時に適切な量を服用するようにしてください。
胃薬を服用する
NSAIDsは胃腸系の副作用があらわれるケースが多いです。
胃粘液の分泌が抑制され、胃酸によって粘膜が傷つくことでさまざまな胃腸系の症状があらわれるようになるので、事前に胃薬を服用することで副作用を抑制するといった効果に期待できます。
胃薬の中には胃液の分泌を促して胃の粘膜を保護するといった作用があったりします。
そのため、この効果によってNSAIDsによる胃粘液の分泌抑制を打ち消します。それによって胃を適切に保護できる状態となって、胃腸系の副作用を抑制します。
また、この胃薬を服用する方法と同様の効果に期待できるのが、食事を適切にとってNSAIDsを服用するといった方法です。
多くのNSAIDsは服用タイミングが食後と指定されています。これは、食事を取ることで胃の粘膜を保護するためとなっています。
そのため、胃薬を服用する以外に、適切に食事を取って服用することでも副作用リスクを軽減することが可能です。
まとめ
こちらのページでは痛み止めであるNSAIDsについてや、その副作用について紹介してきました。
どういった種類のNSAIDsがあり、どのような副作用があるのかというのを適切に把握した上で利用することによって、NSAIDsを服用した時に副作用があらわれても速やかに対処することが可能です。
また、こちらのページではNSAIDsの副作用があらわれないようにするための対策法についても紹介しました。
非常に簡単な対策法ではありますが、実践するのとしないのでは副作用リスクが大きく変わってきたりもするので、これまでNSAIDsを服用した時に副作用が出て辛いから服用できないという方は、対策をした上で服用してみてはいかがでしょうか。
そうして服用することが可能になれば、痛み止めの服用で痛みに耐えるといった必要がなくなるためQOLの向上にも繋がるので是非お役立てください。