糖尿病予防にコーヒーがよいのは本当?気になる疑問を解決します!

糖尿病予防にコーヒーがよいのは本当?気になる疑問を解決します!糖尿病を予防するには、日常的にコーヒーを飲むとよいとされています。
ただし、多量のコーヒーを飲めばよいというわけではなく、適量を守りながら正しい飲み方を意識することが重要です。
この記事では、コーヒーが糖尿病予防に役立つ理由や飲み方のポイントについて解説します。
「コーヒーにどのような作用があるのか知りたい」「効果的な飲み方を知りたい」という方は、ぜひ参考にしてください。

 

「糖尿病予防にコーヒーがよい」というのは本当?

コーヒー複数の研究で、糖尿病の予防にはコーヒーが役立つという結果がでています。
2009年に発表された多目的コホート研究(JPHC研究)によると、1日3~4杯コーヒーを飲む人は糖尿病のリスクが男女ともに下がったとの結果がでました。
九州大学大学院医学研究院による調査では、コーヒーを全く飲まない人の糖尿病発症相対危険度を1とした場合、1日1~2杯のコーヒーを飲む人は0.6、3~4杯飲む人は0.7、5杯以上飲む人は0.8ということがわかっています。
また、ロッテルダム大学医療センターが行った調査でも、普段よりもコーヒーを1日1杯多く飲んだ人の糖尿病リスクが4~6%下がるという結果がでました。
 
このように、さまざまな研究機関でコーヒーが糖尿病によいとする結果が報告されています。
ただし、コーヒーを過信するのではなくバランスのよい食生活を意識することが最も重要だといえるでしょう。

参考元:コーヒーは糖尿病の予防になる!その理由や適切な摂取量など徹底解説

 

コーヒーは死亡リスクを低下させる効果にも期待できる

医者アメリカの国立がん研究所などが行なった研究では、コーヒーには死亡リスクを低下させる効果が期待できると報告されています。
この研究には、約920万人分のDNAサンプルや血液などのデータを集めた英国バイオバンクの情報が活用されました。
英国バイオバンクによる約50万人分の情報を解析した結果、1日に複数杯のコーヒーを飲む人は死亡リスクが低下したとの結果がでています。
この結果からコーヒーは、糖尿病のみならず死亡リスクを低下させるといえます。

 

コーヒーが糖尿病の予防によいとされる理由

ここでは、コーヒーが糖尿病予防によいとされる2つの理由を紹介します。
コーヒーについて知り、糖尿病予防に活用するための参考にしてください。

 

カフェインによって基礎代謝率が向上するため

カフェインは基礎代謝率を3~11%上げる作用があります。基礎代謝とは人が生活していく上で何もしなくても消費するエネルギーです。
この基礎代謝が上昇することによって、摂取したエネルギーの消費を高めるだけでなく、脂肪を燃焼しやすくなるため、糖尿病や肥満の予防にも繋がります。
ですが、カフェインの摂取だけで完全に肥満などを予防したりすることはできないので、運動習慣や食事習慣などにも気を付けることが必須です。
そのため、コーヒーの摂取に加えて運動習慣を作ることも大切です。

参考元:コーヒーと糖尿病の関係、予防効果や摂取量について

 

クロロゲン酸によって血糖値の急激な上昇を防げるため

クロロゲン酸とはポリフェノールの一種であり、抗酸化作用が期待できる成分です。
抗酸化作用により酸化ストレスや炎症が抑えられ、糖尿病の予防につながると考えられています。
また、クロロゲン酸は体内に脂肪が溜まるのを防いだり、糖質の吸収が穏やかになったりといった効果も期待できます。
そのため、肥満予防や糖尿病予防のサプリメントにもクロロゲン酸が配合されている場合があります。

 

糖尿病予防でコーヒーを飲む際のポイント

糖尿病予防を目的としてコーヒーを飲む際は、ポイントをおさえておくことが大切です。
ここでは、コーヒーの飲み方を具体的に紹介します。

 

ブラックコーヒーを飲む

コーヒーを飲む際は、砂糖を入れないようにしてください。
砂糖を多量に摂取することによって、急激に血糖値が上がるおそれがあります。
血糖値の急上昇で血糖コントロールに乱れが生じると、血管が損傷しやすくなり合併症を引き起こす原因になる場合もあります。
また、多量の砂糖は肥満の原因にもなるため、なるべく避けたほうがよいでしょう。
 
コンビニや自動販売機などで販売されている缶コーヒーには、砂糖を含むものも少なくありません。
缶コーヒーを選ぶ際は成分表示を確認し、ブラックを選ぶことが大切です。
「ブラックコーヒーが苦手で飲みづらい」という場合は、砂糖と比べて血糖値の急上昇を抑えられる人工甘味料を活用するとよいでしょう。

参考元:管理栄養士さんの気になる話③コーヒーはカフェインレスのほうがいいの?

 

習慣的に飲む

一定の期間だけコーヒーを飲むのではなく、日常的に飲むように意識することも重要なポイントです。
国立がん研究センターの調査によると、コーヒーを飲む習慣がある人は空腹時の血糖値が下がる傾向があるとの報告がでています。
お茶にはウーロン茶や緑茶、紅茶などさまざまな種類がありますが、空腹時血糖値の低下が見られたのはコーヒーのみとされているため、日常的なコーヒーの摂取は血糖値のコントロールに役立つと考えられるでしょう。

 

適切な量を守る

コーヒーの飲みすぎはカフェインの過剰摂取につながるため、適量を守ることが重要です。
カフェインを摂取しすぎると、中枢神経系が過剰に刺激され心拍数の増加や不眠症、めまい、震えなどが生じるリスクが高まります。
長期的なカフェインの過剰摂取は、高血圧のリスクも高めるでしょう。
健康を守るためにも、コーヒーの飲みすぎには注意する必要があります。
 
EUの欧州食品安全機関(EFSA)によると、成人が健康を保つために推奨されているカフェインの摂取量は、1日400mg未満です。
また、1回あたりのカフェインの摂取量が200mgを超えないようにすべきとの提言もでています。
コーヒーの場合、1日4~5杯を目安に摂取するのがおすすめです。

 

糖尿病患者がコーヒーを飲むと血糖値上昇のリスクが高まる

糖尿病患者がコーヒーを飲むと血糖値上昇のリスクが高まるすでに糖尿病を患っている人がコーヒーを飲むと、血糖値が上がりやすくなるため注意が必要です。
10人の2型糖尿病患者を対象にした研究によると、カフェイン500mgの錠剤(4杯分のコーヒーに相当)を朝と昼に摂った場合、8%の血糖値上昇が見られたという結果がでています。
 
また、糖尿病の薬とカフェインが相互的に作用することで、血糖値コントロールが困難になる場合もあるでしょう。
糖尿病の薬にはカフェインの分解を阻害する成分が含まれているため、カフェインの作用が強まってしまうおそれもあります。
コーヒーはもちろんのこと、緑茶やウーロン茶、紅茶、エナジードリンクなど、カフェインを含む飲料には気をつけるようにしてください。

 

コーヒー以外で糖尿病予防に効果的な飲み物はある?

「糖尿病を予防したいけど、コーヒーは苦手」という方もいるでしょう。
ここでは、コーヒー以外で糖尿病予防に役立つ飲み物を紹介します。
飲みやすい飲料を選び、糖尿病の予防に活用してみてください。

参考元:血糖値を下げる飲み物を適量摂取して高血糖や糖尿病を未然に予防する

 

お茶

お茶に含まれるカテキンには、糖質の吸収や血糖値の上昇を抑える作用に期待できます。
緑茶やほうじ茶、番茶、紅茶などカテキンを含むお茶を食前に飲むのがおすすめです。
また、茶葉以外のお茶にも血糖値の上昇を抑える作用があるとされています。
黒豆茶や桑の葉茶、ヤーコン茶、グァバ茶などがよいとされているため、糖尿病の予防に役立ててみましょう。

 

牛乳

牛乳は、血糖値の上昇が緩やかになる低GI食品に分類されている飲み物です。
牛乳に含まれている乳糖は、体内で分解されるまでに時間がかかるため、血糖値の上昇を抑えられると考えられています。
ただし、飲みすぎると脂肪分の過剰摂取につながるので、食事の際にコップ1杯の牛乳を飲むようにするとよいでしょう。
できれば低脂肪タイプの牛乳を選ぶと、脂肪の摂取を抑えられます。

 

まとめ

コーヒーは健やかな体を保つための成分が含まれています。
日常的にコーヒーを飲む人は糖尿病や死亡のリスクを低減できるとの研究結果がでていることから、健康維持に役立つといえるでしょう。
ただし、コーヒーの飲みすぎはカフェインの過剰摂取につながります。
1日4~5杯を目安とし、栄養バランスのよい食事や適度な運動も意識して、糖尿病を予防することが大切です。