ムクミレス錠の効果は?トラセミドとフロセミドどっちが優れているの?

ムクミレス錠の効果は?トラセミドとフロセミドどっちが優れているの?むくみの解消に使えると人気の利尿剤「ムクミレス錠」。
ムクミレス錠には非常に利尿作用が強いことで有名な「トラセミド」という有効成分が配合されているのですが、その効果について正しく理解している方は少ないのではないでしょうか。

この記事では、ムクミレス錠のトラセミドがどのように利尿効果を発揮するのか、そして同じような作用を持つ利尿剤とどのように違うのかについて解説します。

ムクミレス錠の仕組み

ムクミレス錠は「ループ利尿剤」に分類されるトラセミドを有効成分とする医薬品で、その高い利尿効果からむくみの解消に効果的だとされています。
まずは、そんなムクミレス錠がどのように効果を発揮するのか解説します!

ムクミレスの有効成分であるトラセミドは、水分やナトリウムの再吸収(※)にかかわるヘンレループ上行脚に対して作用して、再吸収を阻害します。
これによって、本来なら再吸収されるはずだった水分やナトリウムが積極的に排出されるようになります。
(※体内の水分として再利用するために腎臓で一旦ろ過された「原尿」から再び吸収される)

通常時とループ利尿剤を利用した場合その結果、体内に余分な水分が体にとどまらなくなり、むくみを解消することができるのです。

以前まで主流だった「フロセミド」とどう違う?

ムクミレス錠に含まれるトラセミドは比較的新しい成分で、以前はフロセミドという有効成分を配合した利尿剤が主流でした。
以前まで主流だったフロセミドと、今主流のトラセミドではいったい何が違うのでしょうか。

薬剤名
(代表的な利尿剤)
通常の1回量作用持続時間
トラセミド
(ルプラック、ムクミレス錠など)
5~10mg6~8時間
フロセミド
(ラシックス、フロセミド錠など)
40~80mg2~4時間

上記の表の通り、トラセミドとフロセミドでは服用量効果が持続する時間に大きな違いがあります。
トラセミドは、従来のフロセミドよりも少ない量の服用で効果を得ることができ、また効果が持続する時間も2~3倍長いという特徴があるといえます。

ムクミレス錠(トラセミド)は低カリウム血症になりにくい

トラセミドの方がフロセミドよりも機能的に良い面があることは分かりましたが、それ以外にも優れている点があります。
それはカリウムの排出量がフロセミドよりも少ないという点です!

ループ利尿剤を服用すると、水分やナトリウムの再吸収を阻害して尿中に排出しますが、実はこの時、本来なら体内に戻るはず(再吸収されるはず)だったカリウムも同時に積極的に排出されてしまいます。
その結果、体内のカリウムの数値が異常に減ってしまって「低カリウム血症」が起こってしまいます。

この低カリウム血症を起こしにくいのがトラセミドです。
トラセミドもフロセミドも同じループ利尿剤ではありますが、トラセミドはカリウムの排出を抑える力がある「カリウム保持性ループ利尿剤」に分類されています。

ムクミレス錠を実際に使った人の声

さて、ムクミレス錠の特徴やフロセミドとの違いについて分かってきたところで、実際にムクミレス錠を使った人がどのように感じたのか、ココロ薬局に寄せられた口コミなどをもとに確認していきましょう!

40代・女性

朝に飲んだら、昼前にはトイレの回数が増えて、夕方には足の重さが明らかに違いました。ただ、ちょっと効き過ぎたせいか、口がとても渇くようになったり、軽いめまいがしたりしたので、次の日からは量を減らして服用しました。最初は10mgを飲んでいましたが、半分の5mgにしました。すると、体の調子もよくなったので、私は5mgで十分だったみたいです。

40代・女性/むくみ改善に使用

50代・男性

最初は夜に飲んでしまって、何度もトイレに起きて寝不足に…。次からは午前中に飲むようにしたら快適に使えるようになりました

50代・男性/高血圧に伴う浮腫で処方

ほとんどの方がムクミレス錠を使って改善することができたようですが、その一方で服用する量や服用するタイミングを調整しているという声も多くみられます。
効果が強すぎる分、しっかりと調整して服用する必要があるということが見て取れますね!

ここで紹介したムクミレス錠の口コミはほんの一部ですが、『しっかり効くけど、自分に合った使い方が大事』という意見が多く寄せられています。

ムクミレス錠はフロセミドよりも優れた点が多い利尿剤

むくみを解消する利尿剤として人気のムクミレス錠の効果について解説してきました。
この記事でお話したムクミレス錠の効果について、最後におさらいしておきましょう!

  • 少ない量でも、長く・しっかり利尿効果が続く
  • カリウムの排出が少ない「カリウム保持性ループ利尿剤」
  • 効果が強い分、服用量や服用するタイミングに注意も必要

ムクミレス錠は、以前まで主流だった同じループ利尿剤のフロセミドに比べて効果が長く続くことや、低カリウム血症になりにくい「カリウム保持性ループ利尿剤」であることなど、優れている点が非常に多い薬です。

フロセミドを現在使用中ならば、ぜひこの機会にトラセミド含有のムクミレス錠に変えてみても良いかもしれませんね。
もちろん、かかりつけの医師には必ずご相談してくださいね!