第一三共が開発した新型コロナウイルスのワクチンが承認

第一三共が開発した新型コロナウイルスのワクチンが承認新型コロナウイルスのワクチンといえば、ファイザーやモデルナといった海外の製薬会社が開発・製造したものしかありませんでした。

そんな新型コロナウイルスのワクチンですが、日本が作ったワクチンが承認されるというニュースが舞い込んできました。
こちらのページでは、そんな初めての国産新型コロナウイルスワクチンについて、現在わかっている情報について詳しく紹介してきたいと思います。

第一三共が開発した国産ワクチンが承認された

承認新型コロナウイルスの国産ワクチンの開発は新型コロナウイルス登場から開発が進められていました。
そんな国産ワクチンの申請は2023年1月に行われました。
ですが、承認はこれまでされていませんでした。長らく承認が行われていなかった国産ワクチンですが、2023年7月31日に開かれた厚生労働省の専門家の部会で検討され、安全性や有効性が認められ使用が了承されました。
この了承を受けて、厚生労働省の手続きを経て正式に承認される形になります。

今回行われた専門家の部会では、第一三共開発ワクチンだけではなく、塩野義製薬が開発したワクチンの検討も行われましたが、こちらについては有効性が認められずに継続審議という結果となっています。
そのため、今後は第一三共のワクチンに続いて塩野義製薬が開発したワクチンの登場も期待されています。

承認されたワクチンってどんなもの?

第一三共ワクチン今回、部会で使用が了承された第一三共のワクチンは「ダイチロナ筋注」という名称で、新型コロナウイルス感染症が発生した当初の従来型のウイルスに対応していると認められました。
そのため、現在主流となっている変異種に対しての適応に関しては未だ認められていません。
変異種への対応が未だ認められていないため、国が予定している9月の追加摂取では今回承認されるダイチロナ筋注が用いられるということはありません。

今回承認されるダイチロナ筋注はmRNAワクチンと呼ばれる種類のワクチンで、体内にウイルスの遺伝子情報を注入して免疫を獲得し新型コロナウイルス感染症を予防するものです。
この免疫を獲得できるのは、体内へ注入した遺伝子情報がウイルスのタンパク質の一部が作られることで、それに対する抗体などが作られるためです。

また、2023年5月には第一三共が開発した変異株対応型のワクチンと既に国で使用されているオミクロン株対応のワクチンを比較する治験を開始しています。
こちらの治験の結果によっては現在主流となっているワクチンの代わりとしてダイチロナ筋注が主流になるということも十分に考えられます。

今までのワクチンとは何が違うの?

オミクロン株には非対応今回承認される見通しのダイチロナ筋注はこれまで国内で使用されてきたワクチンとはどういった違いがあるのでしょうか?

今回、専門部会で使用が了承されたのは、従来型のウイルスに対しての効果についてであるためオミクロン株などへの適用は承認されていません。
ですが、こちらは現在行われている治験の結果次第で、次第に適用が進むことも考えられます。

ワクチンとしての有効性については、今回治験で使われたモデルナのワクチン「スパイクバックス」、ファイザーのワクチン「コミナティ」と同等であり、劣っている点もないという結果となっています。
それと同様に安全性についても現行のワクチンと変わらず、懸念される有害事象もなかったようです。

こうした結果からも、今後オミクロン株などの変異種への対応もされるのではないかと感がられます。

対象は?(子供や高齢者、妊婦など誰もが打てるもの)

18歳以上対象、妊婦には禁止第一三共が作る新型コロナウイルスワクチンのダイチロナ筋注の対象年齢は18歳以上となっています。
これは、ダイチロナ筋注を用いた治験が18歳以上を対象としていたためです。
そのため、妊婦や小児などへの摂取についての安全性は確立されていません。

また、ダイチロナ筋注は追加摂取用のワクチンとなっているため、初回摂取を受けていない方の摂取はできません。そのため、初回摂取を受けていない方はまず初回摂取を受ける必要がある点には注意が必要になります。

今までにファイザーとかのワクチン受けてる人はどうしたらいいの?

ファイザーワクチン新しく承認される国産ワクチンのダイチロナ筋注は、初回摂取を既に受けている方を対象としたワクチンとなっているため、既にワクチンの接種を受けているからといって特に気にする必要はありません。

また、基本的には今回の承認については従来型の新型コロナウイルスに対しての適用となるため、追加摂取にダイチロナ筋注が使われるケースはほとんどないと考えられます。
そのため、第一三共は今回の承認を受け、新たな変異株に対応したワクチンの開発を行う方針とのことです。

まとめ

今回、第一三共が製造した国産のワクチンが承認されるという大きなニュースが入ってきました。

今回承認された第一三共のワクチンは

  • 従来型のウイルスに対してのみの適応
  • 9月からの無料摂取では使われない

という状況になっています。

今回の承認は従来型の新型コロナウイルスに対しての承認となっており、オミクロン株などの変異種に対しての適用の承認ではありません。
そのため、国が9月から行う追加摂取では今回承認される第一三共のワクチンが使われることはありません。

ですが、今年5月には、第一三共が開発した変異株対応型のワクチンと現行の海外製ワクチンを比較する治験を開始しています。
この結果によっては、国産の変異株対応ワクチンが今後使用されるようになることが考えられます。