更年期の治療ってなにをするの?代表的な症状と治療方法を紹介
さまざまな辛い症状があらわれ、多くの女性を悩ませる「更年期障害」ですが、この更年期障害は治療できるのでしょうか?
更年期障害は、誰もがなって我慢するしかないというものではありません。現在ではさまざまな治療法がありそれらを用いることで効果的に症状を改善へと導くことができるようになっています。
こちらのページでは、そんな更年期障害の症状についてやさまざまな治療法について、更年期障害を乗り切るために気を付けるべきことなどについて紹介していきます。
更年期の症状は我慢せずに治療するべき
多くの女性を悩ませる更年期障害。そんな更年期障害に悩む女性の中には誰もが通る道だからと治療をせずに、我慢してしまう方もいます。
ですが、我慢していても症状が良くなるということはありませんし、悪化してしまうことにもつながります。
また、更年期障害の症状の強さには個人差が大きいため、それこそ日常生活に支障をきたすような方もいます。
そのため、更年期障害の症状が辛いと感じた時には、無理に我慢しようとするのではなく早めに適切な治療を受けるようにしましょう。
更年期障害の症状
一口に更年期障害といっても、更年期障害であらわれる症状は人によって千差万別です。
そのため、同じ更年期障害でも悩みを持っている人によって、悩んでいる症状が全く違うなんていうことも珍しくありません。
そこでまずは、この更年期障害を患うことでどういった症状があらわれるのか?ということについて、紹介していきたいと思います。
更年期に近づきこれから紹介するような症状が軽くでもあらわれているような場合には、速やかに病院で相談したり治療を開始するようにすることで症状が悪化する前に抑えることも可能なのでお役立てください。
血管運動神経系の症状
更年期障害の症状の中でも良く見たり耳にする症状が「血管運動神経系の症状」です。
具体的には
- ホットフラッシュ(ほてり・のぼせ)
- 動悸・息切れ
- 寝汗・発汗
- むくみ
といったものがあげられます。
これらの症状は更年期によって女性ホルモンの分泌が低下することで起こります。
女性ホルモンは自律神経を正常に保つ役割もあるため、このホルモンが急激に減少してしまうことで自律神経が乱れてしまいます。
その結果、自律神経が調整している発汗などが適切に行えなくなってしまい、過剰に汗をかいてしまったり、ほてりやのぼせてしまうホットフラッシュなどの症状があらわれます。
動悸や息切れ、むくみなども上記で紹介した症状と同様に、自律神経の乱れによってあらわれる症状となっています。
皮膚・分泌系の症状
血管運動神経系の症状以外にも「皮膚・分泌系の症状」も更年期障害の症状として有名です。
症状としては
- ドライアイ
- 喉の渇き
といったものになります。
これらの症状は、更年期によって女性ホルモンの分泌が急激に減少することで起こります。
女性ホルモンのひとつである卵胞ホルモンが減少してしまうと、唾液の分泌が減少してしまうことで喉の渇きが顕著にあらわれることがあります。
同様に、卵胞ホルモンには目の潤いを保つ作用もあります。
そのため、卵胞ホルモンが減少してしまうと目の潤いを保つ作用が弱まってしまうことで、目が乾燥するドライアイの症状があらわれるのです。
消化器系の症状
更年期障害の症状としてみっつめに紹介するのは「消化器系の症状」です。
消化器系の症状としてあらわれるのが
- 吐き気
- 下痢・便秘
- 胃もたれ・胸やけ
などです。
これらの消化器系の症状についても、更年期によって女性ホルモンの分泌が急激に低下することが原因となっています。
女性ホルモンの分泌が低下してしまうことで自律神経が乱れたり、交感神経が優位な状態が持続したりしてしまいます。
そして、自律神経が乱れてしまうことで胃や腸などの消化器官の働きが低下してしまいます。その結果、胃もたれや胸やけ、下痢や便秘といった症状があらわれてしまいます。
また、交感神経が優位な状態が続いてしまうと、吐き気などの症状があらわれます。
運動器官系の症状
さまざまな「運動器官系の症状」も更年期障害によってあらわれます。
具体的には
- 肩こり・腰痛・背中の痛み
- 関節痛
- しびれ
- 手指や関節の痛み・しびれ・変形
といったものがあげられます。
更年期によって女性ホルモンの分泌が減少してしまうと、自律神経が乱れてしまい血行が悪化してしまったり、コラーゲンの生成が低下してしまいます。
また、へバーデン結節やブシャール結節などの手指の変形の原因にもなります。
血行が悪化してしまうと、筋肉のコリなどに繋がるため、肩コリや腰痛などの症状を引き起こしますし、肌の痺れなどの原因にもなります。
また、コラーゲンの生成が低下すると、関節にある軟骨がすり減ってしまうとそのまま補われなくなるので、関節痛を引き起こしてしまいます。
泌尿器・生殖器系の症状
泌尿器や生殖器系にも更年期の症状があらわれることがあります。
「泌尿器・生殖系の症状」としては
- 月経異常
- 尿失禁
- 性交痛
といったものがあげられます。
更年期でホルモン分泌が低下し、ホルモンバランスが乱れてしまうと生理周期が短くなったり、経血量が増えたり減ったりといった月経異常につながります。
他にも、女性ホルモンの分泌が低下してしまうと、膣粘膜が萎縮してしまいます。その結果、性交渉における性器の摩擦に耐えられずに性交痛を引き起こしてしまいます。
また、ホルモンの減少によって自律神経が乱れてしまうことで尿失禁に繋がったり、骨盤底筋などが緩んでしまうことで尿失禁などが起きてしまいます。
精神神経系の症状
最後に紹介する更年期障害の症状が「精神神経系の症状」です。
こちらの症状には
- 頭痛
- めまい
- 不眠
- 不安感
- イライラ感
- うつ
といったものがあげられます。
これらの更年期障害の症状に関しても、これまで紹介してきた症状と同様に女性ホルモンの分泌が更年期で減少することによっておこります。
女性ホルモンは神経伝達物質の分泌にも影響しています。そのため、女性ホルモンの分泌が減少することで神経伝達物質である「セロトニン」の分泌も減少します。
不安を抑えて気持ちを落ち着かせる作用があるセロトニンが減少することで、イライラしやすくなってしまったり、不安感を覚えます。
こうしてあらわれた不安が原因となって鬱や不眠に繋がることもあります。
また、脳血管の収縮にもセロトニンは関与しているため、収縮がうまく行われず頭痛などが起きてしまうのです。
更年期障害の4つの治療方法
これまでに紹介してきたように更年期障害の症状は非常に多く、これらの症状が数多くの女性を悩ませています。
そんな更年期障害ですが、治療法がないというわけではありません。
そのため、辛い症状をずっと我慢するといった必要はなく、適切に治療を行うことで辛い症状を改善して快適な毎日を送ることができるようになります。
ここからはそんな更年期障害を改善するための治療法について紹介していきます。
HRT(ホルモン補充療法)
更年期障害の治療法として非常に大きな効果を発揮する治療法が「HRT(ホルモン補充療法)」です。
HRTとはホルモン補充療法の英名である「Hormone Replacement Therapy」の頭文字をとった略称となっています。
そもそも、更年期障害とは閉経を機に女性ホルモンの分泌量が大幅に減少することで起こります。
この治療法はホルモン補充療法という名前の通り、不足しているホルモンを補充することで更年期障害の症状が起こらないように導く治療法になります。
ホルモン剤は飲み薬や張り薬、塗り薬などさまざまなタイプがあり、使用する方のライフスタイルや薬との相性などによってさまざまな選択肢があります。
ホルモン剤などの更年期の治療薬は通販サイトで購入することができます!早めに対処して辛い更年期の症状を抑えましょう!
抗うつ剤・抗不安薬
更年期障害の治療法にはHRT以外にも、「抗うつ剤や抗不安薬を用いた治療」が行われることがあります。
こちらの治療法は更年期障害の症状の中でも、特に不安感やうつ症状が強くあらわれているといったような場合に取られる方法となっています。
更年期障害の精神的な症状はHRTでは、十分な効果があらわれないというケースも少なくありません。
そのため、こちらの治療法が用いられるということは珍しくありません。
また、抗うつ剤や抗不安薬を用いる治療法は、HRTと並行して進めることが可能となっています。
そのため、更年期障害の症状をHRTで抑えながら、不安感やうつ症状を抗うつ剤などで改善していくといったことができます。
更年期症状にはうつ病のような症状があらわれることも。うつ症状があらわれたら通販でも購入できる抗うつ剤で症状を抑えましょう!
プラセンタ治療
更年期障害の治療法として比較的新しいのが「プラセンタ治療」です。
プラセンタとは胎盤のことで、胎盤には糖質やタンパク質、脂質をはじめとしてアミノ酸やビタミン類など数々の栄養が豊富に含まれています。
そんなプラセンタから抽出したエキスには、身体の調子を整える復調作用があります。
プラセンタ治療は、プラセンタから抽出したエキスを定期的に体へ投与することで、更年期障害によってあらわれるさまざまな症状を改善へと導く両方となっています。
プラセンタ治療は更年期障害の改善だけでなく、アンチエイジングやアレルギー疾患、肝炎といったさまざまな疾患の治療にも効果があるとされています。
そのため、更年期障害の改善以外にさまざまなメリットがある治療法となっています。
漢方療法
最後に紹介する更年期障害の治療法が「漢方療法」です。
漢方は自然の草木や鉱物などさまざまな生薬から作られた漢方薬を用いて、身体のバランスを整えることでさまざまな疾患や症状を改善します。
こうした漢方は更年期障害にも有効とされています。
前述の通り、漢方薬には医薬品成分ではなく天然由来の成分が用いられているため、副作用のリスクが小さいという特徴があります。
そのため、医薬品を用いた治療では辛い副作用があらわれるという方に最適な治療法のひとつとなっています。
ただし、漢方療法は体のバランスを整えることで症状を改善するため、即効性という面では医薬品を用いた治療法と比べると劣ってしまいます。
更年期障害を乗り切るために気を付けたいこと
さまざまな辛い症状があらわれる更年期障害。
そんな更年期障害を乗り越えるためには、幾つかの気を付けたいポイントがあります。
そうしたポイントを把握しておくことによって、更年期障害を乗り越えやすくなります。
そのため、ここからは更年期障害のさまざまな症状を乗り越えるために気を付けたい事について紹介していきます。
更年期障害について理解する
更年期障害を乗り切るために最も重要なのが更年期障害について自身がちゃんと理解しておくことです。
更年期障害はさまざまな症状によって、これまで当たり前にできていたようなことができなくなってしまうことも珍しくありません。
ですが、更年期障害について正しく理解できていない場合は「これまでは当たり前にできていたことができなくなってしまっている自分」や「そもそも何に対してもやる気が起きない自分」に対して、イライラしたり落ち込んでしまうことがあります。
こうした自分に対する負の感情が強く大きくなってしまうことで、精神的にも更に病んでしまうことは珍しくありません。
ですが、更年期障害について適切に理解していれば、そういうこともあると負の感情が大きくなるのを防ぐのに役立ちます。
パートナーや親しい人に共有する
更年期障害の症状があらわれた場合、自分一人で全てを解決しようとするのは難しい事だったりします。
そこで、更年期障害であるということや、どういった症状があらわれているのかといったことを、パートナーや子供、親しい友人などに共有しておくようにしましょう。
そうすることで、更年期障害の症状に悩んでいる時に周りにサポートしてもらうといったことができるようになります。
更年期障害を一人で抱え込んでしまうことで、余計に更年期障害の症状が悪化していくといった場合もあります。
また、誰にも相談できずに一人で抱え込むとそれだけ精神的な負担も増えてしまい、更年期障害を由来として鬱などの精神障害を起こしてしまうことがあります。
そのため、サポートを得られる体制を整えておくことは更年期障害を乗り切るためには非常に重要です。
運動する習慣をつける
更年期障害を乗り切るために知っておくべきポイントには「運動の習慣」もあります。
適度な運動を毎日行うようにすることは、自律神経を整えるのに繋がります。
更年期障害の症状は女性ホルモンの分泌が低下して自律神経が乱れることによって起きるため、運動習慣は非常に有効なポイントです。
また、適度な運動を毎日取り入れることで、体力や筋力の低下などを抑えるといったことにも役立ちます。
体力や筋力の低下は、寝たきりの状態へつながる大きな要因となっているため、更年期障害の対策として取り入れるようにすることで将来の不安に対しても対策ができます。
睡眠をしっかりとる
更年期を迎えて、更年期障害の症状が出始めるとさまざまなことが当たり前に行えなくなってしまったりします。
そのひとつが睡眠です。当たり前のことができない自分に対して、いろいろ不安になったりイラだったりしてしまうことで、眠りに付けなくなってしまい、余計に更年期障害の症状が悪化してしまうといったことも。
だからこそ、睡眠をしっかりとれるように対策をとることも更年期障害を乗り切るために非常に重要です。
睡眠をとるように心がけても中々寝付けないといったような場合には、模様替えで眠る場所を変えてみたり、寝具を変えてみたりすると良いでしょう。
その他にも、入浴でリラックスしたり暖かい飲み物を飲んだり、室温や調光などで寝室の環境を整えるなどさまざまなことを工夫して自分に合う環境を整えることも大切です。
なるべくポジティブな感情をもつ
更年期障害の症状があらわれることで、当たり前にできていたことができなくなってしまうという自分に負の感情を抱いてしまいます。
次第にそれが強くなってしまうと、更年期障害の症状が更に悪化してしまうということは珍しくありません。
だからこそ、できなくても「仕方がない」「まぁいいや」と割り切って、気持ちをポジティブな状態に保つことで更年期障害の症状が悪化するのを防ぎましょう。
負の感情を持たないようにすることで、更年期障害の悪化を防いで乗り切れるようになります。
バランスの良い食生活を心がける
最後に紹介する更年期障害を乗り切るために気を付けたいことは、毎日の食事です。
食生活は健康に直結する大きな要因のひとつです。そのため、バランスのとれた食生活を心がけるようにすることで体調面や精神面に対しても良い影響を与えます。
逆に、食生活が乱れてしまうとそれが原因となってしまって、肉体的、精神的な問題があらわれることも珍しくありません。
そのため、健康的なバランスの良い食生活を心がけることで、それらを抑えるようにすることが更年期障害を乗り切るために重要なのです。
また、バランスの良い食事を心がけることは更年期障害以外にも、糖尿や高脂血症、高血圧などさまざまな病気の対策にもつながるといったメリットもあります。
更年期を乗り切るための食生活
更年期障害を乗り切るためのポイントとして、バランスの良い食生活を心がけるということを紹介しました。
ですが、ただバランスの良い食生活といわれても、具体的にどのようにすればいいのか分からないという方は少なくないでしょう。
そこで、ここからはこのバランスの良い食生活についてより詳しく、どういったものを食べればいいのかといったことや、どういう栄養を摂るように心がければいいのかといったことについて紹介していきます。
大豆製品・亜麻仁油を摂取する
更年期障害を乗り切るための食生活において、積極的に摂取したいのが「大豆製品と亜麻仁油」です。
大豆には大豆イソフラボンが豊富に含まれており、この大豆イソフラボンは女性ホルモンと同様の働きをする効果があります。
更年期障害は女性ホルモンの分泌が減少することが由来となって、さまざまな症状があらわれます。そこで大豆製品の大豆イソフラボンで女性ホルモンを補うことで症状を予防したり改善するのに期待できます。
また、亜麻仁油に含まれる成分には、女性ホルモンを整える働きがあります。
そのため、大豆製品や亜麻仁油を積極的に摂取するようにすることで更年期の原因となる女性ホルモンを補って整えることで、更年期の症状を改善予防します。
カルシウムとビタミンDを摂取する
更年期を迎えることで女性ホルモンの分泌が低下すると、更年期障害の症状があらわれるといったほかに、骨密度が低下してしまうことで骨粗鬆症などのリスクも高まります。
そのため、骨密度の低下を防ぐために「カルシウム」を食事の中で積極的に摂取することも重要です。
カルシウムは小魚や牛乳、ナッツ類などさまざまな食事に含まれています。また、カルシウム単体では体内への吸収はあまりされないため、カルシウムの吸収を助ける「ビタミンD」も合わせて摂取するようにしましょう。
ビタミンDは日光を浴びることで体内で生成されますが、それ以外にも肉や魚、卵などにも含まれているため、そうしたものを食事に取り入れることが重要です。
タンパク質を積極的に摂取する
更年期障害を乗り切るための食生活において、積極的に摂取したい栄養素として最後に紹介するのが「タンパク質」です。
タンパク質は活力を生み出すだけでなく、睡眠や気分の調整にも影響しています。
また、血糖を安定させるといった効果もあるため、更年期障害を対策する食事ではタンパク質を積極的に摂取するようにすることは非常に重要です。
タンパク質は体重1kgあたり1gを摂取するべきとされているため、自身の体重に合わせて適切な量のタンパク質を摂るようにしていきましょう。
まとめ
数多くの女性を悩ませる更年期障害。
こちらのページでは
- 更年期障害ではどんな症状があらわれるのか?
- 更年期障害の治療法は?
- 更年期を乗り切るために気を付けるべきポイント
といったことについて、紹介してきました。
女性であれば誰もが、いずれは必ず迎える更年期だからこそ、早いうちから適切な知識を得た上で、適切に対策をとるようにすることが重要です。
更年期障害の治療や対策には、大掛かりな何かが必要になるといったことはほとんどありません。
薬を服用したり、毎日の生活のなかでちょっとしたことに気を付けるだけでいいため、更年期の症状があらわれたかもしれないと感じた時は、速やかに紹介した治療法などを取り入れてみてはいかがでしょうか。