低用量ピルとアフターピルは併用できる?アフターピルを併用した方がいいケースとは
女性の健康や心を守り、強い味方となってくれる医薬品がピルです。
一言でピルといってもさまざまな種類があり、その中でも知名度が高く、インターネットでも多くの情報を見かけるのが低用量ピルとアフターピルです。
これら2種類のピルはどちらも避妊効果を持っており、高い確率で望まない妊娠を防ぐことができます。
非常によく似た印象がある薬ですが、併用できるのか、併用したら避妊効果は高まるのか、気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
低用量ピルとアフターピルの併用についてご説明します。
目次
低用量ピルとアフターピルの併用は可能?
結論から述べてしまうと、低用量ピルとアフターピルを併用することは可能です。
低用量ピルの避妊効果は非常に高く、99.7%の確率で避妊に成功するといわれているため、基本的にはアフターピルとの併用は不要といえます。
しかし、万が一飲み忘れてしまっていた場合に備え、アフターピルを併用するというのも有効です。
もし気になるようであれば、アフターピルも活用し、もしもの事態を防ぎましょう。
アフターピルとは?
そもそもアフターピルというのは、避妊を行わずに性行為を行ったときや、避妊に失敗してしまったときに緊急的に服用する薬です。
女性ホルモンの1種である黄体ホルモンが主な成分として配合されており、服用することによって排卵抑制や着床の阻害、子宮内膜の剥離などの効果を発揮します。
このような効果によって受精卵の着床を妨害し、妊娠しにくい状態にすることで望まない妊娠を防ぎます。
性行為後でも避妊効果を得られるのが最大の特徴です。
低用量ピルとアフターピルの違い
低用量ピルとアフターピルは、どちらも避妊効果をもつ薬ですが、使用方法や特徴が異なります。
まず、低用量ピルは毎日1錠服用するもので、正しく服用することによって高い避妊効果を発揮します。
これに対し、アフターピルは避妊に失敗してしまったときに服用します。
避妊に失敗した性行為から72時間以内に服用することで、84%の確率で避妊に成功します。
服用を続けることで持続的に避妊効果を発揮する低用量ピルに対し、アフターピルは一時的に服用して避妊効果を得るという違いがあります。
低用量ピルとアフターピルを併用した方が良いケース
すでに低用量ピルを服用している場合、基本的にアフターピルを服用する必要はありません。
しかし、低用量ピルは飲み方を間違ってしまうと避妊効果が低下してしまうので、場合によっては避妊に失敗してしまうこともあります。
そういった失敗を防ぐため、状況によってはアフターピルを併用したほうがいい場合もあります。
低用量ピルを飲み忘れたとき
低用量ピルを服用中1~7日目に3錠以上飲み忘れてしまっていた場合や、前のシートから次のシートに移行する際に3日以上飲み忘れてしまっていた場合は、アフターピルの併用をおすすめします。
というのも、低用量ピルは非常に高い確率で避妊に成功することができますが、飲み忘れがあると避妊効果が低下してしまうという側面があります。
1日程度の飲み忘れであれば問題ありませんが、2日以上飲み忘れてしまっていた場合はアフターピルの併用も検討しましょう。
避妊行為をせずに性行為をした場合
低用量ピルの避妊効果は非常に高いものですが、100%避妊に成功するわけではありません。
すでに軽く触れているように、低用量ピルによる避妊は99.7%の確率で成功します。
つまり、低用量ピルを正しい方法で服用していても約0.3%の確率で避妊に失敗し、妊娠してしまう可能性があります。
人数にすると1000人のうち3人は妊娠する可能性があるため、低用量ピルを服用していても、避妊行為をせずに性行為をした場合はアフターピルを併用しましょう。
ピルの効果を弱めるものを服用してしまった場合
ピルは医薬品の1種のため、飲み合わせが悪い薬が存在します。
こういった医薬品を服用すると、ピルの代謝が早められたり吸収が悪くなったりして、せっかくの避妊効果が弱まってしまうおそれがあります。
また、医薬品に限らず、一部のサプリメントでもピルの効果を弱めてしまうおそれがあるため、注意が必要です。
もし、何らかの理由でピルの効果を弱めてしまうものを服用してしまったときは、アフターピルも併用して避妊効果を高めましょう。
ピルの効果を弱める可能性があるものってなに?
先ほども触れたように、医薬品やサプリメントの中にはピルの効果を弱めるものもあります。
また、医薬品やサプリメントだけでなく、グレープフルーツや夏みかん、金柑などの柑橘類やアルコール、炭酸飲料、カフェイン飲料なども低用量ピルの効果を弱めてしまうおそれがあります。
セントジョーンズワートの使用に注意
数あるサプリメントのうち、ピルとの飲み合わせに注意しなくてはならないのがセントジョーンズワートです。
この成分はPMSのイライラや精神不安定などに効果が期待でき、PMSや更年期障害の対策に効果的なサプリメントに使われています。
しかし、ピルの代謝に関する酵素を誘導する働きがあり、代謝を促進させてしまう可能性があります。
これによってピルの効果を弱めてしまい、避妊効果を低下させてしまうので、ピルを使う際はセントジョーンズワートに注意しましょう。
下剤の使用に注意
基本的に、ピルと下剤は併用しても問題ありません。
しかし、下剤の種類によっては下痢などの症状が引き起こされ、その結果、ピルの成分が十分吸収される前に体外へ排出されてしまう場合があります。
そのため、何らかの理由でピルを服用しているときに下剤を使いたいときは気をつけなくてはなりません。
不安な場合は4時間ほどの間隔を空けてから下剤を服用するようにし、ピルの成分が早々に体外へ排出されてしまわないようにしましょう。
アフターピルを併用したら、低用量ピルはいつから再開すればいい?
何らかの理由でアフターピルを併用した場合、次の月経が始まったタイミングで低用量ピルの服用を再開するのが一般的です。
しかし、日常的に低用量ピルを服用している場合は、翌日から服用を再開しても問題ありません。
服用状態によっては、アフターピルの服用12時間後に低用量ピルの飲み始めを推奨されることもあります。
低用量ピルを服用している状態でアフターピルも併用した際は、専門の医師へ相談し、どれくらいで服用を再開すればいいか確認しておくと、より安心できるでしょう。
アフターピルの使用方法や購入方法
日常的に使用することはできないかわりに、性行為後でも避妊効果を得られるのがアフターピルの特徴です。
低用量ピルとあわせて持っておくことにより、何らかの理由で低用量ピルによる避妊効果が弱まってしまったときでも避妊に成功できるようになります。
アフターピルはどのように使用すればいいか、どのように入手すればいいかご紹介します。
アフターピルはどこで買える?
アフターピルは低用量ピルと同様に、クリニックやレディースクリニックで処方してもらうことができます。
また、通販サイトを利用すれば比較的安い価格でアフターピルを購入することができるため、通販で購入するという方々も増えてきています。
一般のドラッグストアでは販売されていないので、アフターピルが必要なときはクリニックやレディースクリニックといった医療機関か通販サイトを利用しましょう。
アフターピルの使用方法
アフターピルは、避妊に失敗した性行為後から72時間以内、つまり3日以内に服用します。
レボノルゲストレル法やヤッペ法、ウリプリスタール法などの種類がありますが、いずれの場合も72時間以内の服用によって97~98%の確率で避妊に成功します。
服用するタイミングが避妊に失敗した性行為後から早ければ早いほど、高い避妊効果を得られます。
また、ウリプリスタール法の場合、72時間を過ぎてしまっても120時間以内、つまり5日以内であれば85%の確率で避妊に成功することができます。
アフターピルの副作用
報告されている主な副作用は、吐き気や腹痛、頭痛、眠気などの症状です。
この他にも、乳房の張りや倦怠感、胃腸障害、少量の性器出血、肌荒れ、下痢といった症状があらわれる場合もあります。
通常は24時間程度で治まるため、アフターピルによる副作用を過度に恐れる必要はありません。
しかし、吐き気にとどまらず嘔吐してしまった場合、アフターピルの成分が体に吸収される前に吐き出されてしまう場合があるので注意が必要です。
服用後、2時間以内に吐いてしまったときは、早めに追加で服用してください。
まとめ
低用量ピルとアフターピルは、どちらも望まない妊娠を防ぎたいときに効果的な薬です。
日頃から服用を続けることによって避妊できる低用量ピルに対し、アフターピルは避妊に失敗した性行為後に服用するといった違いがあります。
基本的に低用量ピルを服用していればアフターピルを使う必要はありませんが、場合によってはアフターピルを併用することにより、避妊の成功率を高めることができます。
アフターピルはクリニックやレディースクリニック等の医療機関を利用すれば簡単に購入することができますし、通販サイトで購入することもできるので、簡単に手に入れられます。
低用量ピルとアフターピルを上手に活用し、これらの医薬品による避妊を確実なものにしましょう。