初めてのデュタプロス服用ガイド:使ってはいけない「禁忌」に当てはまる人や薬
こちらは、初めてデュタプロスを飲む方に向けた服用ガイドです!
デュタプロスは、トルコの製薬会社Kocak Farmaが手がけるAGA治療薬であり、高い人気があるものの、服用する前に禁忌事項や併用注意の薬剤を理解しておく必要があります。
安心・安全に服用するために、ぜひご確認を!
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デュタプロスの禁忌(服用できない人)は?
デュタプロスの有効成分デュタステリドにはいくつかの「禁忌」が指定されており、特定の条件に合致する人は服用できません。
飲めないだけでなく「触れることすら避けるべき」とされている場合もあるため、要注意です。
女性・妊婦・授乳中の方
女性はデュタプロスを服用できません。
特に、胎児(特に男児)の生殖器形成に影響を与える可能性があるため、妊娠中の方は要注意です。
また、母乳を通じて乳幼児の体内に移行する可能性が考えられるため、授乳中の方も注意しましょう。
なお、有効成分デュタステリドは皮膚を通じて吸収されるため、女性はデュタプロスに触れることも避けるべきとされています。
女性が注意することはもちろんですが、パートナーがいる男性も、女性が触れることがないよう保管に注意しましょう。
小児等
「小児」といえば小さなお子さんをイメージされるかもしれませんが、小児を含め20歳未満の方はデュタプロスを服用できません。
有効成分デュタステリドが開発される際、20歳未満を対象とした効果・安全性を確認するための臨床試験が行われていないためです。
(20歳以上の男性については、臨床試験によって効果・安全性が確認されています)
重度の肝機能障害がある方
有効成分デュタステリドは、肝臓で代謝(分解)されます。
そのため、肝機能が低下していると適切に排泄されず、作用が過度に強くなってしまう可能性があります。
デュタプロスには併用に注意が必要な薬がある
デュタプロスには、「絶対に服用は禁止!」という併用禁忌薬はありません。
ただし、「健康を損なう可能性があるため併用には注意すべし」という併用注意薬はあるため、事前に押さえておきましょう。
CYP3A4阻害剤
デュタステリドの添付文書には、併用注意として「CYP3A4阻害剤」の記載があります。
CYP3A4阻害剤は、小腸や肝臓に豊富に存在するCYP3A4を阻害する働きを持つ医薬品です。
抗真菌薬のケトコナゾールやジフルカン、抗菌薬のクラリスロマイシンなど多数あります。
これらのCYP3A4阻害剤とデュタステリドを併用すると、デュタステリドの血中濃度が高まって副作用が増強されるおそれがあります。
なお、HIVやC型肝炎の治療に使用される抗ウイルス薬のリトナビルもCYP3A4阻害作用を持つため、デュタプロスとの併用には注意が必要です。
ステロイドとの併用は問題ない?
ステロイドは、AGAとは発生の仕組みが異なる脂漏性脱毛症や円形脱毛症の治療に使われます。
そんな中、たとえばAGAと脂漏性脱毛症を併発している場合、ステロイドとデュタプロスの併用はできるかと疑問に思う方もいるでしょう。
結論をいえば、ステロイドとデュタプロスの併用は可能です!
そもそもデュタプロスには併用を禁じる併用禁忌薬がなく、併用注意もCYP3A4阻害剤のみです。
ステロイドはCYP3A4阻害剤に該当しないため、問題なく併用できます。
参考元:医療用医薬品:デュタステリド
ホルモン剤と併用もできるか?
ステロイドは副腎皮質ホルモンを配合しているためホルモン剤のひとつといえますが、デュタプロスと問題なく併用できます。
では、ほかのホルモン剤はどうでしょうか?
ホルモン剤を使った治療としては、男性特有の機能低下を改善するための「テストステロン補充療法」が挙げられますが、デュタステリドやフィナステリドを使ったAGA治療とテストステロン補充療法は両立できると考えられています。
ただし、自分で勝手に進めず、医師に相談することをおすすめします。
参考元:ステロイド剤の基礎知識
フィナステリド(プロペシア)との併用で効果は高まる?
- デュタステリドを有効成分とするデュタプロス
- フィナステリドを有効成分とするプロペシア
いずれもテストステロンをDHTに変換してAGAを発症させる5αリダクターゼ(5α還元酵素)を阻害する作用を持っているため、併用すると効果が不必要に増強され、副作用のリスクが高まります。
そのため、フィナステリド(プロペシア)とデュタプロスの併用はできません。
ミノキシジルとの併用で効果は高まる?
デュタステリドと同じAGA治療薬に分類されるミノキシジルとの併用は可能です。
フィナステリドやデュタステリドは抜け毛を予防することでAGAの症状を改善する効果を持つのに対して、ミノキシジルは発毛や育毛を促進する効果があります。
AGAに対するアプローチが異なる薬剤であるため、ミノキシジルとデュタプロスの併用は可能なのです。
デュタプロスの服用に関する重要ポイント
デュタプロスを服用する際、特に重要なポイントを3つにまとめます。
- デュタプロスを服用できない人がいる(女性、小児、重篤な肝機能障害の人)
- デュタプロスとの併用に注意が必要な薬はCYP3A4阻害剤
- デュタプロスとステロイドは問題なく併用できる
- デュタプロスとフィナステリドを併用することはできない
デュタプロスには、服用できない人(禁忌)や併用注意の薬剤が存在します。
すでに併用注意のクラリスロマイシンなどを飲んでいる方は、事前に医師に相談しましょう。
また、デュタプロスと同様の作用によってAGAを改善するフィナステリドは、副作用のリスクが高まるため併用はできません。