喘息の原因はなに?喘息になりやすい感染症にも要注意!

喘息の原因はなに?喘息になりやすい感染症にも要注意!近年増加傾向にある疾患のひとつが喘息です。

特に、ここ30年で患者数が3倍に増えているともいわれており、現在では国民病のひとつといっても過言ではないものになっています。

そんな喘息について、こちらのページではなぜ喘息が起きるのか?といった基本的なことから喘息の症状や原因、予防するための方法などさまざまな情報を紹介していきます。

 

喘息はなぜ起こる?

年々増加傾向にある喘息は、そもそもなぜ起きてしまうのでしょうか?

この喘息は、ハウスダストや喫煙の煙などの物質によって気管に炎症が起きてしまった状態が長く続いている状態を指します。

そうして気管が炎症しているところに、何かしらの刺激が加わることで気管が収縮して空気の通り道が狭くなってしまい喘鳴や激しい咳、呼吸困難といった喘息発作の症状を引き起こします。

参考元:喘息(ぜんそく)の原因

 

喘息になるとどんな症状が起きる?

咳き込む女性
喘息になるとさまざまな症状が起きますが、中でも代表的なものが呼吸時にヒューヒュー、ゼーゼーと喉がなってしまう喘鳴が起きたり、呼吸そのものが苦しくなる呼吸困難が起きたりします。

その上で立て続けに激しい咳や痰がでたりします。

また、上記以外にも胸痛や動悸、息切れをはじめとして、急に動けなくなってしまったり背中が張ったりといった症状が出る場合もあります。

 

子どもの喘息と大人の喘息では原因が異なる?

喘息には大きく分けて子供がかかる小児喘息と成人が発症する気管支喘息というふたつの種類に分類することができます。

小児喘息の場合はカビやダニ、ペットやウイルスなどがアレルギーの原因となって気管に炎症を引き起こして発症するというケースがほとんどです。

しかし、気管支喘息の場合は上記のようなアレルゲンで発症する場合もありますが、アレルゲン以外の原因で発症したりすることもあります。

 

アレルゲン

喘息の原因となるアレルゲンには前述したダニやカビ、ペットやウイルスなどの他にさまざまなものがあげられます。

喘息の原因となるアレルゲンの一例はこちら

  • ハウスダスト
  • 花粉
  • 食べ物
  • ペットの毛
  • ダニ
  • カビ

ただし、上記に挙げたような物質が全てアレルゲンとなるわけではなく、アレルゲンとなる可能性が高い物質であるという点には注意が必要です。

人によってそれぞれアレルゲンとなる物質が異なっているため、自身にとってアレルゲンとなる物質を把握しておくということも重要です。

参考元:喘息とアレルギーの密接な関係とは?

 

アレルゲン以外の原因

小児喘息は前述のアレルゲンが原因となって起きるケースがほとんどです。

しかし、成人になってから発症する気管支喘息の場合、前述のアレルゲン以外にもさまざまな要因が重なり合って喘息を発症することがあります。このように喘息の原因はこうしたアレルゲン以外のものを含めると無数にあります。

  • 喫煙習慣
  • 過労
  • ストレス
  • 天候
  • 運動

上記のようなものが、アレルゲン以外の喘息の原因となったりすることがあります。

そのため、これまで全く喘息などとは無縁だったという方でも、上記のような原因や風邪などの疾患が重なり合って、ある日突然、喘息を発症するといった場合もあるため、注意が必要です。

 

喘息になりやすい感染症・疾患

喘息を引き起こす原因としてアレルゲンや疾患などがあると紹介しました。

そうした疾患の中でも喘息になりやすいものは下記のとおり

  • 百日咳
  • 結核
  • マイコプラズマ
  • 急性気管支炎
  • 風邪
  • インフルエンザ

ここからは上記に挙げた、喘息になりやすい感染症や疾患の中からいくつかピックアップして詳しく紹介していきたいと思います。

上記のような疾患になったからといって必ず喘息を引き起こすというわけではありませんし、適切な治療を行うことで完治させることは可能です。

ですが、適切に疾患を治療したとしても、いつの間にか喘息となっている場合もあるため、注意が必要です。

 

百日咳

百日咳とは発症初期は通常の風邪のような症状であるものの次第に咳の回数が増え、咳の程度も強くなっていきます。

症状が進行すると発作性痙攣性の咳がでるようになるだけでなく、息を吸う時にはヒューという音が出るようになります。

こうした咳や呼吸は合わせてレプリーゼと呼ばれ、百日咳の代表的な症状になります。

参考元:百日咳とは

 

結核

結核は結核菌が原因となって発症する感染症です。

症状としては咳や痰、体重減少や胸痛といった風邪とよく似た症状があらわれます。

ですが、こちらの結核は咳や痰といった症状が出ない場合もあります。

そのため、風邪だと思っていたり、ただの疲れがたまった状態だと思っていたら実は結核だったというケースもゼロではありません。

結核の患者数自体は年々減少の一途をたどっていますが、完全にゼロとなっているわけではないため注意が必要です。

参考元:結核とは

 

マイコプラズマ

マイコプラズマは発症した初期は発熱や全身の倦怠感といった風邪とよく似た症状があらわれる疾患です。

その後、咳が出始めて発熱が引いた後も3~4週間に渡って続きます。

多くの場合は軽度な症状が続いたのち改善しますが、一部の人は肺炎を引き起こして重症化したりします。

参考元:マイコプラズマ肺炎とは

 

急性気管支炎

急性気管支炎はウイルスや細菌が感染することで気管支に炎症を引きこした状態を指します。

急性気管支炎を引きおこす感染症では、主に鼻水やのどの痛み、倦怠感といった風邪と良く似た症状があらわれます。

その後、数日してから乾いた咳があらわれるようになります。

気管支が炎症を引き起こしているため、一時的に気道が狭まり喘息発作と似た症状を引き起こすこともあります。

参考元:急性気管支炎

 

過換気症候群

過換気症候群とは、過呼吸状態になることで起きるさまざまな症状を指します。

人は呼吸によって体内の酸素と二酸化炭素や血液中の酸やアルカリのバランスを保っています。

しかし、過換気症候群を発症し、過呼吸状態に陥ると体内の二酸化炭素濃度が下がり、体内がアルカリに傾いてしまいます。

その結果、血管収縮や血液中のカルシウム濃度が低下するなどさまざまな症状があらわれます。

こちらの過換気症候群も高率で気管支喘息を合併すると報告されています。

参考元:過換気症候群

参考元:過換気症候群にて救急外来頻回受診中に,気管支喘息の合併を診断しえた2症例

 

喘息発作を予防する方法

部屋を掃除する女性
発生すると非常に辛い思いをする喘息発作だからこそ、発作が起きないように予防するということは非常に重要です。

ここからは、そんな喘息発作を予防するための方法についていくつか紹介していきたいと思います。

喘息で悩んでいて発作が起きないかいつも不安という方は是非一度参考にしてみてください。

 

生活習慣を整える

喘息発作の起因となる感染症などを避けるため、日ごろから生活習慣を見直して正すということは非常に重要です。

栄養バランスの取れた食事や睡眠習慣、運動習慣などさまざまな点で無理のない範囲で改善できる場合は改善してみましょう。

ちょっとした改善をするだけでも感染症予防に役立ちます。
 
また、普段の日常生活の中で忘れがちな、こまめな手洗いやうがいなどを積極的に取り入れるといったことでも、感染症の予防となって、喘息発作の予防にも役立ちます。

こうした生活習慣の改善は一気にすることは難しくとも少しずつ取り入れ、生活習慣を整えることで喘息発作以外にもさまざまな事に対する予防になるため、とても重要です。

 

生活空間を整える

喘息発作を予防するためには、生活習慣と共に生活していく環境を整えるということも非常に重要です。

  • 防ダニの寝具を使う
  • 寝具を日光干しする
  • 寝具に掃除機をかける
  • 家具などに埃が溜まらないようにこまめに掃除する
  • カーテンをブラインドにする

上記は生活空間を整えるための一例です。

喘息発作を引き起こしてしまう原因となりえるアレルゲンなどを抑えるために、こまめに掃除したりすることが基本となります。

こうしたことを日頃から心がけることで、喘息発作の原因を日常生活の中から取り除くことができ、発作の予防となります。

基本的にはこまめに掃除することで解決できますが、エアコンのフィルター清掃など目に付かない部分にもホコリなどのアレルゲンは潜んでいるため、そうした部分にも目を向けて対策することが重要になっています。

 

まとめ

こちらのページでは、近年増加傾向にある喘息についてのさまざまな情報を紹介してきました。

紹介してきた情報のまとめはこちら!

  • 喘息は気管支の炎症が原因となって起きる
  • 炎症の原因はアレルゲンや生活習慣など
  • 感染症でも喘息になることがある
  • 喘息発作を予防するには生活習慣や生活環境を整えることが大切

喘息と一口にいっても、その原因は人によってバラバラです。

ですが、適切に対策をしていくことで多くの場合は発作を予防したりすることが可能となっています。

そのため、喘息に対する正しい知識を持ち合わせておくことで、喘息そのものを予防したり、万が一喘息になってしまった場合でも発作を予防することが可能です。

 

喘息はよく目や耳にする病気であるため、軽く考えてしまうことが多い病気ですが、喘息が原因で死に至ってしまうケースというのは珍しくありません。

そのため、適切な予防や対策法を把握しておくことはとても重要となるので、是非こちらのページの情報をお役立てください。

 

女医