アジーはインフルエンザに効く?アジーをインフルの時に服用できる理由

アジーはインフルエンザに効く?アジーをインフルの時に服用できる理由アジーの有効成分アジスロマイシンは、インフルエンザに効きません。
しかし場合によっては、インフルエンザの治療にあたって抗インフルエンザ薬と一緒にアジスロマイシンが処方されることがあります。

こちらのページでは、アジーとインフルエンザの関係、抗インフルエンザ薬のタミフルとの併用について詳しく解説します。

アジーはインフルエンザに効果なし?それでも使われるケースがある

風邪冬場に感染者が増える季節性のインフルエンザは、「インフルエンザウイルス」に感染することで発症する疾患です。
このインフルエンザウイルスに対して、抗生物質であるアジー(アジスロマイシン)は効果を発揮しません。
抗生物質はあくまで「細菌」に作用する薬であり、「ウイルス」には効果がないからです。

ただし、インフルエンザの治療をするにあたってアジーが使えるケースもあります。

アジーが使われるのはインフルエンザの「合併症」があるとき

アジーが使えるのは、インフルエンザをきっかけに細菌の二次感染が起こった場合です。

たとえば、インフルエンザによって免疫力が低下すると、ブドウ球菌肺炎マイコプラズマといった細菌に感染し、肺炎中耳炎副鼻腔炎といった疾患を併発することがあります。
こうした場合には、アジーを使うことができます。
つまり、インフルエンザ自体を治すためではなく、合併症の細菌感染に対応するために用いられるのです。

インフルエンザや風邪でアジーが使われるケース

ケースアジーは必要?
インフルエンザのみ✖(ウイルスには効かない)
インフルエンザによる二次感染(肺炎など)〇(必要な場合がある)
通常の風邪のみ✖(ウイルスには効かない)
風邪から細菌感染症(扁桃炎など)を併発した場合〇(必要な場合がある)

インフルエンザ菌とインフルエンザウイルスは何が違う?

「インフルエンザ」という名称がついている病原体には、次の2種類があります。

・季節性インフルエンザの原因であるインフルエンザウイルス
・肺炎などを引き起こすインフルエンザ菌

それぞれウイルス細菌という違いがあるため、治療には抗ウイルス薬抗菌薬(抗生物質)という種類の異なる医薬品を使用する必要があります。

インフルエンザ菌は「細菌」|肺炎や中耳炎の原因に

インフルエンザ菌は細菌の一種で、肺炎や中耳炎、髄膜炎といった病気を引き起こすことがあります。
このインフルエンザ菌に対しては、アジスロマイシンを有効成分とするアジーが有効です。

インフルエンザ菌による中耳炎などは、特に小児や高齢者では重症化することがあるため、すみやかに治療を進める必要があります。

タミフルとアジーの併用はOK?併用するケースとは

okインフルエンザウイルスの感染により免疫が低下すると、肺炎や副鼻腔炎、中耳炎などの細菌感染症を併発することがあります。
このような場合、抗インフルエンザ薬のタミフルと並行してアジーを服用し、治療を行うことができます。
つまり、タミフルとアジーは併用が可能です。

逆に、アジーで性感染症のクラミジアなどを治療中にインフルエンザを発症した場合も、タミフルを併用することができます。

アジーは風邪薬ではない!ただし「細菌性の風邪」では服用できる

医者風邪は、ライノウイルスやコロナウイルスなど、さまざまなウイルスによる感染症です。
そのため、抗生物質であるアジーは基本的に使用しません。
風邪に対しては、安静や水分補給、対症療法に使う解熱鎮痛剤の服用が基本になります。

ただし、一見すると風邪のようであっても、実は細菌性のマイコプラズマ感染症(※)のケースもあります。
(※発熱、咳など風邪に似た初期症状が見られます)
この場合は、抗生物質であるアジーで治療することができます。

また、風邪が長引き、扁桃炎や気管支炎などの細菌感染が疑われる場合に、抗生物質が処方されることがあります。こうしたケースではアジーを選ぶこともできます。

インフルエンザとアジー、最後に押さえておきたいポイント

インフルエンザの治療中に抗生物質を服用する必要があるのか、タミフルと併用しても大丈夫なのか、不安を感じる方もいるでしょう。
ここまで解説したポイントを、改めてまとめました。

  • アジーはインフルエンザウイルスには効かない
  • インフルエンザと細菌性の感染症を併発した場合は抗生物質が処方される
  • タミフルとアジーの併用は可能!医師の判断で行う

アジーはあくまで細菌に作用する抗生物質であり、インフルエンザウイルスには効果がありません。
ただし、インフルエンザと細菌感染症を併発した場合には、アジーが使われることがあります。
また、「インフルエンザ菌」という細菌による肺炎の治療にも、アジーは用いられます。
これらの情報を踏まえて適切にアジーを活用しましょう。