妊婦のためのアジー使用ガイド

妊婦のためのアジー使用ガイド妊娠中アジーを服用しても赤ちゃんに影響はない?」
授乳中でもアジーは飲める?」

そんな疑問を抱く方のために、本記事ではアジー(アジスロマイシン)の妊娠中・授乳中の安全性使用条件について詳しく解説します。

妊娠中(妊娠初期/妊娠後期)のアジー使用条件

妊婦アジスロマイシンの添付文書には、『妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること』と記載されています。

要するに、治療のメリットがリスクを上回っていることが使用条件となるわけですが、これはアジスロマイシンの開発にあたって妊婦を対象とした試験が行われなかったことから、ある種の“決まり文句”として書いてあるだけで、現実的には使用しても問題ないと考えられています。

実際、研究の結果として妊娠中のアジスロマイシン服用で催奇性(赤ちゃんに奇形が見られる可能性)は認められないとされており、基本的に安心して服用できます。

参照:アジスロマイシン(商品名:ジスロマック)の妊婦・授乳婦への処方と薬剤師の考察

妊娠初期の使用(妊娠4〜11週)

妊娠中でもアジーを使用することは可能ですが、一般的に「妊娠初期(4~11週)に薬を飲むのはリスクがある」という点は押さえておいてもいいでしょう。
これはアジスロマイシンに限らない一般論ですが、胎児の器官形成が進む重要な時期である妊娠初期は、後期よりも催奇性がやや高まります。

そのため、妊娠初期にアジーが必要な事態になったとき、念のため医師に相談することをおすすめします。

妊娠後期の使用(妊娠17週以降)

基本的に、妊娠後期であれば問題ありません。
実際、病院によっては妊娠16週頃にクラミジアの感染が確認された場合はアジスロマイシンを用いて治療するケースもあります。

授乳中(授乳婦)のアジー使用に関する情報

授乳中にアジーを服用する際には、母乳への移行や乳児への影響について知っておくことが重要です。
以下では、母乳移行性と実際の対応、専門機関の見解をご紹介します。

アジーは母乳に移行する?

アジスロマイシンの添付文書には、『治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中に移行することが報告されている』との記載があります。

ただし、これも妊娠中の使用と同じく、添付文書にありがちな『決まり文句』です。
確かに、母乳に移行するという報告はあるものの、「だから絶対に危険」というわけではありません。

実際、厚生労働省が所管する国立成育医療研究センターでは、『授乳中でも安全に使用できると考えられる薬』のひとつとしてアジスロマイシンを挙げています。
そのため、授乳中でも基本的には安心して使えると考えられます。

参照:授乳中に安全に使用できると考えられる薬 - 薬効順 - | 国立成育医療研究センター

まとめ:妊婦・授乳婦がアジーを使うときの判断基準

今回、こちらのページでは妊娠中や授乳中にアジーを使用できるかどうか、紹介しました。
以下に、重要なポイントを整理します。

  • 基本的に、妊娠中も授乳中もアジーを飲んで問題ない
  • ただし、妊娠初期は念のため医師に確認したほうが安心
  • アジスロマイシンの授乳中の服用については国の機関が「安全と考えられる」としている

アジーの有効成分であるアジスロマイシンの添付文書には、妊娠中も授乳中も「メリットがリスクを上回るときに服用できる」と記載されていますが、実際の現場では、アジスロマイシンを使用することは問題ないと考えられています。
とはいえ、100%安心安全に妊娠~授乳期間を過ごすためにも、念のため医師に確認することは無駄になりません。