ボグリタブ

腸で糖が吸収される速度を緩やかにすることで血糖値の急上昇を防ぎます。これはボグリタブが糖を分解する酵素の働きを抑えることで、吸収を抑えるためです。この作用で食後の血糖の上がり方を緩やかにして、急な高血糖を避けることができます。

特に、食後だけ血糖値が高くなるタイプの糖尿病の人に高い効果が期待できます。食事による血糖値の急上昇を防ぐことができるため、食事の影響を受けやすい人ほどその効果が高くなるわけです。

効果があるとされています。糖尿病になる前の段階である耐糖能異常の人に使うことで、2型糖尿病になるのを防ぐ効果があるとされています。2型糖尿病の発症リスクが高い人を対象とした臨床試験でも、発症抑制効果が確認されています。

糖がゆっくり吸収されることで、血糖値の急激な上昇が防がれます。この仕組みにより、急激な血糖値の上昇は活性酸素を発生させて血管を傷つけます。こうした傷から更なる合併症などに繋がってしまうため、そうしたリスクを予防できます。

ボグリタブは食事中の糖の吸収を抑える薬なので、毎食の直前に飲む必要があります。食事の直前に服用することで、腸での糖分解酵素の働きをタイミングよく抑え、食後の血糖上昇をしっかり防ぐことができます。

通常は1日3回、朝・昼・晩の毎食直前に服用します。食事ごとに確実に飲むことで、各回の食後血糖の上昇を抑えることができるため、1回でも飲み忘れると効果が薄れることがあります。

ボグリタブは食事に含まれる糖の吸収をゆるやかにする薬なので、食事をとらないときは服用しないでください。飲むことで血糖が下がりすぎたり、お腹が張ったりすることがあるため、必ず食事のあるときだけ飲むことが大切です。

食後に飲んでも効果は弱くなってしまうため、基本的には食べる直前に飲むのが望ましいです。食後すぐであれば多少の効果は見込めますが、時間があくほど効果は薄れるので注意が必要です。

下痢や放屁、腹部膨満感などの消化器症状が副作用としてよく見られます。これらの副作用は多く場合、軽度で一時的なものですが、症状が強い場合やいつまでも改善しないような場合は医療機関を受診するようにしてください。

低血糖や腸閉塞、肝機能障害などの重大な副作用が報告されています。特に低血糖は他の糖尿病薬と併用することで起きやすくなり、症状が出た場合は速やかな対応が必要です。

妊婦や授乳中の方への安全性は確立されておらず、治療上の必要性がある場合に限って使用されます。特に授乳婦には、乳汁分泌への影響が報告されており注意が必要です。

他の糖尿病薬と併用すると、低血糖が起きやすくなります。実際に併用によって低血糖があらわれたとの報告もあるため、併用する場合には少ない用量から徐々に服用するといったことが必要です。