クラビリン

肺炎や尿路感染症、腸チフスなどさまざまな細菌感染症に使われています。特に呼吸器系や消化器系に感染する細菌に対して強い効果があり、適応症は44種類以上に及びます。

はい、クラビリンは1日1回の服用で高い初期殺菌効果を示すとされています。これは体内に取り込まれた後、短時間で有効濃度に達しやすく細菌の増殖を早期に抑えられるためです。効き目の速さが期待される感染症では特に重宝されています。

クラビリンは耐性菌の出現を抑えやすいとされ、100mgを複数回服用する従来法より、500mgを1日1回の投与法のほうが有効性が高く、耐性菌の増加リスクが低いというデータがあります。

他の抗生物質で効果が見られなかった場合でも、クラビリンでは高い有効率を示すことがあります。実際の臨床試験では他剤無効症例であっても有効率70〜90％という高い結果がでています。

クラビリンは通常、1日1回500mgを水で飲みます。飲む時間は毎日同じにして1回で服用することが推奨されています。細菌に対して安定した濃度を保つため、分けて飲むのは避けた方がよいとされています。

治療する感染症の種類によって異なりますが、腸チフスなどでは14日間、炭疽では最大60日間の服用が必要です。症状が改善していても服用する期間はしっかり飲み続けることが大切です。

クラビリンは食事の影響を受けにくいため、食前でも食後でも服用できます。ただし、胃への刺激を減らしたい場合は食後の服用が望ましいとされています。

腎臓の働きが弱い方は、体内に薬が長く残るため、服用量や間隔の調整が必要になります。医師の指示に従って、適切な量で飲むようにしてください。

まれですが、肝障害、腎障害、アナフィラキシーショックなどの重篤な副作用が報告されています。発疹、黄疸、息苦しさなどの症状が出た場合はすぐに対処が必要です。

マグネシウムやアルミニウムを含む制酸剤、鉄剤やカルシウム剤はクラビリンの吸収を妨げるおそれがあります。吸収が妨げられることによって効果が弱まる可能性があります。

耐性菌の出現や副作用のリスクを避けるため、必要以上の長期使用は控えるべきです。漠然と目的もなく服用するのではなく、正しい用量を適切な期間服用することが大切です。

下痢、吐き気、発疹、頭痛などの軽い副作用が比較的よく見られます。いずれも一時的なことが多いです。しかし、症状がいつまでも改善しないような場合は、症状が強すぎる場合は医療機関を受診するようにしてください。