アジーは万能薬じゃない!効果がある病気・効果がない病気を徹底整理

アジーは万能薬じゃない!効果がある病気・効果がない病気を徹底整理アジーは、抗生物質のアジスロマイシンを有効成分とする抗菌薬であり、日本でもよく使われているジスロマックのジェネリック医薬品です。

そこでジスロマックのメーカーが公開している添付文書を見てみると、適応症(効果を発揮する疾患)は泌尿器系・呼吸器系・歯科系など多岐にわたるので、「アジーって万能薬なんだ」と思ってしまいそう……。
しかし、幅広い分野で活躍しているのは確かですが、万能薬とまではいえないのが正直なところです。

というわけで、こちらのページでは「アジーが効く病気」「アジーが効かない病気」を徹底解説します!

アジーはどんな薬か?「何に効く薬」なのか一覧でチェック!

まずは、アジーが何に効く薬なのか、逆に何に効かない薬なのか……一覧でまとめてみました。

性感染症クラミジア
淋病
マイコプラズマ
ウレアプラズマ
呼吸器系疾患気管支炎
(細菌性の気管支炎に効く)
肺炎
(細菌性の肺炎に効く)
歯科系疾患歯周病・歯槽膿漏
ウイルス性疾患インフルエンザ

こうして見ると、実際に幅広い分野で使えることがわかります。
しかし、中には「×」の病気もありますし、「条件付きで効く」という病気も……。

というわけで、たとえば「性病になったみたいだからアジーを飲もう」などと短絡的に決めるのではなく、まずは自分が何の病気なのか確かめることが欠かせません。

アジーが効く「性感染症」は?正しい飲み方は?何日で治る?

服用する男性アジーは、性感染症による男性の尿道炎や女性の子宮頚管炎、また咽頭炎などに効果を発揮します。

ただし、性病なら何でも効くわけではなく、「第一選択として使える」「昔は効果があったけど今はない」「そもそもアジーが効かない」など、病気ごとに効果の有無はさまざまです。

そこで、ここからは代表的な疾患ごとに効果の有無飲み方などを見ていきましょう。

クラミジア

クラミジアは、その名もクラミジア・トラコマチスという細菌によって引き起こされる性感染症で、尿道炎や子宮頚管炎、咽頭炎などを引き起こします。
日本で最も感染者数が多い性感染症ですが、幸いなことに、比較的簡単にアジーで治療することができます!

アジスロマイシン1000mgとして1回服用するだけで、1週間以内に症状は落ち着きます。
服用後2~3週間して再検査を受け、陰性が出れば治療は完了します。

淋病

淋菌という細菌によって引き起こされる淋病は、クラミジアと似たような症状を引き越しますが、より激しく出る傾向にあります。

そんな淋病は、現在のところアジーが効きません。
かつては「アジスロマイシンで治療できる性病」のひとつでしたが、アジスロマイシンに対する耐性を身につけた薬剤耐性菌が増えたことにより、アジーでは太刀打ちできない性病になってしまいました……。

ただし、マクロライド系のアジスロマイシンは効かないものの、セフィム系のセフトリアキソン(ロセフィン)をはじめ、治療できる抗生物質はちゃんとあります。
病院でセフトリアキソンの点滴をしてもらい、2~3週間後に再検査を受けるのが治療の流れです。

マイコプラズマ・ウレアプラズマ

マイコプラズマとウレアプラズマは、それぞれ「マイコプラズマ属」「ウレアプラズマ属」の細菌が原因となる性感染症で、これまたクラミジアと似た症状を引き起こします。

そんなマイコプラズマ・ウレアプラズマはアジーで治すことができます!
飲み方も、クラミジアを治すときと大きく変わりません。

・1000mgを1回飲む
・再検査を受けて「陰性」確定したら治療完了

ただし、「再検査は2~4週間後に受けるべし」とされています。

その他の性感染症

性感染症には、他にも梅毒HIVカンジダトリコモナスコンジローマなどさまざまな種類がありますが、基本的にクラミジアやマイコプラズマ・ウレアプラズマ以外の性病治療にアジーは使いません。

そもそもアジーは細菌性の感染症に効く抗菌薬なので、次のように「真菌・原虫」「ウイルス」が原因となる性病には効果を発揮しません。

【真菌・原虫】カンジダ、トリコモナス
【ウイルス】HIV、コンジローマ

また梅毒の場合、細菌(梅毒トレポネーマ)による性病なのでアジーも効果を発揮するものの、第一選択薬としては使われないのが現状です。
梅毒の第一選択薬は、ペニシリン系のアモキシシリンとなっています。

【番外編】性病以外の尿道炎・子宮頚管炎にアジーは効く?

尿道炎や子宮頚管炎は、クラミジアやマイコプラズマといった性感染症によって引き起こされるケースもありますが、その他にもブドウ球菌大腸菌が原因となることも多い……というか、特に尿道炎の場合、原因菌はほとんどのケースで大腸菌といわれています。

そんな中、アジーはどんな尿道炎・子宮頚管炎も治せるわけではありません。
ブドウ球菌ならアジスロマイシンが適応するので治療に使えますが、大腸菌には適応しないため、別の抗生物質を使う必要があります。

アジーが効く気管支炎・肺炎とは?何日で治る?

アジーは、気管支炎肺炎といった呼吸器系の疾患に効果を発揮しますが、「気管支炎・肺炎なら何でも治せる」というわけではなく、原因によってはアジーが効かないことも……。
簡単にまとめると、次のようになります。

細菌性気管支炎・肺炎アジーは“条件付き”で効く
ウイルス性気管支炎・肺炎アジーは効かない

細菌性の気管支炎・肺炎は多くの場合、肺炎球菌が原因となりますが、この場合はアモキシシリンなどのペニシリン系の抗生物質が第一選択薬となります。
ただし、「肺炎マイコプラズマ」「肺炎クラミジア」といった細菌が原因となる場合、アジスロマイシンが第一選択薬となるため、アジーを使って治療することができます!

飲み方

  • 1日1回アジスロマイシン500mgとして服用する
  • 3日間服用を続ける

症状は1週間程度でおさまりますが、きちんと検査を受けて細菌がいなくなったことを確認することが欠かせません。

歯周病・歯槽膿漏にアジーは効果あり!?

歯周病・歯槽膿漏の女性アジスロマイシンの「適応症」には「歯周組織炎」「歯冠周囲炎」が含まれますが、これらは歯周病の症状であり、放置すると歯槽膿漏に至る病気です。

というわけで、「アジスロマイシンの適応症に歯周組織炎や歯冠周囲炎があるなら歯周病・歯槽膿漏はアジーで治せるってこと?」と思ってしまいがちですが……。
確かに歯周病の症状を抑える効果はあるものの、アジーだけでは、歯周病・歯槽膿漏を完治させることはできません。

そもそも歯周病の原因となる歯周病菌は体内に生息する常在菌であるため、アジーでいったん排除したとしてもまた新しく生み出され、歯垢がたまって歯石となり、再び歯周病を引き起こします……。
そのため、歯周病・歯槽膿漏の治療は「歯垢・歯石の除去」が第一です。
アジーはあくまでも補助的な薬であることを押さえておきましょう!

インフルエンザにアジーは効果なし!

熱の男性アジーは細菌性の病気を治療するための抗菌薬であり、ウイルスが原因となる病気には作用しません。
そのため、インフルエンザウイルスに感染することで起こるインフルエンザには効果がありません。

ただし、インフルエンザウイルスの影響で免疫力が落ちて細菌に同時感染した場合などは、抗インフルエンザ薬(タミフルなど)とアジーを併用できます。

「インフルエンザ菌」にはアジーが効く!

ちょっとややこしいですが、いわゆる季節性インフルエンザを引き起こす「インフルエンザウイルス」とは別に、肺炎や気管支炎の原因となる「インフルエンザ菌」という細菌があります。
これに対しては、アジスロマイシンが適応しているため、アジーが使えます!

アジーの効果を正しく引き出すためには何に効果があるかを把握するのが先決

ここまで、アジーの持つ効果について紹介してきました。

  • アジーは性病・呼吸器系・歯科系など多様な感染症に効果がある
  • 耐性菌が増えている淋病の治療には使えなくなっている
  • ウイルス性の病気(インフルエンザなど)には効果がない

アジーは細菌性の感染症に広く使われる薬ですが、細菌なら何でも効果があるわけではありません。
アジスロマイシンの耐性菌や、そもそもアジスロマイシンが適応していない細菌の場合、別の抗生物質を使って治療する必要があります。

また、服用の際は用法用量を守ること、きちんと再検査を受けて完治を確認することも大切です。