低用量ピルの正しい飲み方を解説!飲み忘れたときの対処法について
低用量ピルは、生理痛や生理前のイライラの改善、生理のタイミングの調整に効果がある一方、正しい飲み方を知らなければ十分な効果を得られない薬でもあります。
飲むタイミングや飲み忘れたときの正しい対処法に不安を感じる人も少なくないでしょう。
そこで、この記事では、低用量ピルの正しい飲み方と飲むべきタイミングについてわかりやすく解説します。
また、万が一の飲み忘れの際の対処法も紹介するため、ピルの服用に関して不安を感じている人はぜひ参考にしてください。
低用量ピルの正しい飲み方
低用量ピルは、黄体ホルモンと卵胞ホルモンを主成分として作られた薬で、排卵の抑制を中心とした避妊や月経トラブルなど改善効果があります。
そんな低用量ピルの服用方法は1日1錠を決まった期間飲み続けて定期的に休薬期間(薬を飲まない期間)を設けるのが一般的です。
ホルモンに作用する薬のため、飲んでいない・飲み忘れている期間が長くなると避妊などの効果が薄れていき、やがて通常の排卵や月経が起こる状態に戻ります。
そのため、正しく服用することが十分な効果を得るために必要不可欠となっています。
低用量ピルを正しく服用するためには、毎日決まった時間に定められた量を飲むことが大切です。
たとえば「朝ごはんの後」や「就寝前」など、自分の生活パターンに合わせた時間を設定するとよいでしょう。
毎日する行動に合わせて服用を習慣化することで、飲み忘れのリスクを抑えられます。
1シートに入っているすべての低用量ピルを飲み終えたら、翌日からの7日間は休薬期間です。
休薬期間中は「消退出血」という生理に似た出血が起きますが、通常の月経とは異なる仕組みのため痛みをはじめとした不快感は少ないでしょう。
ただし、この期間中は避妊効果が一時的に低下することに注意が必要です。
7日間の休薬期間後は、消退出血が終わっていない場合も、新しいシートのピルを服用し始めます。
1シート分を毎日一定の時間に飲み、7日間休薬するのを1サイクルとして継続していくのが、低用量ピルの正しい飲み方です。
低用量ピルを飲むタイミング
低用量ピルの効果を最大限に活かすためには、服用を開始するタイミングが重要です。
主に「Day1スタート」と「Sundayスタート」という2つの方法があり、個人のライフスタイルや好みに合わせて選択できます。
Day1スタート:生理の初日から飲み始める
Day1スタートは、生理が始まった日を1日目として、その日から低用量ピルの服用を開始する方法です。
服用初日から避妊効果があらわれます。
低用量ピルには21錠タイプと28錠タイプがあり、それぞれ服用方法が異なります。
21錠タイプは、1シートに21錠の低用量ピルがパックされています。
毎日1錠ずつ飲み進め、最後の1錠を飲んだ後は7日間の休薬期間が設けられます。
休薬期間が明けたら次のシートから再び服用を開始し、このサイクルを繰り返します。
28錠タイプは、21錠の低用量ピルに加えて7錠の偽薬(プラセボ)がパックされているのが特徴です。
21錠の低用量ピルを飲み終えた後もプラセボを1日1錠、7日間服用することで習慣化できるので数え間違いや飲み忘れを防げます。
ただし、プラセボには低用量ピルのような成分は含まれていないため、消退出血が起こることや避妊効果が一時的に低下することには注意が必要です。
Sundayスタート:生理が始まった最初の日曜日から飲み始める
Sundayスタートは、生理が始まった週の日曜日を1週目の開始日とし、そこからピルの服用をスタートする方法です。
21錠タイプ、28錠タイプともに、Day1スタートと同様の飲み方ができます
消退出血が低用量ピルを飲み始めて4週目の月曜日から金曜日頃に起こるため、週末に予定がある人に向いている飲み方です。
また、曜日ベースで服用を始めるため、開始日を覚えやすいという利点もあります。ただし、避妊効果は服用を始めて1週間後からとなる点には注意しましょう
ピルを飲むタイミングの決め方
低用量ピルは毎日同じ時間に服用することが大切です。
時間が不規則だと飲み忘れや数え間違いが起きてしまうだけでなく、避妊効果の低下や不正出血などのトラブルも起こりかねません。
そのため、自分の生活リズムに合わせて決まった時間を設定し、習慣化することをおすすめします
たとえば、
- 起床時
- 食前や食後
- 就寝前
など、日課の一部と組み合わせると習慣化しやすくなります。
スマートフォンのアラーム機能を利用したり、目につく場所に服薬カレンダーを設置したりするのも効果的です
副作用が気になる場合は、夕食後や就寝時に服用することで就寝中に副作用のピークが過ぎるため、活動時間への影響を抑えられます。
また、初めて低用量ピルを服用する際は、生理開始日からカウントして5日以内に飲み始めることが基本です。
医師と相談し、出血を確認したうえで服用を開始しましょう
ピルを飲み忘れた場合の対処法
低用量ピルは飲み忘れないことが最も大切ですが、飲み忘れた場合に備えて適切な対処法を知っておくと安心です
低用量ピルの飲み忘れた場合の対処法は飲み忘れに気づいたタイミングによって取るべき行動が異なります。
ここからは飲み忘れが24時間以内のケースから、3日以上忘れてしまった場合まで、具体的な対処法を紹介します。
ただし、共通して飲み忘れたのが第1週目の初めか第3週目の終わり近くだった場合、避妊の成功率が下がっている可能性があります。
そうしたタイミングで避妊具を使用せずに性交渉を行った場合は、避妊に失敗するリスクがあります。
1日飲み忘れていたことを次の日の服用時刻前に気づいたとき
服用タイミングから24時間以内に飲み忘れに気づいたら、速やかに飲み忘れた1錠を服用しましょう。
その後は規定の時間に次の1錠を服用し、以降は通常のサイクルで服用を続けます
この対処法をすれば避妊効果にはほとんど影響がないとされています
1日飲み忘れていたことを次の日の服用時刻より前に気づいたとき
この場合は、気づいた時点で飲み忘れた日の1錠を服用します。
その後、当日分の1錠も服用するため、合計2錠を1日に飲むことになります。
その後は規定の時間に1錠ずつ、通常のサイクルで服用を続けましょう
低用量ピルの飲み忘れは、1日までならこのように対処すれば避妊効果への影響は少ないと考えられています
2日飲み忘れていたことに気づいたとき
2日連続で飲み忘れた場合は、気づいた時点で飲み忘れた分の錠剤を一気に服用しましょう。
たとえば火曜日と水曜日の分を飲み忘れ、木曜日の服用時刻前に気づいた場合、気づいた時点で飲み忘れの2錠をまとめて飲みます。
その後は規定の時間に1錠ずつ、通常の服用を続けてください
この場合、一時的に避妊効果が低下するため、飲み忘れに気づいた日から7日間の服用を続けるまでは、男性用コンドームなど別の避妊法を併用するか性交渉を控えましょう。
万が一その期間中に避妊に失敗したら、緊急避妊薬の服用を検討する必要があります。
飲み忘れた時期が第1週目や第3週目の後半だった場合は特に注意が必要です
3日以上飲み忘れていたことに気づいたとき
3日以上連続で飲み忘れてしまうと、避妊効果は消失していると考えて問題ありません。
また、消退出血が始まってしまうケースもあります。
この場合は服用を中止し、次の月経が起きるまで他の避妊方法を選択する必要があります
3日以上飲み忘れたケースでは、消退出血後通常の月経が来るのを待ち、そこからDay1スタートまたはSundayスタートで新しいシートの低用量ピルを通常のスケジュールで飲むことになります。
ピルを服用する際の注意点
低用量ピルの服用により、血栓症のリスクがわずかに高まることが知られています。
また、乳がんと子宮頸がんに関しては、低用量ピルの長期服用でリスクがわずかに上昇する可能性があります。
子宮頸がんは、性器接触によって感染するHPV(ヒトパピローマウイルス)が原因とされています。
低用量ピル自体にHPVに抵抗する力を抑制する作用がある可能性が指摘されていたり、低用量ピルの服用によってコンドームを使用しなくなったりすることで、HPVへの感染リスクが高くなってしまいます。
そのため、低用量ピルで避妊する場合であっても、コンドームの使用やHPVワクチンの接種による対策は非常に重要です。
また、低用量ピルは併用に注意が必要な薬もあるため、ほかの薬を服用されている方は事前に併用しても問題がないかといったことを確認することが必要になります。
逆に低用量ピルを服用中に、かかりつけ医以外の医療機関を受診する際は、ピルの服用中であることを伝えて適切な薬を処方してもらうようにしましょう。
まとめ
低用量ピルは毎日決まった時間に1錠ずつ服用する必要があります。
飲み忘れには十分注意し、万が一飲み忘れてしまった場合は気づいた時点で速やかに対処しましょう。
2日以上連続で飲み忘れた場合は、一時的に別の避妊方法を取ることも必要です
また、低用量ピルの服用中はがんや血栓症のリスクがわずかに高まる可能性があるため、HPV予防ワクチンの接種やコンドームの使用で対策することも重要です。
低用量ピルは、正しい知識をもとに適切な飲み方を守れば、比較的安全に避妊や健康管理の効果を発揮してくれる薬です。
本記事を参考に正しい飲み方のサイクルを理解し、身体の悩みの解消に役立ててください。
低用量ピルは通販で購入することが可能です。正しい服用方法や服用のタイミングをしっかり理解して使用していきましょう。