ラシラクトン

むくみがひどくて、ほかの利尿薬だけでは効きにくいときに使われます。フロセミドとスピロノラクトンという2種類の成分が一緒に入っていて、心臓の病気や肝臓の病気で水がたまりやすくなっている人に処方されることが多いです。とくに「アルドステロン」というホルモンの量が増えているときに効果が高いとされています。

一部の高血圧の人に使われることがあります。とくに、アルドステロンというホルモンが多く出て血圧が上がっているタイプの人には効果的ですが、通常の高血圧治療ではあまり使われません。

フロセミドは飲んでから1時間ほどで利尿作用が出はじめます。スピロノラクトンはゆっくり効いて、2～3日でしっかり効果を感じることが多いです。2つの薬の効き方の違いでスピーディに効果を発現して、長く持続するのが特徴です。

違いは、利き方のスピードと持続時間のバランスです。フロセミドはすぐに尿を出し、スピロノラクトンはゆっくり長く効くので、両方を一緒に使うとむくみが早く引いて、その後も再発しにくくなります。効果の幅が広がり、体への負担も少なくなるよう工夫された薬です。

通常は1日1～4カプセルを朝か昼に分けて飲みます。夜に飲むと尿の量が増えて眠れなくなることがあるため、朝食後や昼食後に飲むのがすすめられています。飲む量は人によって調整されるので、医師の指示どおりに服用するのがいちばん安全で効果的です。

できれば食後が望ましいです。スピロノラクトンの吸収が良くなり、胃への負担も減らすことができます。お腹が空いているときに飲むと気分が悪くなる人もいるので、水と一緒に食後に飲むのが安心です。

カプセルはそのまま飲んでください。かんだり中身を出したりすると、薬の働き方が変わったり、苦味が強く出たりすることがあります。コップ1杯の水で丸ごと飲むようにしましょう。

気づいたらすぐに1回分を飲んでください。ただし、次に飲む時間が近い場合は1回分だけにして、2回分をまとめて飲まないようにしましょう。多く飲みすぎると水分が出すぎて、体調を崩すことがあります。

血圧が下がっている可能性があります。とくに飲み始めや薬の量を増やしたばかりのときは、立ちくらみやふらつきが出ることがあります。症状が続くような場合には、医療機関を受診してください。

アレルギー反応の可能性があるので、すぐに医師に相談してください。軽く見えても体に合っていないサインかもしれません。薬をやめるかどうかは医師の判断が必要です。

カリウムが増えることがあるので注意が必要です。この薬の中にあるスピロノラクトンは、カリウムを体にとどめる作用があり、特に腎臓の働きが落ちている方では高カリウム血症が起こりやすくなります。定期的な血液検査でバランスを確認することが大切です。

体の水分や電解質のバランスが崩れやすくなることがあります。特にトイレが近くなることで脱水や低血圧になることがあるため、ふらつきやだるさに気づいたら無理せず休んでください。こまめな水分補給や血液検査を受けながら、医師の指示どおりに使うのが安心です。