高血圧の人でもお風呂やサウナに入ってよい?気をつけるポイントについて

高血圧の人でもお風呂やサウナに入ってよい?気をつけるポイントについて高血圧の人のなかには血圧が上がってしまうのではないかと心配になり、お風呂やサウナに入ることを躊躇している人がいるのではないでしょうか。

実際に高血圧の人がお風呂やサウナに入る際には、気をつけるべき点がいくつかあります。

この記事では、そんな高血圧の人がお風呂やサウナに入る際の注意点や気をつけるポイントを解説します。

入浴が血圧に与える影響や入浴後に気をつけることについても詳しく説明するため、高血圧で悩んでいる人はぜひ参考にしてください。

 

お風呂やサウナに入ると血圧は変動する?

人間の体は周囲の温度変化に敏感に反応するため、お風呂やサウナに入ると血圧が変動します。

例えば、寒い環境に置かれると体を守るために血圧が上昇し、お風呂やサウナのような暑い環境では血圧が低下します。

 

特に注意が必要なのは、大きな温度差にさらされる場合です。

たとえば、暖かいリビングから寒い脱衣所へ移動する際、急激な温度変化により血圧が急上昇することがあります。

これは体が寒さから自身を守ろうとする自然な防御反応です。

このような急激な温度変化と血圧変動の関係を理解しておくことが大切です。

そうしたことを理解した上で温度差を緩和する工夫すると、血圧の急激な変動を抑止できます。

 

結論として、お風呂やサウナで血圧が変動してしまうことは自然な現象です。

しかし、こうした血圧の変動がある場合でも、急激な変化は体への負担となってしまいます。

そのため、室内と浴室との温度差などに注意し、急激な温度変化がないようにゆっくりと体を慣らしていく環境を作ることが重要です。

参考元:サウナー必見! サウナのメリット、デメリットとは

 

高血圧の人でもお風呂(入浴)やサウナに入れる?

注意点を教える男性の医者
高血圧の人でもお風呂やサウナに入ることは可能ですが、注意点があります。

特に気をつけるべきなのが、ヒートショックです。

ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が上下することによって心臓や血管の疾患が起きることを指します。

このヒートショックで死亡してしまう方は少なくありません。
 
2006年には、14,000人にも及ぶ方がこのヒートショックで亡くなられています。

2006年の交通事故での死亡者数が7,000人ほどだったことを考えると、交通事故の倍以上の方がこのヒートショックで亡くなっているのです。

サウナや入浴はこうした急激な温度変化を伴うことが多いため、普段から心臓や血管に負荷がかかっている高血圧の人は控えめにすることが賢明です。

室温が高いサウナや浴室では脱水になりやすくなるだけでなく、室外との温度の違いも大きくなります。

そのため、血圧の変動が激しくなる可能性は高くなっています。
 
お風呂やサウナに入ること自体は問題ありませんが、適切な準備と注意が必要です。

入浴前後の水分補給だけでなく長時間の入浴をする場合は入浴中にも水分補給を行ったり、脱衣所と浴室を事前に暖めて浴室内外の温度差を少なくするなどの対策を取りましょう。

これらの点に気をつけることによって、高血圧の人も安全にサウナを楽しめるようになります。

 

高血圧の人がお風呂やサウナに入る際のポイント

高血圧の人が安全に入浴を楽しむには、いくつかのポイントに注意が必要です。

ここでは血圧の急な変化を防ぎ、リラックスした入浴を実現するための6つの重要なポイントを解説します。

高血圧を患っているという方は、是非一度こちらのポイントを確認した上で安全に入浴するようにしましょう。

参考元:サウナで血圧はどう変化する?高血圧・低血圧の注意点

 

脱衣所や浴室の温度差を抑える

高血圧を抱える人が安心して入浴を楽しむためには、脱衣所と浴室の温度調整が欠かせません。

特に冬場は、温度差によるヒートショックを起こしやすくなるため、より注意する必要があります。

 

こうしたヒートショック対策として、入浴前に脱衣所と浴室を暖めるという方法があります。

小型のヒーターを設置したり、浴室の壁や床に温水シャワーをかけたりすることで、浴室内外の温度差を小さくして体への負担を軽減します。

お湯を張る際は、高い位置からシャワーを使うことで湯気によって浴室全体が暖まりやすくなります。

こうした工夫を用いて血圧の急な変化を防ぎ、安全な入浴を楽しみましょう。

 

入浴する前にシャワーやかけ湯などをする

寒い時期に急いで熱い湯船に入ると、ヒートショックのリスクが高まります。

これを避けるには、お風呂に入る前にシャワーを浴びたり、体にかけ湯をしたりしてゆっくりと体温を上げていくことが役立ちます。
 
また、浴槽に入る際に足先などの末端部分から順に温めていくのも有効です。

こうしたことも心臓への負担を軽減するのに役立ちます。

お風呂のお湯の温度として適しているのは、体温よりやや高めの38~40度となっています。

急激な温度変化を避けることで、血圧の急な変化を防いで安全に入浴を楽しめます。

 

お湯はぬるくして長風呂はしない

高血圧の人は、お湯の温度と入浴時間に注意が必要です。

41℃以下を目安とし、入浴時間は10分以内にしましょう。

 

お湯の温度が高くなると交感神経が緊張して、血管が収縮して血圧が急上昇するため、ぬるめにすることをおすすめします。

また、長風呂は血管拡張による急激な血圧低下を招き、脳貧血のリスクが高まります。

熱いお湯で一気に血圧が上昇し、長時間の入浴で急激に血圧が低下すると血管への負担が非常に大きなものになってしまいます。

特に、皮膚感覚が鈍くなっていることがある高齢者は注意が必要です。

 

自宅のお風呂に温度調節機能がない場合は、湯温計などを用いてお湯の温度をチェックするようにしましょう。

適切な温度と時間で入浴することで、安全にリラックス効果を得ながら過ごせます。

 

入浴する前後に水分補給をする

入浴による脱水を防ぐため、水分補給は欠かせません。

のどの渇きを感じたときはすでに脱水が始まっているサインです。

そのため、入浴前後に水分を補給するようにしましょう。

 

この時、利尿作用を持ったアルコールやカフェインではなく、コップ1杯程度の水を飲むうにしましょう。

利尿作用を持つ飲料の場合、水分を補給できても結果的に利尿作用によって脱水を招く可能性があります。

また、補給する水分としては水が基本となりますが、大量に汗をかいたような場合は、経口補水液やスポーツドリンクで塩分も補給するのがおすすめです。

 

また、水分補給をするときは一度に大量摂取せず、少量ずつ飲むこともポイントです。

汗をかくことで失われた水分を補充することで、体調管理にも役立ちます。

 

食後や飲酒時には入浴しない

高血圧の人は、食事や飲酒のタイミングに注意して入浴しましょう。

食事をしてから約1時間は体が消化に集中するため、一時的に血圧が低下する傾向があります。

この状態で入浴した場合、さらに血圧が低下する恐れがあるため危険です。

 

飲酒後の入浴も危険です。

アルコールは血圧を下げるうえ、感覚を鈍らせるため事故のリスクが高まります。

酔った状態で湯船に入ると過剰に血圧が下がってしまう可能性があるだけでなく、うっかり寝てしまう可能性もあるでしょう。

 

また、サウナで汗をかけば酔いが覚めると考える人もいますが血液中のアルコール量は減少しません。

むしろ危険を招くため、入浴前の飲酒は控えましょう。

 

急にお風呂から出ない

高血圧の人は、湯船から急に立ち上がることは避けましょう。

急激な動作は血圧の急激な変化を引き起こし、体に負担をかけます。

最悪の場合、脳貧血のような状態に陥る可能性もあります。

 

湯船につかっている間は水圧がかかっていますが、急に立ち上がることでその圧力から一気に解放されます。

これによって血管が一気に広がり圧力がかかっていた部位への血流が増えて、脳への血流が一時的に減少します。

その結果、立ちくらみや気分不良を引き起こす可能性があるのです。

 

安全に入浴を楽しむには、ゆっくりとした動作を心がけましょう。

湯船から出る際は、まず浴槽の縁に腰掛けてそこから洗い場にゆっくり移動してください。

必要に応じてバスボードや椅子を使用し、体への負担を軽減しましょう。

 

高血圧の人が入浴後に気をつけること

高血圧の人が入浴後に気をつけるべきポイントはいくつかあります。

まず、急激な温度変化を避けるために、脱衣所を事前に温めておくことが重要です。

入浴後は速やかに体を拭き、着替えましょう。

身体が濡れている状態や裸でいる時間を最小限に抑えることで、体温の急激な低下を防げます。

また、入浴後は入浴中の発汗などで脱水気味になりがちなので、水分補給を忘れないようにしましょう。

この時、飲料は常温のものにすることでも体温の急激な低下を防ぐことが可能です。

 

次に、入浴後の過ごし方にも注意が必要です。

体温が上がった状態から徐々に下がっていくプロセスは、良質な睡眠につながります。

汗が引いたら温かい布団で体を包み、リラックスした状態で眠れるようにしましょう。

そうして睡眠の質を高めることで自律神経やホルモンのバランスが整い、血圧の安定にも繋がったりします。

「入浴から就寝まで」を一連の流れとして捉え、習慣化することで、高血圧の人の健康管理に役立つでしょう。

参考元:高血圧の方が入浴するときに気をつけるべきポイント

 

まとめ

高血圧の人でも、ポイントを押さえることでお風呂やサウナのリスクを軽減して楽しめます。

押さえておくべきポイントとしては

  • 入浴前は脱衣所や浴室を暖める
  • シャワーやかけ湯で体を徐々に温める
  • お湯の温度は41℃以下に保つ
  • 長風呂は避ける
  • 入浴前後の水分補給する

といったものがあります宇。

これらすべてのポイントを毎回抑えることは大変かもしれませんが、できることから心がけるだけで入浴やサウナのリスクを低減できます。

また、上記のポイント以外にも食後すぐや飲酒時の入浴は控えたり、湯船からはゆっくり出たりするように心がけることでもリスクを低減することが可能です。

さまざまなポイントがありますが、習慣化することで高血圧の人も負担を感じずに安全に入浴を楽しめるようになりますので、是非お試しください。
 

女医