【トリキュラーの教科書】正しい服用方法や錠剤の色の意味とは?

【トリキュラーの教科書】正しい服用方法や錠剤の色の意味とは?
低用量ピルである「トリキュラー」は避妊だけでなく、生理痛の緩和やホルモンバランスの調整にも使われています。
ですが、正しく使わないと効果が落ちてしまったり、副作用のリスクが上がったりします。
だからこそ、トリキュラーは正しい飲み方を把握して適切に使うことが重要です!

このコラムでは、初めてトリキュラーを使う人が絶対に押さえておきたい基本となる飲み方から応用的な使い方などの情報を詳しく紹介するので、トリキュラーの服用を検討している方はぜひお役立てください!

はじめる前に知っておくべき2つのこと

トリキュラーを安全かつ効果的に使うには、飲み始める前に最低限おさえておくべきポイントがあります。
特に「タイプの違い」と「錠剤の色の意味」は、最初にしっかり理解しておきましょう。

1. トリキュラー21と28の違いは?ライフスタイルに合うのはどっち?

トリキュラーには「21錠タイプ」と「28錠タイプ」があります。
違いは、休薬期間中にプラセボ(偽薬)が入っているかどうか。

種類実薬の数偽薬の数服用方法
トリキュラー2121錠なし21日間服用後、7日間休薬
トリキュラー2821錠7錠の偽薬連続して28日間服用

「休薬期間に飲まないと忘れそう」という人は、28錠タイプが向いています。
逆に、飲み忘れない自信がある人や、コストを抑えたい人は21錠でもOKです。

2. 錠剤の色が違うのはなぜ?服用順が大切な理由

トリキュラーのシートを見ると、ピルの色が3種類に分かれています。
これは「3相性」と呼ばれ、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲスチン)という2種類の女性ホルモンの配合量を3段階で変化させる設計になっています。
また、28錠タイプにはホルモンを配合していない「大きい白色の錠剤」が偽薬として含まれています。

服用日数エチニル
エストラジオール
レボノル
ゲストレル
赤色の錠剤1~6日目0.030mg0.050mg
白色の錠剤7~11日目0.040mg0.075mg
黄色の錠剤12~21日目0.030mg0.125mg
白色の錠剤(大)22~28日含有せず含有せず

順番通りに飲むことで体の自然なホルモン変動に近い形で作用し、副作用リスクを軽減します。
逆に間違った順で飲んでしまうとホルモンバランスへの影響が大きくなるため、適切に服用した場合と比べて副作用リスクが高くなってしまいます。

トリキュラーの基本的な飲み方【スタートから1周期の流れ】

飲むピルを正しく使うためには、「いつ飲み始めて、どう続けるか」をきちんと理解する必要があります。
ここでは、トリキュラーの基本的な飲み方と流れをわかりやすく解説します。

いつから飲み始める?生理周期に合わせたスタート方法

トリキュラーは飲み始めるタイミングによって避妊効果の安定性が変わってきます。
最も推奨されている始め方を軸に、ほかのスタート方法との違いも紹介します。

原則は「生理が始まった日」から飲む(Day1スタート)

トリキュラーを初めて服用するような場合、生理が始まった日から飲み始めるDay1スタートと呼ばれる方法です。
この方法だと、初日から避妊効果が得られるとされています。

Day1スタート以外のスタート方法(クイックスタート・サンデースタート)

トリキュラーの服用方法には生理開始日からスタートするDay1スタート以外に「クイックスタート」や「サンデースタート」と呼ばれる方法があります。

クイックスタート生理に関係なく飲み始める方法
サンデースタート生理開始後の最初の日曜日から飲み始める方法

クイックスタートは生理開始を待つ必要がないのが利点で、サンデースタートは休薬期間中にあらわれる出血が火曜日か木曜にあらわれるため、週末に出血することがないのが利点です。
これらの方法はいずれも避妊効果があらわれるのが遅くなるため、トリキュラーの飲み始めから7日間はコンドームなどの他の避妊法を併用する必要があります。

毎日「同じ時間」がカギ!絶対に守りたいトリキュラーの正しい服用方法

トリキュラーの服用方法

  1. 有効成分を含む実薬を1日1錠、21日間飲み続ける
  2. 7日間の休薬期間をとる(トリキュラー28の場合は7錠の偽薬を飲む)
  3. 上の①→②を繰り返す

基本的な飲み方は上記の通りですが、そのうえで注意すべきポイントとして「実薬は毎日同じ時間に飲む」ということが挙げられます。
トリキュラーは、1日1錠を毎日決まった時間に飲むことで、安定した避妊効果を発揮するのです。

逆にいえば、飲む時間が毎日バラバラだったりすると避妊効果が安定しません。
また、ホルモンバランスが乱れて体調不良を引き起こす場合もあるため、要注意です!

休薬期間とは?偽薬(プラセボ)を飲む期間の過ごし方

21錠タイプは飲み終えたあと7日間休薬します。
28錠タイプは、この期間に偽薬(ホルモンなし)を飲む設計になっています。
この薬を服用しない7日間を休薬期間と呼び、以下のような意味があります。

休薬期間の意味

  • 消退出血が起こるかチェックして妊娠の有無を確認
  • ピルで休ませていた卵巣を正常に保つ

休薬期間中には消退出血と呼ばれる出血が起こります。これは「生理」とは少し違ってホルモンを止めたことによる出血で、出血があることで避妊ができていると考えられます。
逆に消退出血があらわれない場合、妊娠している可能性があるので、その場合はすみやかに医療機関を受診してください。

そして、消退出血を確認できた場合は出血が終わっているかどうかに関わらず、8日目から新しいシートの服用を開始します。

トリキュラーを飲み忘れた時の対処法

女医トリキュラーは21日間連続して飲み続ける必要がありますが、うっかり飲み忘れることもあります。
そうした時は、以下の表を参考に正しい対処法を実施しましょう。

飲み忘れ日数対処法避妊効果への影響
1日忘れた気づいた時点で1錠服用。
その後、通常通り続行。
ほぼ影響なし
2日連続で忘れた服用を中止。
次の生理開始日から新しいシートを服用。
避妊効果低下の可能性
3日以上忘れた服用を中止。
次の生理開始日から新しいシートを服用。
避妊効果低下の可能性

1日飲み忘れただけなら、避妊効果への影響はほぼありません。
2日連続で忘れた場合や3日以上忘れた場合は、トリキュラーの服用は中止して次の生理開始日から新しいシートの1錠目から服用するようにしてください。
もちろん、この場合は避妊効果は消失してしまうため、性行為をする場合はコンドームなど他の避妊法が必要です。

トリキュラーの避妊効果はいつから出る?避妊効果の発現タイミングを把握しよう

トリキュラーの避妊効果は、飲み方によって発現タイミングが異なります。

Day1
スタート
飲み始めた当日に避妊効果が得られる
Sunday
スタート
飲み始めてから1週間が過ぎて効果が出る

つまり、遅くとも7日間を過ぎて8日目からは避妊効果が期待できるといえます。
飲み始めの1週間はコンドームを使った避妊をするのがおすすめです!

【応用編】ピルで生理日をコントロールする方法

考える女性
旅行に生理が重なりそう……
悩む女性
生理が大切な試験日とぶつかりそう……

といった時にもトリキュラーは役立ちます。
トリキュラーを使えば生理を早めたり、遅らせたりといったコントロールが可能になります。
ここからはトリキュラーで生理日をコントロールするための飲み方を紹介します。

生理を早めたい場合の飲み方と注意点

生理を早めたい場合は、3週目の錠剤(黄色)を早めに切り上げて休薬に入る方法が取られます。
たとえば「5日早めたい」なら、10錠ある3週目の錠剤を5錠残して飲むのを止め、休薬期間に入ります。こうすることで休薬期間を前倒しした分、生理が早まります。
ただし、生理を早められるのは10日前後が最大とされています。

生理を遅らせたい場合の飲み方と注意点

逆に生理を遅らせる場合は3週目の錠剤(黄色)を全て飲み終えたら、本来入る休薬期間を設けずに、次のシートの3週目の錠剤(黄色)を、生理を遅らせたい日数分だけ続けて服用します。
その後、7日間休薬し、次の周期は新しいシートからスタートしてください。
こちらも生理を遅らせられるのは最大10日前後となっています。

服用を中止したい時は?

クリニック

  • 子供を作るために避妊の必要がなくなった!
  • 使ってみたけど副作用がちょっとしんどい……

などさまざまな理由で、トリキュラーの服用を中止することがあります。
ですが、急にトリキュラーの服用を中断してしまうと体に負担がかかることがあります。
正しいやめ方や、服用中止後に起こりやすい体の変化を知っておくことで、安心してステップを切り替えられます。

安全なやめ方と、やめた後の生理周期について

途中で急に服用を中断するとホルモンの変化で体調を崩すことがあるため、トリキュラーは1シートを最後まで飲み切ってから中止するのがベストです。
ただし、副作用が辛いような場合は飲み切るのも大変なので、そうした場合は医師に相談するようにしてください。

服用中止後、数週間~数ヶ月で自然な生理周期が戻る人が多いですが、もともと生理不順だった人は再び乱れることもあります。
また、ピルの中止後は数日で妊娠が可能になることもあるので、避妊を継続する場合は他の避妊法を用いてください。

トリキュラーを使えない人がいる!?必ず把握すべき注意点

  • 妊婦、または妊娠している可能性がある
  • 授乳婦
  • 有効成分に対してアレルギーがある
  • 乳がん、子宮内膜がん、子宮頸がん等を治療中、もしくは疑いがある
  • 原因が特定されていない不正出血がある
  • 血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患がある、もしくは既往歴がある
  • 前兆(視界がチカチカする等)を伴う片頭痛がある
  • 35歳以上で1日15本以上喫煙する方
  • 高血圧である(軽度は除く)
  • 重篤な肝障害がある

上記を含め、トリキュラーの添付文書には計20件の禁忌が定められています。
健康や生活習慣に何らかの不安がある方は、必ず事前に医師に相談しましょう!

正しい服用が、トリキュラーの効果を最大限に引き出す

トリキュラーは避妊だけでなく、生理のリズムを整えるためにも使える便利な薬です。
ですが、「飲む順番」「タイミング」「習慣」が守られていなければ、その効果は大きく落ちてしまいます。

ポイントはこの3つ:

  • 錠剤の色・順番を守って飲む
  • 生理周期に合わせた正しいスタート
  • 飲み忘れをしない工夫と習慣化

正しい知識を持って、自分の体ときちんと向き合いながら使うことで、トリキュラーの効果をしっかり引き出すことができます。

トリキュラーに関するその他のさまざまな情報はこちらから確認できますのであわせてご活用ください!