ビブラマイシン

肺炎や急性気管支炎、膀胱炎などの一般的な細菌感染症から、ペストやコレラなど特殊な感染症にも使われます。さまざまな細菌に効くことから、感染の原因が特定できない場合にも選ばれることがあります。

ドキシサイクリンはクラミジアに対して特に強い抗菌作用があります。そのため、尿道炎や子宮頸管炎などの性感染症にも有効です。実際の臨床試験でもクラミジアによる尿道炎に対する有効率が97.8％という結果が出ています。

ペニシリンにアレルギーのある人には、代替薬としてドキシサイクリンが使われることがあります。アレルギーがある場合に梅毒などの感染症に対して代替治療薬として用いられます。

ドキシサイクリンは細菌がタンパク質をつくるのを止めることで、細菌の増殖を抑えます。体内で細菌の活動を抑えることで、自然な免疫の力が働きやすくなる仕組みです。

初日は1日1～2回に分けて合計200mgを、2日目からは1日100mgを飲むのが標準的な使い方です。病気の内容や症状などに合わせて適宜服用量などを調整する必要があります。

症状によって異なりますが、梅毒などでは2〜4週間、吸入炭疽では60日間飲み続ける必要があります。細菌をしっかり退治するため、決められた期間は最後まで飲み切ることが重要です。

胃への刺激を避けたい場合は食後に飲むのがおすすめです。食べ物や牛乳と一緒に飲んでも薬の吸収にはほとんど影響がないとされているため、食事をしていてもビブラマイシンの効果が弱まることはありません。

飲んだ薬が食道に残ると、刺激や潰瘍の原因になることがあるためです。そのため、ドキシサイクリンは十分な量の水で飲むようにしてください。しっかり飲み流すことで安全に使えます。

稀ではありますが副作用として日光や紫外線に敏感になってしまう「光線過敏症」を起こすことがあります。そのため、服用中は長時間の外出や直射日光を避けて日焼け止めや帽子での対策をしましょう。

妊娠中に使うと赤ちゃんの歯や骨に影響が出る可能性があるため、基本的には避けられます。また、母乳にも薬の成分が移行することがあるため、授乳中も慎重に検討されます。

まれに肝臓の働きが悪くなる副作用が報告されています。特に大量に使った場合にリスクが高まるとされており、長期使用中は定期的な肝機能のチェックがすすめられます。

吐き気や下痢、腹痛などの胃腸症状が比較的よく見られます。多くは一時的なもので、食後に服用することで軽くなることがありますが、強く出る場合は医師に相談してください。