クリンダマイシンゲル

尋常性ざ瘡（ニキビ）に関与するアクネ菌やブドウ球菌に対して強力な抗菌作用を発揮します。患部に塗布することで細菌の増殖を抑制し、化膿や炎症を改善する効果が期待されます。

生体内で活性化されたクリンダマイシンがアクネ菌のリボソームと呼ばれる部位と結合し、タンパク質合成を阻害することで抗菌作用を発揮します。これによりアクネ菌の増殖を抑えてニキビの悪化を防ぎます。

特に赤ニキビと呼ばれる膿を伴う化膿性のニキビに対して効果が高いとされています。白ニキビや黒ニキビに対する効果は限定的であり、主に炎症を抑える目的で使用されます。

はい、長期間の使用により耐性菌が発生するリスクがあるため、必要最小限の期間で治療を完了させることが推奨されています。使用を続ける場合は医師の指導のもとで管理が必要です。

1日2回、朝と夜に患部へ直接塗布する使い方が一般的です。洗顔後に患部を清潔にしたうえで、ニキビや炎症部分に適量をやさしく塗り広げます。目や口に入らないよう注意が必要です。

使用する量は患部の広さに応じて適量を塗るのが基本です。ローションの場合は指先に取った量を広げ、ジェルの場合は厚く塗りすぎないよう薄く伸ばして使います。塗りすぎると刺激になることがあるため注意が必要です。

クリンダマイシンは顔以外のニキビにも使用できます。胸、背中などのざ瘡（にきび）にも適応があります。ただし、敏感な部位や粘膜付近には使わないようにし、使用範囲については医師の指示を守る必要があります。

使用前後にはしっかり手を洗うことが基本です。また、傷やただれがある部分には使わないようにし、使用後は強くこすったり触ったりしないように注意しましょう。使用範囲や回数は医師の指示に従ってください。

皮膚の乾燥や赤み、かゆみや刺激感などが比較的よくみられます。軽い症状であれば経過観察することもありますが、強いかゆみや赤みが続く場合は、無理をせず早めに医師に相談することが大切です。

非常にまれですが、抗菌薬関連の偽膜性大腸炎が起こることが報告されています。腹痛、頻回の水様便、血便などがあらわれた場合は、直ちに使用を中止し医療機関を受診する必要があります。軽視せず迅速に対応しましょう。

乾燥やつっぱり感などの副作用が強く出た場合は、保湿剤を併用するか、クリンダマイシンの使用頻度を一時的に減らすことが検討されます。

クリンダマイシンは使用開始から数週間で効果があらわれる薬です。すぐにニキビが治らない場合でも、自己判断で使用を中断せず、医師の指示に従いながら続けることが大切です。