不眠症を予防できる食べ物とは?不眠改善に効果的な食生活習慣もご紹介

不眠症を予防できる食べ物とは?不眠改善に効果的な食生活習慣もご紹介ストレスや不安などの精神的な問題による不眠症で悩む人は少なくありません。

不眠症と聞くと、睡眠薬で改善するというイメージを持たれる方は多いでしょう。

ですが、精神的な問題による不眠症の場合は、不眠症に効果的な食べ物を積極的に摂ったり、食生活を改善したりすることによって予防や改善ができる場合があります。

 

今回のコラムでは、そんな不眠症の予防に効果的な食べ物や不眠症改善に効果的な食生活について解説します。

できるだけ治療薬に頼らないように生活習慣を改善したいという場合には、是非お役立てください。

 

不眠症の予防に効果的な食べ物(栄養素)

不眠症の予防に効果があるとされる栄養にはさまざまな種類があります。

ここでは、不眠症の予防に効果的な栄養について紹介していきます。

 

トリプトファン

必須アミノ酸であるトリプトファンは、睡眠をコントロールする脳内物質のセロトニンやメラトニンを生成するために必要な栄養素です。

トリプトファンは、体内で作ることができないため、食べ物から摂取しなければなりません。

 

トリプトファンを豊富に含む食べ物として、豆腐や納豆などの大豆製品、チーズやヨーグルトなどの乳製品、米などの穀類やごま、卵やバナナなどが挙げられます。

これらの食べ物でトリプトファンの摂取量を増やすことで、睡眠の質を高めて不眠を予防することが可能です。

参考元:「トリプトファン」を摂って、しあわせホルモン「セロトニン」を増やそう!

 

グリシン

グリシンもアミノ酸の1種で睡眠をサポートする働きがあります。

グリシンを摂取することで、末端の血流がよくなって深部体温が低下するため睡眠の質を高めます。

 

グリシンはするめや鰹節、鶏肉や大豆に豊富に含まれているため、積極的に食事に取り入れることで不眠の予防に繋がります。

参考元:不眠の改善に効果的な食べ物とは?食べ物以外の改善方法についても解説

 

マグネシウム

マグネシウムは、睡眠をコントロールするメラトニンや睡眠に関するレニンとい呼ばれるホルモンに働きかける栄養素です。

このマグネシウムが不足することによって不眠となってしまうことがあるといわれるほどの重要な栄養素となっているため、積極的に取り入れることが肝心です。

マグネシウムを豊富に含む食材としては、ほうれん草やアーモンド、大豆や鮭などがあります。

参考元:【医師監修】不眠症改善に効果的な食べ物(食事)について

 

ビタミンB1

水溶性ビタミンの1種であるビタミンB1は、末梢神経や中枢神経などを正常に機能させるために必要な栄養素です。

 

ビタミンB1不足になると、過度な興奮や不安を引き起こしてしまうため不眠につながります。

そのため、ビタミンB1を積極的に摂取することで、神経を正常に働かせて自然な眠りを実現します。

ただし、ビタミンB1の代謝にはマグネシウムが必要となるので、マグネシウムと一緒に摂取するように心がける必要があります。

ビタミンB1は、ごまや豚肉の赤身、大豆や焼きのり、ナッツ類などに多く含まれています。

参考元:不眠の改善に効果的な食べ物とは?食べ物以外の改善方法についても解説

 

GABA

アミノ酸の1種であるGABA(Gamma Amino Butyric Acid)は、中枢神経の興奮を抑える作用があります。

GABAによる中枢神経の興奮抑制作用によって、ストレスを抑えたり、リラックスさせたりすることが可能となるため、自然な睡眠が可能です。

 

なお、GABAを多く含む食べ物としては、カカオ製品(チョコレート、ココアなど)や発酵食品、トマトや雑穀類などがあげられます。

参考元:睡眠の質を上げる食べ物

 

不眠症にNGな栄養素

ここまで、不眠の予防に有効とされる栄養について紹介してきましたが、逆に睡眠に対して良くない食材や栄養はあるのでしょうか?

実は睡眠にあまり良くない栄養はあります。

そのため、不眠などを予防したいという場合には、そうした栄養を避けるということも重要なポイントになります。

 

睡眠に対してあまり良くない栄養の代表となっているのはやはりカフェインでしょう。

コーヒーや紅茶、エナジードリンクなどに豊富に配合されていたりする成分で、このカフェインは覚醒作用があるため摂取すると目が覚めてしまい眠りから遠ざかってしまいます。

 

目を覚ます必要がある朝の摂取することで眠気を解消したり、集中力を高める作用で集中力を高めるといったことには役立ちますが、不眠という点には悪影響を及ぼしてしまいます。

また、上記のような良い効果を狙って過剰に摂取してしまうと、下痢や吐き気、不安やイライラといった症状があらわれてしまう場合がある点にも注意が必要です。

 

そのため、不眠気味といったような方はカフェインの摂取を控えることで不眠の予防につながる場合があります。

参考元:カフェインが原因となる不眠・睡眠障害

 

不眠症の予防に効果がある食べ物

不眠症の予防に効果がある食べ物は、以下の通りです。

  • 乳製品(チーズや牛乳など)
  • 大豆(豆腐や納豆など)
  • バナナ
  • 魚介類(カツオやマグロ、エビ、ウニなど)
  • 肉類
  • 雑穀類
  • 海藻(ひじきやわかめ、昆布など)

これらの食べ物は1日にすべて摂取するのは難しい反面、毎日の食事の中にとり入れやすい食材となっているため、無理のない範囲で食事に取り入れていくようにすることが重要です。

「最近、寝付きが悪くて、不眠症かもしれない…」

といったような悩みがある場合は、まずこれらの食材を積極的に摂取するようにしてみてはいかがでしょうか。

 

医者

 

不眠症の改善に効果的な食生活習慣

健康的な食材
ここまで、不眠症の予防に効果的な食べ物や栄養素などについてご紹介しました。

ですが、上記で紹介した食べ物だけを積極的に摂取すれば良いというわけではありません。

不眠に効果的な食材を取り入れながら、健康的な食生活に気をつけることが重要です。

ここからは、そんな不眠の改善に効果的な食生活について解説します。

 

朝食でたんぱく質をとる

「朝食はパンとコーヒーだけ」という人や若い世代では「朝ごはんは食べない」という人もいるでしょう。

しかし、不眠症に悩む人は、朝食にたんぱく質を多く含む食材を摂取することが大切です。

 

肉や魚、乳製品、大豆製品などには、たんぱく質が豊富に含まれています。

これらの食材には前述のトリプトファンが多く含まれており、このトリプトファンが体内時計を調節して目を覚まさせるとともに、夜になると自然と眠くなるようにすることで不眠の改善に役立ちます。

朝からガッツリお肉や魚は厳しいという方でも、卵料理やヨーグルト、豆乳や牛乳などであれば無理なくたんぱく質をとることが可能です。

参考元:不眠の改善に役立つ食べ物やハーブは?眠れない時のセルフケア

 

夕食後は3時間あけて寝る

夕食を食べたあとにすぐは眠りにつきにくい上に、睡眠の質が悪くなってしまいます。

夕食後すぐは胃腸が活発に動いているため、眠りにつきにくくなりますし、深く眠れなくなってしまうためです。

そのため、夕食を食べたあと3時間ほどあけてから寝るように心がけましょう。

 

また、夕食の際には消化しやすい食べ物を食べることも大切です。

消化の良い食べ物の場合、胃への負担が減り消化もスムーズに行われるので、その分だけ早く深い眠りにつきやすくなります。

逆に消化しにくい食材の場合は、消化のために胃酸の分泌量が増え、胃酸逆流などを引き起こしてしまったり、寝つきを妨げる可能性があるため、注意するようにしましょう。

参考元:不眠について

 

夕方以降にカフェインをとらない

前述の通り、コーヒーや紅茶、緑茶などに含まれるカフェインは覚醒作用がある栄養です。

そのため、就寝前に摂取してしまうと、眠りにつきにくくなって不眠になる可能性があります。

カフェインは摂取から5~6時間にわたって効果が持続するので、夕食以降にカフェインを摂取すると眠りにつきにくくなるので、できる限り控えるようにしましょう。

 

また、コーヒーや緑茶などのカフェインが含まれる飲み物を1日に5杯以上飲むのは飲みすぎです。

不眠症を改善するためには、カフェインの摂取は朝だけにして、日中はカフェインが含まれていない飲み物を飲むようにしましょう。

 

寝酒をしない

お酒を飲むと寝つきがよくなったと感じる人は多いかもしれません。

実際に不眠を解消するために寝酒をする人は多いです。

しかし、アルコールが分解されてアルコール濃度が低下すると覚醒作用が働いてしまいます。

その結果、夜中に何度も目が覚めてしまうといったことも。

また、アルコールによって尿量が増えることも夜中に目が覚めてしまう要因のひとつです。

そのため、寝酒は眠りにつきやすくなるものの結果的に睡眠の質が低下してしまうことから不眠の原因となってしまいます。

 

さらに、不眠を解消するために寝酒を続けていると、お酒の効果が弱くなり、お酒の量が増えてしまいます。

最終的には、アルコール依存などに陥る危険性もあるので寝酒は控えるようにましょう。

 

まとめ

不眠症は、不眠に効果的な栄養であるトリプトファンやグリシン、GABAなどを豊富に含む食べ物を積極的に摂取することで予防や改善ができる可能性があります。

こうした食材を積極的に摂取する一方で、覚醒作用があるカフェインの摂取を控えることで、不眠の予防にも繋がります。

 

また、不眠症を改善するには

  • 朝食でたんぱく質を摂取する
  • 夕食後は3時間あけて就寝する
  • 寝酒はしないようにする

といったの食生活にも気をつける必要があります。

この記事を参考に、不眠症を予防するための食生活を心がけてみてはいかがでしょうか。