糖尿病予防になる食事方法はある?食事の際に気を付けることは?
現代人の多くを悩ませる生活習慣病のひとつである糖尿病。
そんな糖尿病を予防するのに役立つのが食事です。
食生活を見直すことは糖尿病の治療方法の中でも、もっとも基本的なものである上、糖尿病予防にも役立ちます。
そのため、糖尿病が気になるという場合は、まずは毎日の食生活を見直すことから初めて見ましょう!
こちらのページではそんな糖尿病の予防に役立つ食事方法や食事の際に気を付けるポイントについて紹介していきます。
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糖尿病予防の食事における基本的な考え方
糖尿病を予防するための食事をする上で考えておくべきポイントはいくつかあります。
これらのポイントは食事で糖尿病を予防する上で、もっとも基本となることなのでまずはこれらのポイントを把握するようにしましょう!
必要以上にカロリー摂取をしない
糖尿病を食事で予防する上で、最も大切なことはカロリーを必要以上に摂取しないようにすることです。
糖尿病はインスリンの分泌量が低下したり、作用が弱まることで起きてしまいます。
そのため、インスリンの分泌低下や作用低下に陥らないようにするために、摂取するカロリー量を抑えることが糖尿病の予防に役立ちます。
ただし、極端にカロリー摂取を控えることは体に対しても害となってしまうため、適切な量を摂取しながら、必要以上に摂取しないようにすることが重要です。
参考元:食事療法
調理方法と食べ方を工夫する
糖尿病を予防する時の食事のポイントとして調理の方法や食べ方を工夫するというものがあります。
基本的に、糖尿病に悪い食事や良い食事といったものはありません。
調理の方法や食べ方によって同じ食事であっても、カロリーを抑えて糖尿病の予防ができるということは珍しくないので、調理方法や食べ方を工夫するということは、糖尿病の予防に非常に重要なポイントのひとつといっても過言ではありません。
食事の際に気を付けること
糖尿病を予防しようと考えた場合、食事の際に気を付けるべきことはいくつかあります。
普段の食事の中でも、こうした気を付けるべきポイントを把握して実践することでも糖尿病の予防に役立つため、覚えておいて損はありません。
食べ方を工夫するだけでもカロリーカットにつながる!?
糖尿病を予防するために、食事の時の気を付けるべきこととしては、大きく分けてふたつあります。
どちらも、難しいことではなく非常に簡単に取り入れられることであるため、次の食事から取り入れることも可能です!
ベジファースト
食事の中で気を付けたいポイントのひとつ目がベジファーストです。
食事の時、最初に野菜を食べるようにするという食事法です。
野菜を最初に食べるようにすることで、野菜に含まれる食物繊維によって糖質の吸収を緩やかにする作用を発揮します。
その結果、血糖値の急激な上昇を抑えることができるため、糖尿病の予防に繋がります。
ゆっくり食事をする
糖尿病を予防する時に役立つ食事のポイントとして、ゆっくりと食事をするというのもあります。
ゆっくり食事をするというのは具体的には、咀嚼回数を増やすということになります。
よく噛んで食べることで、インスリンの分泌を促して血糖値を下げる効果に期待できます。
特に、朝よく噛むようにすることで、違いが顕著にあらわれることもわかっています。
また、よく噛むことで満腹中枢を刺激することで、食事量を減らすのに役立ちます。
アルコールの摂取はOK?
糖尿病を予防するための食事について、アルコールの摂取はダメと考える方は少なくありません。
ですが、アルコールの摂取自体は適度な量であればNGではありません。
この適度な量というのは厚生労働省のガイドラインでは純アルコール量で20gとなっています。
純アルコール量が20gの目安としては、ビールだとアルコール度数5度のもので500ml、日本酒だと1合(180ml)、アルコール度数25度の焼酎だとグラス1/2杯(100ml)、アルコール度数7度のチューハイだと350ml缶を1缶といったものになります。
参考元:お酒の適量をご存知ですか?
低GIの食べ物を意識する
糖尿病の予防をしたいと考えた場合の食事方法のひとつに、低GIの食材を利用するというものがあります。
GIとは「Glycemic Index」の頭文字をとった略称で、食後の血糖値の上昇を示す指数となっています。
そのため、低GIの食材とは食後の血糖値の上昇が緩やかな食材を指します。
参考元:低GIとは
炭水化物(主食)
炭水化物は日常生活の送る上で必要なエネルギーの源となる栄養素です。
この炭水化物を多く含むのが白米やパンなどの主食です。
そんな主食の中にも低GIの食材が多数あります。
ここからは、炭水化物を豊富に含む主食の中でも低GIの食材について紹介していきます。
白米より「玄米」「雑穀米」
白米を主食とされている方は非常に多いかと思います。
ですが、この白米よりも玄米や雑穀米の方が低GIの食材となっています。
そのため、普段の白米を玄米に変更したりするだけでも、糖尿病の予防に役立ちます。
また、玄米や雑穀米は低GIというだけでなく、それ以外の栄養成分についても豊富となっています。
ですが、玄米や雑穀米は栄養価に優れたり低GIであったりというメリット以外に、デメリットもあります。
それが、必須ミネラルの吸収を阻害する可能性があるという点。
そして、食物繊維が豊富なため消化不良を引き起こす恐れがあったりするという点があります。
食パンより「全粒粉」
食パンを主食としている場合は、小麦で作られた食パンよりも全粒粉を使った食パンを使うようにすることで、低GI化が可能です。
全粒粉は小麦を丸ごと粉にしたもので、小麦よりも食物繊維や鉄分、ミネラルが豊富に含まれています。
また、カロリーも全粒粉の方が低くなっている上、全粒粉のパンは噛み応えがしっかりしたものが多いため、満腹中枢を刺激しやすいというメリットもあります。
その反面、全粒粉はミネラルの吸収を阻害するフィチン酸が多いというデメリットがあります。
麺は「蕎麦」がおすすめ
糖尿病を予防する食事に役立つ低GIの食材は麺類にもあります。
ラーメンやうどん、そばやスパゲティなどさまざまな種類がありますが、麺類の中でも低GIの食材として代表的なのが蕎麦です。
そのため、うどんと蕎麦で迷った時は蕎麦を食べるようにすることで、血糖値の急上昇を抑えることが可能です。
蕎麦は低GIの麺類のひとつですが、この蕎麦よりも更に低GIの麺類として、全粒粉で作られたスパゲティがあります。
パスタを食べたいという時は普通のパスタではなく、全粒粉で作られたものを用いるようにすることで糖尿病の予防に繋がります。
たんぱく質(主菜)
たんぱく質は、筋肉を作る成分のひとつであり、筋肉以外にも髪や爪、肌や臓器などさまざまな部分の材料となっています。
そのため、人が生きていく上で、必要不可欠なものとなっています。
また、たんぱく質は糖質と同様にエネルギー源のひとつにもなります。
加工肉は控える
たんぱく質を摂取する時に注意しておくべきポイントとなっているのが、加工肉(ハムやソーセージなど)を控えるというものです。
加工肉でもたんぱく質を摂取することは可能ですが、それ以外の塩分や糖類なども添加されているため、たんぱく質以外の部分で過剰摂取となってしまうことがあります。
ですが、生肉から調理することで塩分などを加減したり、脂身を取り除いて脂質を抑えるといったことも可能となります。
そのため、たんぱく質を摂取する場合は加工肉よりも生肉を調理して摂取することが重要です。
魚は全般OK!
たんぱく質を豊富に含む食材は、肉類以外にも魚類があげられます。
魚類は肉類と同様にたんぱく質を豊富に含みますが、肉類と違ってたんぱく質以外の栄養成分も豊富になっています。
特に必須脂肪酸と呼ばれるDHAやEPAを豊富に含んでいます。
これらの必須脂肪酸は血液をサラサラにする成分であるため、同じたんぱく質を摂取するのであれば、肉類よりも魚類を積極的に摂取することが推奨されていたりもします。
豆類・ナッツ類
たんぱく質には肉類や魚類の動物性たんぱくの他に、豆類に豊富に含まれている植物性たんぱくがあります。
大豆食品やナッツ類には植物性たんぱくが豊富に含まれているため、魚類と共に豆腐や大豆製品を一緒に食べるというのは非常に有効な方法となっています。
ただし、ナッツ類は植物性のたんぱく質が豊富に含まれていますが、脂質も豊富に含まれています。
そのため、ナッツ類をメインに食べるというのは控えてちょっとした、間食のお菓子代わりにナッツ類を食べるといったことが推奨されています。
食物繊維(副菜)
糖尿病を予防するために役立つのは低GIの炭水化物を積極的に摂取したり、たんぱく質を積極的に摂取する以外に、食物繊維も積極的に摂取することが大切です。
食物繊維は糖質の吸収を抑えたり、小腸の働きを促して便秘の解消に役立ったりするので、上記の食材と共に積極的に摂取するようにしましょう。
野菜は基本的に何を食べてもOK
食物繊維を積極的に摂取しようと考えた場合、もっとも基本となるのが野菜をたくさん食べるということです。
野菜には食物繊維が豊富に配合されているため、毎日少しずつでも食事の中に取り入れるようにすることが肝心です。
どの野菜を食べても問題がないため、野菜を積極的に摂る上で、注意したりするべきことはそこまで多くありません。
ただし、腎臓が悪い方の場合はカリウムの摂取に制限が設けられていることがあります。
野菜の中にはカリウムを豊富に含むものも多いため、そうした場合には注意するようにしましょう。
野菜ジュースでもOK?
野菜を積極的に摂取することは糖尿病の予防において非常に重要な事とお話ししました。
では、野菜を食べる代わりに野菜ジュースを飲んで摂取するようにすることは良いのでしょうか?
野菜ジュースでも食物繊維や栄養素を補うことは可能です。
ですが、野菜ジュースには糖質や塩分などが含まれていたりするため、野菜ジュースばかりとなってしまうと糖質の過剰摂取などに繋がることがあります。
また、野菜ジュースは製造工程で加熱されるため、熱に弱い栄養が摂取しにくいという点にも注意が必要になります。
野菜以外で食物繊維が多い食べ物は?
食物繊維を積極的に摂取しようと考えた場合、もっとも効率的な方法は野菜を摂取することですが、野菜以外の食材で食物繊維を補うことはできるのでしょうか?
食物繊維を豊富に含む野菜以外の食材としては、こんにゃくや海藻、きのこ類などがあげられます。
そのため、これらの食材をメインに摂取することで食物繊維を補うことは可能です。
ただし、これらの食材には野菜に含まれているビタミンなどは含まれていない点には注意が必要になります。
補えない栄養素はサプリメントで補完することもできる
ここまで、糖尿病の予防に役立つ食材について詳しく紹介してきました。
いずれの食材も食事の中に取り入れることは、そこまで難しいものではありません。
ですが、毎日取り入れるとなると難しい場合もあるかと思います。
そうした時に役立つのがサプリメントです。
ここからは、栄養を補うために役立つサプリメントをいくつか紹介します。
デイリービタミン
デイリービタミンはQNTが製造・販売しているマルチビタミンサプリメントです。
有効成分には複数のビタミンを豊富に配合しています。
そのため、こちらのデイリービタミンひとつで幅広いビタミンを手軽に補うことが可能となっています。
また、こちらはビタミン以外に不足しがちな亜鉛や鉄分も配合しており、それらも補うことが可能となっています。
価格は1本60錠入りが5,060円(1錠あたり84円)となっており、費用的な負担も小さいという特徴があります。
南極クリルビタミン
南極クリルビタミンはジャパンエスピーが製造・販売する栄養補給サプリメントです。
有効成分として配合されているのは、オキアミから抽出したクリルオイルと各種ビタミンです。
クリルオイルはDHAやEPAと呼ばれる必須脂肪酸を豊富に含んでおり、脳機能の向上や血液をサラサラにするのをサポートしてくれます。
また、クリルオイル以外にも必要不可欠なビタミンを豊富に配合しているため、これひとつでさまざまな栄養を補給できるという特徴があります。
気になる価格は1箱120錠入りが4,560円(1錠あたり38円)となっています。
まとめ
こちらのページでは糖尿病を予防するための食事方法や食事の時に気を付けるべきポイントを紹介してきました。
紹介してきたポイントはこちら
- 糖尿病予防は必要以上にカロリーを摂らない
- 調理方法や食べ方の工夫でカロリー摂取を抑えられる
- 料理の食材選びを工夫することで糖尿病予防につながる
- 食事で摂り切れない栄養はサプリメントで補う
糖尿病を予防する上で、最も重要なことは必要以上にカロリーを摂取しないということです。
特にインスリンの力が弱まったり、分泌が少なくなっている糖尿病の場合は摂取カロリー量には注意が必要です。
このカロリー摂取を控える方法としては、単純に食事量を減らす以外に食べ方や食材を工夫することで容易になります。
特に糖質の素となる炭水化物では低GIと呼ばれる血糖値の上昇が緩やかなものを中心にすることが糖尿病予防には重要です。
また、炭水化物以外の栄養素についても、たんぱく質や食物繊維などを積極的に摂取することが必要不可欠です。
こうした食事の工夫をした上で、摂取しきれない栄養がある場合はサプリメントを取り入れて補うようにしましょう。
糖尿病の予防は毎日の食生活を改善することでも可能です。
こちらのページを参考に是非実践してみてはいかがでしょうか。

監修者は記事の内容について監修しています。
記事内でご紹介している商品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修者情報
医師
福井 美典
所属・資格等
糖尿病内科・抗加齢医学会専門医
経歴
糖尿病専門医外来にて、からだにやさしい血糖値コントロールを基本に、低糖質・高たんぱくの食事の大切さについて、自ら栄養指導をしている。美容皮膚科診療においては、美容施術のみならず、栄養療法を基本としたインナーケアにも尽力。