フェブリクvsアロプリノール:痛風治療の最適な選択とは?
痛風や高尿酸血症の治療に使用される薬剤には、フェブリクの他にアロプリノールがあります。
このように2種類の薬剤がある場合、どちらが自身に適しているのか気になることもあるでしょう。
こちらのページでは、フェブリクとアロプリノールを徹底比較しました!
自身に合ったものを選ぶ手助けになれば幸いです。
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フェブリクとアロプリノール、体内での働き方の違いとは?
フェブリクとアロプリノールは、いずれも「キサンチンオキシダーゼ(XO)阻害薬」に分類されます。
キサンチンオキシダーゼは体内に取り込まれたプリン体を尿酸に変換する酵素ですが、フェブリクとアロプリノールがその働きを阻害し、尿酸の生成を抑制するのです。
ただし、作用機序には違いがあります。
そもそもプリン体が尿酸になるまでには、【プリン体→ピポキサチン→キサンチン→尿酸】というルートをたどり、キサンチンオキシダーゼは「ピポキサチン→キサンチン」「キサンチン→尿酸」というところで働きます。
これに対し、フェブリクはシンプルにキサンチンオキシダーゼの働きを阻害し、キサンチン、尿酸への変化を防ぎます。
一方のアロプリノールはキサンチンに似たプリン骨格という構造を持ち、キサンチンオキシダーゼをおびき寄せて自分に使わせます。
キサンチンオキシダーゼは、キサンチンの代わりにアロプリノールに作用してしまうため、結果的に尿酸の生成が抑えられるのです。
副作用の徹底比較!あなたに合うのはどっち?
両薬剤の副作用には共通するものもありますが、それぞれに特有のリスクも存在します。
フェブリク | 肝機能障害(AST・ALT・γ-GTPの増加など) |
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アロプリノール | 腎障害、中毒性表皮壊死融解症、間質性肺炎など |
ちなみに、アロプリノールの添付文書によると腎不全の方に副作用が発生した場合は重症化しやすく死に至る可能性もあるとされています。
腎機能に何らかの障害がある方は、フェブリクを選択すべきといえるでしょう。
参考元:医療用医薬品:フェブリク
参考元:医療用医薬品:アロプリノール
切り替えは慎重に!アロプリノールからフェブリク切り替えのポイント
アロプリノールからフェブリクへ切り替える際には、注意すべきポイントがあります。
それが「服用量」です。
通常、初めてフェブリクを服用する場合は1日10mgからの服用となりますが、アロプリノールから切り替える場合は1日20mgからの服用となります。
その後、維持量である1日40mgを目指します(最大で1日60mgまで増量可)。
ただし、痛風発作が頻発していたり、尿酸値が安定していない場合は10mgからの服用となる場合もあります。
参考元:アロプリノール等の尿酸降下薬からフェブリク錠(フェブキソスタット)に切り替える時の用量は?(薬局)公益社団法人 福岡県薬剤師会
フェブリクとアロプリノールはどう使い分ける?
フェブリクとアロプリノールは、尿酸の生成を抑制するという同じ作用を持った治療薬です。
では、どのように使い分けるのが良いのでしょうか?
実は、フェブリクとアロプリノールは代謝される器官が異なります。
フェブリクは肝臓で代謝・排泄されるのに対し、アロプリノールは主に腎臓で代謝・排泄されます。
そのため、いずれかの臓器に障害がある場合、それが選択の目安になります。
- 肝障害のある人はフェブリクを慎重に服用する(医師に相談する)
- 重い腎障害がなければフェブリクは使える
- 腎障害のある人はアロプリノールを使いにくい
まとめ:あなたに最適な尿酸降下薬を選ぼう!
フェブリクとアロプリノールは、いずれも尿酸生成を抑制する薬剤ですが、作用機序、副作用、代謝の仕組みに違いがあるため、適切な使い分けが求められます。
- 腎機能低下患者にはフェブリクが第一選択となることが多い
- 肝機能に障害がある場合はアロプリノールが第一選択となる
- 切り替え時には通常の服用方法と異なる点に注意が必要
フェブリクかアロプリノールで迷った時は、ぜひこちらのページを参考に適切な薬剤を選択し、痛風や高尿酸血症の治療を安全に進めてください!