クラミジアの治療方法とは?検査を受けられる場所や治療の際の注意点など解説!
クラミジアは性感染症の一種であり、適切な治療を受けないと重症化し、最悪のケースでは不妊になるリスクがあります。
クラミジアを早期発見して適切に治療するためには、クラミジア検査・治療を実施している機関や治療方法について把握しておく必要があるのでこちらの記事では、クラミジアの検査・治療を受けられる機関や治療方法について解説します。
クラミジアを治療する際の注意点についても解説するため、クラミジアの治療について気になる人は参考にしてください
クラミジアの検査はどこで受けられる?
クラミジアは、放置していると炎症が広がり重症化する危険性があるため、早期発見と治療が重要です。
そのため、クラミジアの検査を受けられる場所を把握しておく必要があります。
そこで、まずはクラミジアの治療に関する情報の前に検査を受けられる場所について解説します。
保健所
保健所は各地方自治体が運営しており、無料でクラミジア検査を受けられる機関です。
さらに匿名での受診が可能なためプライバシーが守られる上、検査結果が外部に漏れるといった心配もありません。
ただし、保健所は検査を受けられる日が決まっているため、自分の希望する日時に受診できないことがある点には注意が必要です。
また、検査には定員がある場合があるため予約がなかなか取れない可能性もあります。
なにより検査の結果が陽性となってしまった場合、保健所では治療ができないため、改めて医療機関を受診する必要がある点にも留意しておく必要があります。
医療機関(性感染症内科、泌尿器科など)
医療機関の中でも性感染症内科や泌尿器科、婦人科など、さまざまな診療科でクラミジアの検査が受けられるようになっています。
保健所と比べてヘルペスやHPVなどさまざまな性感染症の検査に対応しているのが利点です。
さらに、医療機関なら自分の希望する日時に受診できます。
一部の医療機関ではオンライン診療にも対応しており、自宅から検査キットを取り寄せて検査を受けることも可能です。
そして、検査で陽性反応がでた場合は、その場で治療薬を処方してもらうなど、スムーズに治療をスタートできるのも大きな利点となっています。
ただし、無料の保健所とは異なり、医療機関では検査に費用がかかることは注意が必要です。
また、検査の結果、陽性となった場合の治療にも当然費用がかかります。
医療機関によっては匿名での受診ができず、保険証や身分証明書の提示を求められる場合もあります。
クラミジアは自然治癒するの?
クラミジア感染症は、自然と治る可能性もありますが長い年月を必要します。
クラミジアに感染後、女性であれば平均で約1年半、男性であれば平均約3年かかるとされています。
場合によっては10年以上かかるケースもあるとされています。
その期間はクラミジアに感染したままということになるので、感染を広げないように性交渉を控える必要があります。
当然、放置している期間はクラミジアが重症化するリスクもあります。
クラミジアが重症化すると女性の場合は子宮頸管炎、男性の場合は精巣上体炎などを発症して不妊となってしまうことも。
これらのことから、クラミジアは基本的には自然治癒しないと考えて問題ありません。
クラミジアに感染した場合は自然治癒を期待するのではなく治療薬を用いた適切な治療を受けることが大切です。
クラミジアの治療方法とは?
ここからは、クラミジアの治療について、一般的な流れと主に用いられる治療薬の種類について詳しく紹介していきます。
一般的な治療の流れ
クラミジアは、主に抗生物質を服用して治療します。
受診する病院は、男性の場合は泌尿器科、女性は産婦人科や婦人科が一般的です。
のどにクラミジアが感染していれば耳鼻咽喉科も選択肢になりますが、性感染症を専門としている医療機関を受診したほうが安心でしょう。
クラミジア検査で陽性と判明した場合、抗生物質が処方されます。
服用期間は通常1日から1週間程度です。
症状が進行して重症となっている場合には、点滴での治療を3日から5日間行うこともあります。
決められた服薬期間が終わったら、約2週間後に再検査を受けて結果が陰性となれば治療終了です。
ただし、感染しているクラミジアが処方された抗生物質に耐性を持っているケースがあるため、処方された抗生物質を飲み切れば治療が終わりというわけではなく、検査を改めて行って陰性と診断されるまで治療を続けることが大切です。
クラミジアの治療薬の種類
先述した通り、クラミジアには抗生物質で治療するのが一般的ですが、処方される治療薬にはいくつかの種類があります。
ここからは、クラミジアの治療薬の種類について見ていきましょう。
参考元:クラミジアの薬とは?
マクロライド系
クラミジアの治療によく使われるのがマクロライド系の抗生物質です。
アジスロマイシン(ジスロマック)やクラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド)がその代表格といえるでしょう。
マクロライド系は胎児への影響が少ないため、妊娠中でも服用できる点がメリットです。
マクロライド系は感染部位の細菌の増殖を抑え、殺菌効果を発揮します。
ただし、悪心、嘔吐、下痢などの副作用が起きる可能性がある点に注意が必要です。
服用した翌日に副作用がでることもあります。
マクロライド系の抗生物質の服用方法は、1日1〜2回、1回のみの服用か1週間の服用が一般的です。
特にアジスロマイシンは胃酸の影響を受けにくく、体内で長時間効果が持続するため服用が1回だけで十分という利点があります。
服用回数が少なくてすむことは、飲み忘れのリスクを軽減できるので、クラミジア治療に適しています。
ニューキノロン系
ニューキノロン系のレボフロキサシン(クラビット)、シタフロキサシン(グレースビット)、トスフロキサシン(オゼックス/トスキサシン)などもクラミジアの治療に使われる抗生物質です。
特に、レボフロキサシンは安全性が高いことから、クラミジア治療によく処方される薬剤となっています。
これらの薬には、細菌の増殖を抑えて数を減らすという作用があります。
主な副作用は下痢、吐き気、食欲不振などです。
通常1日1回、7日間服用します。
ただし、ミネラル剤や特定の食品と一緒に服用した場合、効果が薄れる可能性があり注意が必要です。
また、ニューキノロン系の抗生物質は、胎児の発育に影響を与える可能性があるため、妊娠中の服用は避ける必要があります。
テトラサイクリン系
テトラサイクリン系の抗生物質もクラミジア治療に使われます。
代表的なものがドキシサイクリン(ビブラマイシン)やミノサイクリン(ミノマイシン)です。
これらは感染部位で細菌の増殖を止め、体内の防御機能を助けて除菌する働きがあります。
クラミジア治療では、ドキシサイクリンやミノサイクリンなどの飲み薬が選ばれることが多いですが、重症の場合は点滴によりミノサイクリンを投与するケースもあります。
服用期間は、1日1〜2回の7日間です。
テトラサイクリン系の主な副作用は、悪心、食欲不振、腹痛、嘔吐、めまいなどがあります。
長時間直射日光を浴びると、光線過敏症を引き起こす可能性があることも注意が必要でしょう。
また、胎児の歯や骨の発育に影響を及ぼすリスクがあるため、妊娠中の服用は避けるべきです。
クラミジアの治療に関する注意点
クラミジアを治療する際は、以下の項目に注意する必要があります。
- クラミジアの治療中に性行為はしない
- クラミジア検査で陰性がでるまで治療を中断しない
ここからは、それぞれの注意点について詳しく解説します。
クラミジアの治療中に性行為はしない
クラミジア感染症の治療中は、一切の性行為を控える必要があります。
たとえコンドームを使用したとしても、菌が体内に残っている間は感染リスクが完全にないとはいえないためです。
クラミジアは性器だけでなく、オーラルセックスなどでパートナーののどに感染する可能性があります。
クラミジアは人の体内でしか生きられないため、トイレや入浴などの一般的な生活環境で感染の心配はありません。
しかし、性器やのどなどの粘膜同士が接触すれば感染の可能性が高まるため、治療中の性行為は避けましょう。
クラミジア検査で陰性がでるまで治療を中断しない。
クラミジアの治療は、陰性が確認されるまで中断してはいけません。
治療の途中で症状が改善したからといって、自己判断で中止してしまうと再発する可能性が高まります。
PCR法やTMA法など、検査精度の高い遺伝子検査で陰性を確かめるまでは、医師の指示に従い治療を継続することが大切です。
また、パートナーがいる場合は、どちらか一方でも陽性であるとピンポン感染で再発することも珍しくありません。
そのため、パートナーと一緒に治療を進めて、両者が陰性になるまで性行為は控えましょう。
まとめ
クラミジアの検査は保健所や医療機関で受けられます。
保健所は無料な上、匿名での検査が可能です。
しかし、検査日や検査項目が限定されている注意点があります。
一方、医療機関は自由な日時でさまざまな性感染症の検査が可能ですが、費用負担が必要になります。
クラミジアに感染し、長期間を放置すると重症化のリスクが高まるため、早期発見と適切な治療が推奨されます。
クラミジアの治療薬である抗生物質には、マクロライド系、ニューキノロン系、テトラサイクリン系などがあり、副作用や妊婦への影響などを考慮して使い分けることが重要です。
また、クラミジアの治療中は、検査で陰性が確認されるまで完全に治癒したとはいえないため、性行為は控えましょう。