イベルメクトール、飲んで大丈夫?副作用と“危ない飲み方”をわかりやすく解説

イベルメクトール、飲んで大丈夫?副作用と“危ない飲み方”をわかりやすく解説イベルメクトール(イベルメクチン)は疥癬をはじめとする寄生虫感染症の治療薬であり、人間だけでなく家畜にも使えるなど、有用性の高い薬です。
しかし同時に気をつけるべき副作用もあります。
そこで、こちらのページでは、イベルメクトールの副作用を中心に解説します。
適切な知識を身につけて安心安全にイベルメクトールを使うために、押さえておきましょう!

実は多い?イベルメクトールでよくある副作用をまとめてみました

イベルメクトールは比較的安全性の高い薬とされていますが、副作用が報告されているのも事実……。
まずは、実際に報告されている副作用を整理してみましょう。

【イベルメクトールの副作用一覧】

軽度な副作用重大な副作用
発疹、かゆみ、蕁麻疹、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、めまい、眠気意識障害(昏睡、意識レベルの低下)、血小板減少、黄疸、肝機能障害、アナフィラキシー反応、マゾッティ反応、中毒

イベルメクトールを服用した場合、比較的よく見られる副作用として皮膚の症状が挙げられます。
具体的には発疹かゆみなどで、これらは服用後数時間から数日以内に現れることが多いとされています。
また、悪心嘔吐下痢腹痛など消化器症状の報告などもあります。

イベルメクトールの「重大な副作用」について

頻度は決して高くありませんが、イベルメクトールによる重大な副作用が起きた場合、命に関わるケースもあります。

イベルメクトールで「意識が…」中枢神経への影響に注意

イベルメクトールの重大な副作用として、中枢神経系への影響が挙げられます。
意識障害は、昏睡意識混濁などに陥る可能性があります。

イベルメクトールで肝臓が危ない?黄疸や数値異常に注意!

肝臓障害も、イベルメクトールの重大な副作用のひとつです。

特に黄疸が見られる場合には注意が必要で、これは血液中のビリルビン値が上昇し、肝臓の機能が低下しているサインとされます。
定期的に血液検査を行い、肝機能値(ASTALT)の変動をチェックすることが重要です。

突然の呼吸困難も!イベルメクトールのアレルギー反応を見逃すな

イベルメクトールによるアレルギー反応としては、アナフィラキシーが最も危険です。
アナフィラキシーは急激に呼吸困難や血圧低下が起こり、意識を失うケースもあります。

軽度なアレルギー症状(発疹やかゆみなど)から始まることも多いため、早期に気付くことが重要です。

治療中なのに症状悪化?マゾッティ反応を疑え

寄生虫の大量死滅によって引き起こされるのが、マゾッティ反応です。
特にフィラリア症やオンコセルカ症の治療において知られており、寄生虫の死骸に対するアレルギー反応によって発熱頭痛筋肉痛皮膚の腫れや痛みといった症状があらわれます。

これに当てはまったらNG!イベルメクトールを使えない人の条件とは

女医イベルメクトールは、誰でも使える薬ではありません。
配合成分のイベルメクチンにアレルギーがある場合、アナフィラキシーなどの重篤な副作用を引き起こしてしまうため、使うことができません。

また、必ずしも使えないわけではありませんが、妊婦さんや妊娠の可能性がある方は要注意です。
動物実験で催奇性(胎児に奇形が生じる可能性)があるとされているため、服用できるか否か、まずは医師に相談してみましょう。

ちなみに、何らかの薬を飲んでいる場合、「イベルメクトールとの併用は危険ではないか」と思われるかもしれませんが、基本的に問題ありません。
イベルメクトールには併用禁忌薬がないので、どんな薬とも併用できます。

その飲み方、大丈夫?イベルメクトール服用ミスが招く中毒リスク!

ここでいう服用ミスとは、「過剰な服用」を指します。
実際、次のような大量服用や短期間での連続服用により、中毒症状に見舞われるケースがあります。

「体重1kgあたり0.2mg」という服用量を大幅に超過する
・本来は再服用まで1週間ほどあけるべきところ、短期間で服用を繰り返す

たとえば、「イベルメクチンが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に効く」と話題になっていた2021年、過剰な服用によって中毒症状を見せる人が増加しているという報告が医学雑誌に載りました。
致死量は不明で死亡例もなかったものの、胃腸障害(吐き気、悪心、嘔吐)脱力(無力症)に加え、錯乱発疹などの症状が見られたようです。

ちなみに、ただちに中毒症状につながることはありませんが、副作用が出やすくなる可能性があるため、食後の服用は避けましょう。
イベルメクチンは脂溶性である(脂質に溶ける)ため、食後すぐに飲むと食事で摂取した脂質に溶け込み、体に吸収される量が過剰になります。その結果、副作用のリスクが高まるのです。

これで安心!イベルメクトールの副作用・禁忌・NG服用法まとめ

イベルメクトールは適切に使えば効果のある薬ですが、間違った使い方や禁忌に該当する場合には重篤な副作用を招くことがあります。
ここで紹介したポイントを改めて確認し、安全な使用に役立ててください。

  • イベルメクトールには、軽度なものから重大な副作用まで幅広い副作用が報告されている
  • イベルメクチンにアレルギーがある人は服用NG
  • 過量投与や短期間の繰り返し服用は、中毒や副作用リスクを高める

副作用や禁忌などの知識を適切に身に着けることで、より安心安全にイベルメクトールを使用できるので、使用前に把握しておきましょう。