更年期になると便秘・下痢が起こる原因とは?対処方法についても解説
更年期に入ると、便秘や下痢に悩まされる人は珍しくありません。
これらの症状は日常生活に支障をきたし、ストレスの原因となることもあります。
なぜ更年期にこのような問題が起こるのか、疑問に思う人も多いでしょう。
そこでこの記事では、更年期における便秘・下痢の原因と対処法について詳しく解説します。
自律神経の乱れやストレスとの関連性、さらには生活習慣の影響についても触れるため、更年期の体調管理に悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
適切な対策を知ることで快適な日々を過ごせるようになるでしょう。
更年期に起こる便秘・下痢の症状とは
更年期に入ると、便秘や下痢といった排便トラブルを経験する人が増加し、体調や生活の質に大きな影響を与えることがあります。
では、具体的にどのような症状があらわれるのでしょうか。
便秘の場合、排便の際に強くいきむ必要があったり、硬い便が出にくくなったりします。
お腹が張る感覚や、排便後も残便感が残ることもあるでしょう。
下痢の症状としては、腹痛を伴う液状の便が排出されたり、頻繁にトイレに行く必要が生じたりします。
また、便意を我慢できないほど急な症状があらわれることもあるでしょう。
これらの症状は、単発的に起こることもあれば、長期間続くこともあります。
更年期になると便秘・下痢が起こる原因とは?
更年期に入ると体内でさまざまな変化が起こり、便秘や下痢といった消化器症状があらわれることがあります。
これらの症状は、体の調節機能が変動することによって引き起こされることが多いです。
以下では、その主な原因として考えられる要素について説明します。
参考元:更年期の便秘・下痢の原因と対策
自律神経のバランスの乱れ
更年期における便秘や下痢の一因は、自律神経のバランスが乱れることにあります。
更年期に入ると、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が低下し、自律神経の働きに影響を及ぼします。
自律神経は消化器官の動きを調整しているため、そのバランスが崩れると腸の運動が不規則になり、便秘や下痢が生じやすくなるのです。
また、ホルモンの変動は感情の不安定さも引き起こし、それがさらに自律神経の乱れを助長する可能性があります。
このように、ホルモンバランスの変化が自律神経系に影響し、結果として排便の異常につながるのです。
ストレス
更年期には、身体的な変化だけでなく精神的なストレスも大きくなります。
この時期は、仕事や家庭でさまざまな責任を担うことが多く、精神的なプレッシャーを感じやすいものです。
ストレスは消化器系に直接影響を与え、腸の働きを過剰に活発にしたり、逆に鈍らせたりします。
これが便秘や下痢といった症状の原因となることがあります。
さらに、ストレスは自律神経のバランスを乱す要因のひとつであり、体調を安定させることが難しくなる要因ともいえるでしょう。
生活習慣の乱れ
更年期に差し掛かると、日々の生活習慣も乱れがちです。
睡眠不足や運動不足、栄養バランスの偏りといった要因は消化器系の働きに影響を与えます。
たとえば、運動不足は腸の蠕動運動を低下させ、便秘を引き起こすことがあるでしょう。
睡眠不足もストレスを増幅させて自律神経の乱れを助長します。
また、食生活の乱れは、腸内環境を悪化させる要因となり、便秘や下痢を誘発しやすくなります。
このように、生活習慣の乱れが複合的に作用することで、消化器の不調が起こりやすくなるのです。
更年期の便秘の対処方法
更年期における便秘は多くの女性にとって辛い症状のひとつですが、適切な対処法によって症状を和らげることが可能です。
ここでは、便秘解消に効果的な運動や栄養素の摂取について説明します。
適度に運動する
適度な運動は便秘改善に大きな効果があります。
運動することで腸の動きが活発になり、便の通りがよくなるのです。
特におすすめなのは、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動です。
これらの運動は腸の蠕動運動を促進して便秘の解消に役立ちます。
また、ヨガや腹筋運動など腹部に刺激を与える運動も効果的となっています。
これらの運動は毎日行うのが理想的ですが、忙しい場合は通勤時に一駅分歩くなど、日常生活に組み込みやすい方法から始めるのもよいでしょう。
運動習慣をつけることで、便秘の改善だけでなく、全身の健康維持にもつながります。
腸内環境を整えるための栄養素を摂取する
腸内環境を整えることは、便秘改善の重要なポイントです。
そのためには、適切な栄養素の摂取が欠かせません。
特に注目したいのが食物繊維とプロバイオティクスです。
食物繊維は腸を刺激して蠕動運動を促進する効果があります。
野菜や果物、全粒穀物などに多く含まれているため、これらの食品を積極的に摂取しましょう。
プロバイオティクスは腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を改善する働きがあります。
ヨーグルトや発酵食品に含まれているため、毎日の食事に取り入れるのが効果的です。
これらの栄養素を意識的に摂取することで腸内環境が整って、便秘の改善が期待できます。
水分を摂取する
十分な水分摂取は便秘改善に欠かせません。
水分は腸内の便を柔らかくし、スムーズな排泄を促します。
ただし、すべての飲み物が便秘改善に適しているわけではありません。
カフェインやアルコールを含む飲料は利尿作用があるため、体内の水分を奪いやすく、便秘を悪化させる可能性があります。
これらの飲み物は控えめにして水やお茶を中心に摂取しましょう。
温かい飲み物は腸の動きを活発にする効果があるため、朝一番の白湯をおすすめします。
また、食物繊維を含む野菜ジュースも便秘改善に役立ちます。
水分摂取は一度にたくさん飲むのではなく、こまめに少しずつ飲むのが効果的です。
これにより、腸内環境が整い、自然な排便を促せるでしょう。
腸マッサージを行う
腸マッサージは便秘解消に効果的な方法のひとつです。
このマッサージは腸の動きを活発にして便の通りを良くする効果があります。
以下の方法で腸もみマッサージを行って直接、腸に働きかけましょう。
まず、脚を肩幅程度に開いて右手で骨盤の上部を掴み、左手で肋骨の下を掴んで優しくもみほぐします。
次に、右手をそのままの位置に保ちながら、左手を下にずらしてウエスト部分を掴み、同様にもみほぐしてください。
最後に、右手の位置を変えずに、左手で骨盤の上部を掴んでもみほぐします。
これらの手順を1セットとし、1日5セットを目標に行うと効果的です。
マッサージをする際には、ゆっくりとした呼吸を続けながら行うことでリラクゼーション効果も得られるでしょう。
また、マッサージ中に上半身を前屈させると、より一層腸への刺激が高まり、効果がアップします。
このように腸を優しく刺激することで、腸の働きを改善し、毎日の排便をスムーズにする効果が期待できるでしょう。
便秘薬を飲む
生活習慣の改善だけでは便秘が解消されない場合、便秘薬の使用を検討するのもよいでしょう。
便秘薬には大きく分けて、腸の動きを促進するものや便を軟らかくするもの、腸内の水分量を増やすものなどがあります。
ただし、便秘薬の使用には注意が必要です。
長期間の連続使用は腸の働きを弱めてしまう可能性があるため、常用するといったことは避けましょう。また、自分に合った薬を選ぶことも重要です。
効果や副作用は個人差が大きいため適切な薬を選択する必要があります。
この便秘薬を用いた対処法は対症療法であり、根本的な解決にはならないことを念頭に置き、生活習慣の改善と併せて使用するのが望ましいでしょう。
まとめ
更年期の便秘・下痢はホルモンバランスの変化や自律神経の乱れ、ストレス、生活習慣の乱れなどが原因で起こります。
これらの症状に対しては、適度な運動や腸内環境を整える栄養素の摂取が効果的です。
また、十分な水分補給や腸マッサージも有効な対策となります。
生活習慣の改善だけでは改善が見られない場合は、便秘薬の使用も検討しましょう。
ただし、便秘薬の長期使用は避けて専門家に相談しながら適切に使用することが大切です。
これらの対策を組み合わせることで更年期の排便トラブルを緩和し、快適な日常生活を送れるようになります。