更年期障害がおこりやすい年齢は?10代や20代でも更年期に注意
数々の女性を悩ませる「更年期障害」ですが、実際に更年期障害で悩みを持つのは何歳ぐらいなのでしょうか?
更年期障害という名前から更年期なんだろうという予想はできますが、そもそも更年期っていつ?という方もいるでしょうし、更年期を迎えるよりも遥かに若い10代や20代の女性でも更年期障害に悩まれる方もいらっしゃいます。
そこで、こちらのページではそんな更年期障害がおこりやすい年齢について紹介していきたいと思います。
こちらのページを参考に、更年期障害に対する正しい知識を得ることでいち早く更年期障害を察知できるようになるかと思いますので、是非お役立てください。
更年期障害がおこりやすい年齢とは?
では、更年期障害とはいったい何歳ぐらいに起きるものなのでしょうか?
更年期とは、下図のように女性の閉経を中心とした前後5年を合わせた10年間を指します。
図のように50歳で閉経があった場合を例にすると、閉経前の45歳から、閉経から5年後の55歳まで「更年期」と呼ばれる期間になるわけです。
そして、閉経に近づくにつれて、女性ホルモンの分泌量は減少します。
上の図は女性のホルモンの分泌量の変化を表したグラフですが、上記を見るとわかるように閉経前後で急激に女性ホルモンの分泌が減少してしまいます。
その結果、体内のホルモンバランスが大きく崩れてしまい、さまざまな症状があらわれるのが「更年期障害」なのです。
更年期障害に起こる体の不調
更年期で女性ホルモンの分泌が大幅に減少することで、さまざまな症状が体に起きてしまいます。
症状の種類は大きく3つに分類することができます。
- 月経周期の乱れ
- 自律神経の乱れによる精神的不調
- 身体的な不調
ここからは、上記の3つの分類について詳しく紹介していきます。
具体的にどういった症状があらわれるのか?そして、なぜそうした症状があらわれるのかを把握しておくことで、更年期障害の症状があらわれた時にいち早く察知し、治療にあたることが可能になります。
月経周期の乱れ
更年期に入ると月経不順があらわれます。
具体的には
- 月経周期が短くなる
- 月経周期が長くなる
- 出血が長く続く
- 月経量が減る、大きく増える
といったものになります。
また、更年期前の30代後半から40代前半の「プレ更年期」と呼ばれる頃から、徐々に月経周期が乱れたりする場合もあります。
こうした月経周期の乱れは、更年期前のプレ更年期から徐々に卵巣が衰えていくことによっておきます。
卵巣で卵胞が成熟するとともに、子宮内へ精子が入りやすくなったタイミングで排卵が起き、受精が不成立だった場合にはホルモン分泌が停止して血液と共に月経が起きます。
女性ホルモンはこの卵胞の成熟から月経までの過程で分泌されているのですが、卵巣の衰えによってホルモン分泌量そのものが減少することで、生理周期が乱れてしまうのです。
自律神経の乱れによる精神的不調
更年期を迎えると、卵巣機能の低下によってホルモン分泌の量が大きく減少してしまいます。
その結果、脳の視床下部と呼ばれる場所からホルモンの分泌を増やすように指令を出すわけですが、この指令を出している視床下部は自律神経のひとつである交感神経も活発にさせてしまいます。
交感神経が活発に働くことで、自律神経が乱れてしまうことでさまざまな身体的な不調があらわれてしまい、それと共に下記のようなさまざまな精神的不調があらわれます。
- 不安感
- イライラ
- 不眠
- 抑うつ気分
- 物忘れ
- 倦怠感
- 気分の落ち込み
- 集中力の低下
上記のような精神的な不調の原因は、更年期障害の症状以外に仕事や介護、育児といったさまざまな生活環境の大きな変化が影響しているとも考えられています。
身体的な不調
ホルモン分泌が減少してしまうことで、視床下部が活発に働くことで交感神経も活発になってしまいます。
その結果として、自律神経が乱れてしまうことで
- 吐き気
- のぼせ、ほてり(ホットフラッシュ)
- 発汗
- 関節痛
- 動悸、息切れ
- 頭痛
- 目や耳の痛み
- 手足のしびれ
- 食欲不振
といったような、身体的な不調があらわれてしまいます。
誰もが上記で挙げた全ての症状があらわれるというわけではありません。
頭痛だけ倦怠感だけ、といったように非常に症状が少ない方もいれば、ホットフラッシュと発汗、動悸に食欲不振など複数の症状が一度にあらわれる方もいます。
数多くの症状があり、個人個人であらわれる症状の数や、あらわれる症状の強さも全く違っています。
ほとんど気にならないレベルの方もいれば、日常生活に支障をきたすレベルで症状があらわれる方もいらっしゃいます。
更年期障害はいつまで続くのか?
さまざまな精神的、身体的不調があらわれてしまう更年期障害は一度症状があらわれると、その後ずっと続くものなのでしょうか。
閉経でホルモン分泌が減少したわけだから、ホルモンの分泌がまた増えるわけじゃないからずっと続きそうと考えてしまう方は少なくありません。
ですが、ご安心ください。
個人差はあるものの、更年期障害の悩みは更年期前の40代前半から徐々にあらわれ、更年期を終えた後の50代後半から60代前半で落ち着く方がほとんどです。
そのため、一度症状があらわれたら死ぬまでずっとその症状が続くというわけではなく、次第に更年期障害の症状は落ち着いていき症状そのものをほとんど感じなくなった時に終わりとなります。
若くても更年期になるってホント?
更年期障害は閉経前後5年を合わせた更年期に起きるものですが、実は更年期を迎えていないような若い方でも症状があらわれるケースがあります。
こうした若い方にあらわれるのが「若年性更年期障害」です。
こちらの若年性更年期障害は20代後半から30代前半の方にもあらわれます。
若年性更年期障害は、更年期障害と同様にホルモンバランスの乱れによっておこります。
では、なぜ20代後半から30代前半の方にも起きてしまうのでしょうか?それは仕事などでの生活リズムの変化やストレスの蓄積、他にも結婚など生活環境がガラリと変わることによって生活習慣が大きく変化したり、それに伴って大きくストレスがかかってしまうことが原因と考えられています。
強いストレスは、ホルモン分泌へと影響を及ぼし、これによってホルモンバランスの減少、そして若年性更年期障害に繋がってしまうというわけです。
若年性更年期の原因
若年性更年期障害は若い世代の方にもあらわれる更年期障害ですが、その原因として
- 不規則な生活
- ストレス
を紹介しました。
では、ここからはこれらの原因がどういった影響を及ぼすことで、更年期障害の症状に繋がるのかについて深堀りしていきたいと思います。
自分はまだ若いから、気にすることもないと考えている方も少なくありません。
ですが、症状があらわれてから改善しようとすると、治療だけでなく治療期間も必要になるため、症状や原因を適切に把握して対策を立てて予防することが重要です。
不規則な生活
若年性更年期障害の原因のひとつめになっているのが「不規則な生活」です。
社会進出を果たし、生活リズムが大きく変化することは珍しくありません。
- 学生時代と比べて朝から晩まで起きている時間が長くなる
- 食事するタイミングや回数がバラバラになってしまう
上記のような生活習慣の乱れも稀にあるといった程度であれば、そこまで大きな問題はありません。
ですが、日常的に生活リズムが大きく乱れてしまうと若年性更年期障害のリスクは高まります。
不規則な生活は自律神経の乱れに繋がってしまい、自律神経が乱れてしまうと「更年期障害に起こる体の不調」内でもお伝えしたような症状があらわれるようになってしまうのです。
ストレス
若年性更年期障害の原因として不規則な生活のほかにあげられるのが「ストレス」です。
社会進出や結婚で、学生時代にはなかったような責任が生まれこの責任がストレスの原因となってしまうこともありますし、仕事やパートナーの家族との人間関係でストレスを感じる方もいます。
他にも、社会進出と共に一人暮らしを始めたり、結婚でパートナーと暮らすようになることで生活環境が変化し、それがストレスの原因になってしまうのです。
また、大きな仕事や重要な仕事を任されたりすることで、非常に大きなストレスが一気にかかってしまうことがあります。
こうしたちょっとしたストレスが蓄積しすぎてしまったり、大きなストレスが一気にかかることで、女性ホルモンが減少したり不足することで自律神経に影響を及ぼし、若年性更年期障害の症状に繋がるのです。
更年期の始まりのサイン
これまでに紹介したように、更年期障害は基本的には「更年期」にあらわれます。
この更年期は閉経前後の5年を合わせた10年ですが、閉経自体は人によってタイミングはバラバラで、早めに来る方もいれば少し遅めに来る方もいるため、全員が何歳から何歳までというように期間がハッキリしたものではありません。
ですが、更年期の始まりとなるサインとして
- 月経不順
- ほてり・のぼせ
- 不眠
- 不安感・イライラ
- 膣の乾燥
といったものがあるため、それを基準に始まりそうと考えることは可能なので、ここからは上記の更年期の始まりを告げるサインについて詳しく紹介していきます。
月経不順
更年期の始まりのサインとして多くの方にあらわれるのが「月経不順」です。
- 月経量が減る
- 月経量が増える
- 生理周期が短くなる
- 生理周期が長くなる
- 不正出血がある
上記のような症状があらわれて改善せずに徐々に酷くなっていったりするような場合、更年期の始まりと考えられます。
女性ホルモンの分泌量は更年期に近づくにつれて大きくなっていきます。その結果、徐々にホルモンのバランスが崩れてしまうことで、月経不順という症状としてあらわれてきます。
そのため、更年期に年齢的に近づき月経不順が始まって、それが長く続くような場合には更年期の始まりのサインと考えられるわけです。
ほてり・のぼせ
更年期の始まりのサインとして月経不順と共にあらわれやすいのが「ほてり・のぼせ」です。
非常に顔が熱く感じてしまったり、それに伴って滝のように汗をかいてしまう。こうした症状は更年期障害を代表する症状のひとつです。
こうした症状は、女性ホルモンの分泌が減少することが原因となっています。
強いストレスや更年期などで女性ホルモンの分泌が減少してしまうと、脳の視床下部へホルモンを分泌するように指令があるわけですが、卵巣の機能自体が低下してしまっていることでホルモンが分泌されないため、更に分泌を促すように指令が下ります。
視床下部は自律神経にも大きく影響しています。そのため、視床下部が活性化することで、体温調整などをつかさどる自律神経の乱れに繋がりほてりやのぼせといった症状に繋がります。
不眠
更年期の始まりのサインの3つめとして紹介するのは「不眠」です。
- 夜になかなか眠れない
- 眠りにつけても短時間で目が覚める
- 目が覚めてもスッキリせず、眠りが浅い
- 昼間などに強い眠気に襲われる
といった症状があらわれ始めると、更年期が近づいていると考えられます。
こうした不眠の症状があらわれる原因となっているのが自律神経の乱れです。女性ホルモン量の減少によって脳の視床下部が活性化することで、自律神経の乱れに繋がります。
自律神経は体温調整などをつかさどっており、眠りについても体温が下がらずに高い状態のままになってしまいます。
その結果、交感神経が優位になってしまいます。交感神経は活動している時に優位になるため、眠っている時に体温が下がらず交感神経が優位になってしまうと、目が覚めてしまったり眠りが浅くなってしまうのです。
不安感・イライラ
更年期が始まるサインには「不安感・イライラ」といったものもあります。
こうした不安感やイライラといった症状は、更年期の初期からあらわれやすい症状とされています。
これらの症状も、これまでに紹介したほてりやのぼせ、不眠などと同様に視床下部の活性化によって自律神経が乱れることによっておこります。
また、不安やイライラといった精神的症状は自律神経の乱れだけでなく、日々のストレスなどで心身共に疲れたり緊張状態が続いているような場合、さまざまなことに対して過敏になってしまいます。
その結果、より強く不安感やイライラといった精神的症状を感じてしまうことも珍しくありませんし、こうした緊張や心身の疲れが更年期障害のキッカケとなってしまう場合もあります。
膣の乾燥
更年期の始まりのサインとして最後に紹介するのが「膣の乾燥」です。
更年期が近づくにつれて女性ホルモンの分泌が減少することで、膣粘膜は委縮してしまいちょっとしたことでも傷つきやすくなってしまいます。
それに伴って、膣の分泌物も減少してしまうのです。膣の分泌物が減少してしまうということは、その分膣内が乾燥しやすくなるだけでなく、膣の乾燥によって性交痛に繋がったり、膣粘膜の萎縮と相まって膣内がより傷つきやすくなってしまいます。
また、膣の乾燥が陰部のかゆみなどに繋がる場合もあるため、こうした膣症状があらわれると更年期が始まるかもしれないと考えることが可能です。
まとめ
こちらのページでは、ここまで
- 更年期障害がおこりやすい年齢
- 更年期障害で起きる症状
- 更年期のサイン
- 更年期障害がおこる原因
といったものについて紹介してきました。
更年期障害は誰しも起きる可能性があり、次第にその症状は治まって改善していきますが、中には日常生活にも大きな支障を及ぼす方もいらっしゃいます。
若い年代から更年期まで幅広い方に起こる可能性がある更年期障害だからこそ、更年期のサインを適切に把握したり起きる症状について適切に把握したりするようにしましょう。
そうして、いち早く更年期を察知することで、早期に治療をはじめるといったことができるようになります。
更年期の症状や原因はご理解いただけましたか?更年期障害の症状を和らげる医薬品やサプリメントは通販サイトで購入することができるので、手軽に治療を始めることができます!