カンジダのおりものにはどんな特徴がある?おりものでカンジダを見分ける方法
膣カンジダ症が発症した時にあらわれる症状のひとつにおりものの変化があります。
こちらのページではこのおりものの変化に焦点をあてて、詳しく紹介していきます。
おりものの変化は、カンジダ腟炎や細菌性腟炎など性行為とは無関係に発生することもあれば、クラミジア感染を代表とする性感染症によるものなどさまざまな原因で発生します。
おりものがどういった状態であるのかを把握することで、自身の性感染症への感染リスクを把握することもできます。
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これってカンジダ?カンジダ症のおりものの特徴
膣カンジダ症を発症した時にあらわれる特徴的な症状のひとつが「おりものの変化」です。
膣カンジダ症を発症している場合のおりものの特徴は下記の通り
おりものの色 | 白く白濁した色、濁った緑色(※酷くなっている場合) |
おりものの状態 | カッテージチーズ、酒かす、ヨーグルト状 |
おりものの量 | 増加する |
おりもののにおい | 特に変化がない場合も |
おりものが白くぽろぽろとしたカッテージチーズのような状態になってしまっている場合、膣カンジダ症の疑いがあると考えられます。
おりものの状態が上記のように変化するため、発見しやすいですが、においの変化はなかったりするため、おりもののにおいで膣カンジダ症に気づけるケースは珍しくありません。
ですが、膣カンジダ症を発症したおりものは下着や外陰部への付着もみられたり、腟の出入り口や外陰部に強い痒みなどがあらわれたりといった症状から感染に気づくケースも珍しくありません。
参考元:腟カンジダとは?原因と症状
感染症の可能性があるおりもの
おりものの変化は膣カンジダ症の発症以外でもあらわれることがあります。
そこで、ここからはおりものがどのように変化するのかといったことから、おりものの状態からどういった感染症の疑いがあるのかを紹介していきます。
黄緑色で泡っぽくにおいがきついおりもの
おりものの量が大量に増え、色が黄色や緑色かつ泡っぽい状態で生臭く強いにおいを放つ場合、「膣トリコモナス症」の疑いがあります。
おりものの色 | 黄色、緑色 |
おりものの状態 | 泡状 |
おりものの量 | 大量 |
おりもののにおい | 生臭くきついにおい |
膣トリコモナス症の症状は上記のようなおりものの変化だけではありません。
おりものの変化以外にも下記のような症状があらわれます。
- 陰部のかゆみ
- 腟の発赤
- 膣の圧痛(刺激感)
参考元:トリコモナス腟炎
サラサラと濁った灰色のおりもの
おりものが灰色や白濁した濁った色をしていて、サラサラとした状態の場合は「細菌性膣症」の疑いがあります。
※「細菌性腟炎」「細菌性腟症」は「性病」ではありません
おりものの色 | 灰色、白濁 |
おりものの状態 | サラサラ |
おりものの量 | 大量 |
おりもののにおい | 生臭いにおい |
細菌性膣症は膣内細菌のバランスが崩れることで発症します。
この細菌性膣症はかゆみや腫れ、赤みなどの症状がみられるケースは少ないため、おりものの変化以外で察知するのは難しいといえます。
参考元:細菌性腟症
黄色いおりもの
おりものが濃い黄色で匂いが強く量も増えているような場合、「クラミジア・淋病」の感染が疑われます。
おりものの色 | 濃い黄色 |
おりものの状態 | 変化なし |
おりものの量 | 増加 |
おりもののにおい | 匂いが強くなる |
クラミジアや淋病に感染した場合、上記のようなおりものになってしまうだけでなく、不正出血や下腹部痛、排尿痛や性交痛などの症状があらわれます。
ですが、クラミジアや淋病に感染しても無症状であるケースも珍しくないため、感染に気づけないことも珍しくありません。
茶色(ベージュ・ピンク)のおりもの
おりものが茶色になってしまっているような場合、不正出血などの可能性があります。
おりものの色 | 茶色 |
おりものの状態 | 変化なし |
おりものの量 | 変化なし |
おりもののにおい | 変化なし |
おりものが茶色になってしまう原因は血が混ざってしまっていることです。
血が混ざってしまう要因として生理での出血や不正出血などがあります。
生理前後でおりものが茶色となっている場合は大きな問題になってしまうことはありません。
ですが、生理前後でないのに茶色のおりものがずっと続くような場合は不正出血が疑われます。
不正出血は、子宮筋腫や子宮頸がん・子宮体癌・クラミジアや淋菌による頚管炎などの重大な病気が原因となっている可能性もあるので、適切に原因を特定して治療をすることが重要です。
おりもの以外で膣カンジダ症か見分ける方法
膣カンジダ症はおりものが白いカッテージチーズ状となってしまうため判断しやすい感染症ですが、おりものの変化以外にもさまざまな症状があらわれたりするので、おりもの以外でも膣カンジダ症を見分けるといったことが可能です。
膣や外陰部のかゆみ・発疹
膣カンジダ症はおりものの変化以外の症状として
- 膣のかゆみ
- 外陰部のかゆみ
- 発疹
といった症状があらわれます。
外陰部や膣のかゆみは炎症がひどくなると非常に強くあらわれ、さらに強い炎症が起きると腫れぼったい感じや、ヒリヒリすることがあります。
また、性器周辺に発疹があらわれることもあります。
膣カンジダ症の可能性があるなら検査を受けよう
膣カンジダ症に感染しているかもしれない…。
そうした場合には適切に検査を受け、感染の有無を確認した上で治療を行うようにしましょう。
ここからは、そんな膣カンジダ症を検査する方法について紹介していきます。
病院(クリニック)で検査する
膣カンジダ症を検査する方法の中でも、一般的なのが病院(クリニック)で受けることです。
膣カンジダ症の検査は婦人科や産婦人科、レディースクリニックなどで受けることができます。
病院で受けることができるカンジダ症の検査として
- おりものを顕微鏡で直接見て菌がいるかを確認する検鏡
- おりものを培養して菌がいるかを確認する培養法
のふたつの方法があります。
検査キットを購入する
膣カンジダ症の検査は婦人科などのさまざまな病院で受けることができますが、現在では自宅などでも行うことが可能です。
それが、膣カンジダ症の検査を行える検査キットを用いる方法です。
こうした検査キットは通販サイトで取り扱われているため、誰にも知られずにコッソリと膣カンジダ症の検査を行うといったことが可能です。
膣カンジダは原因の把握が大切
膣カンジダ症は感染経路によっては治療したのに再発してしまう可能性があります。
そのため、膣カンジダ症は原因を特定した上で、感染源を根絶することが何よりも重要になります。
そこで、ここからは膣カンジダ症の感染経路について紹介していきます。
自己感染
膣カンジダ症の原因となるカンジダ菌は人の体内に存在する常在菌であるため、自身の体内に存在するカンジダ菌に自己感染することがあります。
カンジダ菌は普段から体内に存在していますが、体内の免疫力によって過剰に増殖するといったことはありません。
腟内の場合は「自浄作用」があるため、正常な状態ではカンジダを含めた弱い雑菌が症状を引き起こさないようになっています。
そのため、カンジダ菌が存在していてもカンジダ症は発症しません。
ですが、過度なストレスや疲れ、体調不良やホルモンバランスの乱れなどによって、免疫力が低下したりすることによって、カンジダ菌が過剰に増殖してしまい膣カンジダ症を発症してしまうのです。
腟内には、カンジダを含めた雑菌が増えないように抑えている「善玉菌」が存在します。
抗生物質の服用により、この善玉菌が抑えられてしまった時も、腟カンジダを発症しやすくなります。
性行為による感染はほぼない
膣カンジダ症が性行為によって発生することはごく稀です。
カンジダは皮膚の表面にも存在している真菌のため、それが多少腟内に紛れ込んでも感染には至りません。
ごく稀に、性行為の後にカンジダを繰り返してしまうケースがあります。
この場合は、本人の自浄作用が下がっているところに、パートナーの性器からカンジダが混入すると、繰り返し症状が出ることになります。
あまりにも難治性の場合は、パートナーにもカンジダ治療用の軟膏を使用してもらう場合があります。
まとめ
こちらのページでは膣カンジダ症の症状の中でもおりものの変化に焦点をあてて紹介してきました。
膣カンジダ症を発症した場合のおりものは「白く濁ったカッテージチーズ状で量も増える」という特徴があります。
こうなったおりものが外陰部や下着などに付着することも珍しくないため、おりものの変化から膣カンジダ症の感染を自覚するケースもあります。
おりものの変化に気づいたりした場合には、感染源を特定した上で検査や対処をしていくことが何よりも大切です。
膣カンジダ症は性行為の有無に関係がないため、性行為の経験がない若い人でも発症しうるものです。
本来は、自分の腟内に備わっている「自浄作用」で押さえることができる弱い菌なので、外陰部の通気性をよくする・ナプキンやタンポンはこまめにかえる・バランスの良い食事をとる・十分な睡眠をとる・抗生物質を乱用しないなど適切に対策をしましょう。

通販で購入できるカンジダの治療薬でしっかり治療しましょう!カンジダの原因をしっかり把握して再感染しないことも大事です!
監修者情報
医師
清水 なほみ
所属・資格等
ポートサイド女性総合クリニック 院長
経歴
女性のためのトータルヘルス・コーチング医。
中学時代に男子からいじめられた経験から、ジェンダーバイアスに疑問を感じ、「女性が輝けば輝くほど潤う社会」を作るにはどうすればいいかを考え始める。
医学部に進学後も、男性優位な世界を目の当たりにして、「自分が女性であることを最大限に活かした仕事をしたい!」と思い産婦人科医の道を選択。すべての女性が「本来の自分の輝き」を取り戻す場所を作るため、2010年横浜ポートサイドに女性専用クリニックを開業。
自らが「二者択一ではなくすべてを手に入れる人生」を実践し、開業半年後には長女を出産。
現在は2児の母として、クリニックの院長として、日々の診療を通して女性の美と健康をサポートする。一般的な西洋医学による治療だけではなく、最新の脳科学×心理学×言語学を駆使した「言葉によるアプローチ」は定評がある。
何気ない会話で、病気の根本原因を見抜くため、「先生は透視ができるんですか?!」と驚かれる。