美容に使える?プレマリンの効果とその真実

美容に使える?プレマリンの効果とその真実黄体ホルモン(女性ホルモン)製剤のプレマリンは、いわゆるトランス女性(体は男性・心は女性)のホルモン補充療法に使われることがある薬です。
女性らしい体づくりのサポートをする効果が期待できるためですが、そう聞くと、「女性も美容面で役立つのでは?」と思うかもしれません。
実際のところ、その点は銅なのでしょうか?
こちらのページでは、プレマリンの美容効果に焦点をあてて紹介していきます。

女性ホルモンがもたらす美容的な変化

プレマリンを服用することで、次のような効果を得られる可能性があります。

・肌が綺麗になる(若返り)
・バストアップする
・髪質が改善する

以下、それぞれ詳しく見てみましょう。

エストロゲンが肌にツヤやハリを与えるメカニズム

女性女性ホルモンのひとつであるエストロゲン(黄体ホルモン)は、皮膚の水分保持力を高め、コラーゲン産生を促進するといわれています。
そのため、プレマリンでエストロゲンを補充することで「肌の潤いが増す」「肌にハリが出る」といった効果が期待できます。
皮脂の分泌が安定することで、ニキビや肌荒れが改善されるケースも報告されています。

ただし、プレマリンの服用によって肌荒れの副作用があらわれることも報告されているため、必ずしも肌荒れが改善されるわけではありません。
この副作用は特にプレマリンの服用を開始した直後にあらわれやすいといわれています。

バストアップは本当?そのメカニズムに迫る

エストロゲンには、乳腺の発達を促す作用があります。
思春期に女性の胸が発達するのも、エストロゲンの働きによるものです。

そのため、プレマリンでエストロゲンを補充することで乳腺組織が刺激され、バストアップできる可能性があると考えられています。

髪の毛はどうなる?体毛は?ホルモンが与える影響

プレマリンの服用で抜け毛が減ったり、体毛が薄くなったりすることがあります。

仕組み

エストロゲンが髪の成長サイクルを安定させて抜け毛を減らす

男性ホルモンの影響を抑えることで体毛が薄くなる

効果は人それぞれ…期待しすぎは危険?

プレマリンで期待できる美容効果は、ホルモン補充による副次的な結果です。
個人差が大きいのが現実であり、美容効果が必ず得られるとは限りません。

・効果が出るまでには時間がかかる
・長期継続しても満足いく結果が得られないこともある

上記の2点は押さえておくべきでしょう。

プレマリンは美容目的で手に入るのか?そのリアル

女医現在、日本国内ではプレマリンの美容目的での処方は認められていません。
プレマリンは医療用医薬品であり、適応症(不妊症、更年期障害など)に基づく医師の診断と処方が必要であるため、美容を理由に処方してもらうのは現実的には難しいといえます。

たとえクリニックの自費診療であっても、美容だけを目的にプレマリンを処方することは、医師の倫理的観点からも避けられることがほとんどだと考えられます。

プレマリンで「美」を目指す前に知っておくべきこと

プレマリンの美容効果に関するポイントはこちらです。

  • 美肌、バストアップなどの効果が期待できる
  • プレマリンの美容効果はあくまでも副次的なもの
  • 病院などでは美容目的で処方してもらうのは難しい

プレマリンは、黄体ホルモン製剤として不妊治療や更年期障害の治療、性同一性障害によるMtF(トランスジェンダー)のホルモン補充療法などに使用されます。
配合成分によるホルモン作用で美肌やバストアップといった効果が出る場合もありますが、あくまでも副次的な効果であり絶対的なものではないという点には注意しましょう。