高血圧の運動療法とは?絶対に注意しておきたいことと効果的な運動方法を解説
命に危険を及ぼす病気のキッカケにもなってしまう高血圧。
そんな高血圧を改善するための方法はさまざまですが、その改善法の中でも基本となっているもののひとつが運動療法です。
こちらのページではそんな高血圧を改善するための治療法である運動療法や運動療法を行う上で注意しておきたいポイントや効果的な運動方法を紹介していきます。
最近、血圧が高めという方から、既に高血圧と診断されたという方まで是非、一度ご覧いただきご活用ください。
高血圧の運動療法ってどうすればいいの?
高血圧改善に必要不可欠である運動療法ですが、実際問題としてどのようなことをすればいいのでしょうか?
高血圧に対して運動は必要不可欠なものではありますが、高血圧の方が運動する場合にはいくつか注意しなければならないポイントがあります。
そのため、まずは高血圧を改善するための運動における注意点を紹介したいと思います。
高血圧の方が運動する場合の注意点
高血圧の方が運動をする場合、気を付けるべきポイントは大きく分けて5つあります。
この5つのポイントを適切に把握した上で、運動療法を進めるようにしましょう。
運動前後の水分補給を必ず行う
高血圧の方が運動を行う場合は、運動の前後で十分な水分補給を行うことが重要です。
運動によって発汗することで脱水状態になってしまい、脱水症や熱中症などを引き起こす可能性があります。
そのため、運動の前後や運動中など、こまめに水分を補給することで脱水状態に陥らないようにすることが重要です。
水分補給を行う場合は、塩分や糖分の摂りすぎにならないように水や麦茶などが適しています。
準備運動はしっかり行う
運動を行う前に、しっかりと準備運動をすることも大きなポイントとなっています。
準備運動を行うことなく、急に激しい運動を行った場合、血圧が急激に上昇してしまうことがあります。
高血圧の状態から更に急激に血圧が上昇するというのは危険であるため、事前に準備運動を行ってそうしたことが起きないようにすることが大切です。
準備運動を行うことで徐々に血流を促し、筋肉や関節の柔軟性を高めて負担を減らす効果に期待できます。
運動方法は「有酸素運動」か「ストレッチ」
高血圧を改善するための運動療法で行う運動は運動であればどういったものでも良いというわけではありません。
基本的には有酸素運動やストレッチなど、呼吸をしながら行える運動が推奨されています。
これは、有酸素運動などの運動は血圧を下げる作用があるためです。
逆に、全力で走る走り込みや筋力トレーニングなど息を止めて行う無酸素運動は血圧を高めてしまいます。
そのため、ウォーキングやジョギング、水中歩行などの有酸素運動やストレッチをメインに運動をするようにしましょう。
運動する目安の時間は毎日30分程度
高血圧を改善するために運動する場合の運動時間の目安は30分以上となっています。
まとめて30分以上の時間を作るのが難しいというような場合は、1回10分以上を4回以上行うといったことも推奨されています。
運動時間が短すぎる場合は血圧を下げる効果を十分に得ることができません。
そのため、1日30分以上、有酸素運動を行うということを心がけるようにしましょう。
運動して良いかどうかは主治医に確認を!
高血圧を改善するために運動を行うことは非常に有効な手段です。
ただし、高血圧の方の中には運動を控える必要があるという方もいらっしゃいます。
具体的には運動前の血圧が180/110mmHg以上という場合です。
こうした場合は運動を控える必要があり、運動前 の血圧が160/100mmHg以上の方の場合は軽い運動にとどめる必要があります。
そのため、運動をしても良いか判断が難しい場合は、事前に主治医に確認するようにしましょう。
効果的な有酸素運動
ここからは高血圧の運動療法を行う場合に用いられる運動として効果的なものをいくつか紹介してきます。
運動療法でどういった運動をするのか迷っているという場合は、是非それぞれの特徴を把握した上で、自身に合った方法を選んでみてはいかがでしょうか。
ウォーキング・軽いジョギング
運動の中でも、多くの方が取り入れやすいのがウォーキングや軽いジョギングです。
ウォーキングは軽く汗ばむ程度の早歩きぐらいの運動強度で30分以上行うのが推奨されています。
このウォーキングに慣れてきた場合は、少しスピードをあげて軽めのジョギングを行うというのも効果的です。
こちらも同様に軽く汗ばむ程度の運動強度で30分以上行うのが推奨されています。
これらの運動自体は単純に歩いたり、ジョギングするだけなので、何かしらの道具が必要になったりすることも難しいこともありません。
そのため、ウォーキングや軽いジョギングといった運動療法は日常生活の中に取り入れやすいのがポイントとなっています。
参考元:「血圧にいい」運動のコツ
水泳・水中歩行
高血圧対策のための運動療法として水泳や水中歩行も有効な方法となっています。
水泳や水中歩行は水中で行う運動であるため、常に体に水圧がかかった状態になります。この体にかかる水圧によって血流が良くなることで、血圧の低下効果に期待できます。
更に、水中では浮力が働くため腰や関節といった部分への負担を軽減できるので体を痛めるリスクを抑えられたり、転倒したりしても体へのダメージを抑えることができます。
また、水中では水が抵抗となることから、少しの運動でも高い運動効果を発揮するというのもポイントです。
ただし、こちらの水泳や水中歩行でもウォーキングや軽いジョギングと同様に、軽く息が上がる程度の運動強度で行うことが重要です。
全力で泳いだりしてしまうと血圧を高めてしまうことになるため、注意しましょう。
参考元:「高血圧症改善のための運動療法」
サイクリング
サイクリングも高血圧の運動療法として非常に有効な手段となっています。
こちらも、これまで紹介してきた運動と同様に軽く汗ばむ程度の運動強度で30分以上の運動が推奨されています。
通勤や通学の際にウォーキングや軽いジョギングを取り入れることが距離的に難しいという場合でも、サイクリングであれば取り入れられるという場合もあります。
また、別途機器を取りそろえる必要がありますが、エアロバイクなどがあれば雨の日などでも無理なく自宅で運動療法を実践できるという特徴もあります。
また、自宅でエアロバイクを使うような場合、テレビを見ながらといったながらで有酸素運動を取り入れることもできるため、継続しやすいという特徴もあります。
生活習慣をほんの少しだけ運動に切り替える
高血圧の運動療法を取り入れる場合のポイントはいくつかありますが、その中のひとつとなっているのが日常の生活習慣を運動に切り替えるというものです。
そうすることによって運動療法を生活習慣のひとつとして取り入れることに繋がり、運動を継続しやすくなるというメリットがあります。
通勤や帰宅のタイミングでウォーキングをする
運動と生活習慣を切り替える上で、もっとも基本となるのがこちら。
通勤時や帰宅時にウォーキングやジョギングを取り入れるというものです。
いつもは最寄りの駅まで電車で帰っているけど、1駅前で下車してそこから1駅分歩く。
といったような形で運動を取り入れるという方法です。
バス(自動車)通勤なら自転車に変えてみる
通勤や帰宅のタイミングでウォーキングなどを取り入れるという方法を紹介しました。
ですが、1駅分の距離が長すぎるという場合は、運動を取り入れることが難しかったりします。
そうした場合は、自転車を活用してサイクリングを取り入れることで運動習慣を作ることができる場合があります。
エスカレーターより階段を使う
マンションやアパートなどに住んでいるような場合は、普段からエレベーターを使うのを避けて階段を使うようにすることだけでも運動を取り入れることが可能です。
もちろん、これは自宅だけでなく会社などでも同様です。
階段の上り下りという短い時間であっても、運動を積極的に取り入れることが大切です。
ただし、高い階層へ上る必要がある場合、息が上がってしまう場合もあるため、そうした場合はユックリ上るといったことが必要になる点には注意しましょう。
雨の日は自宅でできる階段昇降やストレッチ
通勤や帰宅の際にウォーキングや自転車を取り入れる方法は非常に有効です。
しかし、雨の日にはウォーキングや自転車での通勤なども難しくなってしまいます。
そのため、雨の日は自宅などでもできる階段の上り下りやストレッチといった屋内などでもできる運動を用意しておくようにしましょう。
そうすることで、雨の日にも無理のない運動を実施することができ運動習慣を途切れさせることなく継続することが可能となります。
必ずしも「運動」である必要はない!日常生活の身体活動を活発に!
高血圧を改善するための運動療法は、必ずしも運動であるという必要はありません。
どうしても運動をしなければならないと考えたり、運動を続けないといけないと考えてしまうと、かえってそれが難しくなってしまいます。
そのため、運動を意識的に取り入れることも重要ですが、その考えにとらわれすぎないようにするのも重要です。
毎日の生活の中で行う掃除や洗濯、買い物や家事などだけでも、それなりの運動量になるため、日常生活における活動を活発に行うようにするだけでも効果に期待できます。
まとめ
こちらのページでは高血圧を改善するための運動療法について紹介してきました。
運動療法はただやみくもに運動をすればよいというものではなく、軽く汗ばむ程度の運動強度の有酸素運動が有効です。
具体的にはウォーキングや軽いジョギング、水泳や水中歩行、サイクリングなどです。
これらの運動は毎日の生活の中にも取り入れやすい運動なので、高血圧気味という方や高血圧と診断され対策をしなければならないという場合には、問入れるようにしてみましょう。
日頃から運動習慣がなかった方の場合、運動を毎日取り入れるのが難しいケースもあるかと思いますが、通勤や帰宅時に運動を取り入れたり日常生活の中で行う活動を積極的に行うことでも運動となるため、まずは無理のない範囲で取り入れるようにしてみてはいかがでしょうか。
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