FAGAの注射治療とは?メリット・デメリットなどについて解説
FAGA(女性型脱毛症)はAGA(男性型脱毛症)が女性にあらわれる薄毛をさします。
そんなFAGAの治療方法にはさまざまな手法があります。
その中でも特に注目されているのが注射治療です。
注射治療は、ほかの治療方法と比較して効果が早く出やすいといったメリットがあります。
その一方で、デメリットも存在するため確認しておくことが大切です。
こちらのページではFAGAとは何か、その原因や症状、そして注射治療の概要と効果について詳しく解説します。
さらに、注射治療が難しい場合の代替手段として薬物治療もご紹介しますので、FAGAに悩んでいる方は是非、参考にしてみてください。
FAGAとは?
FAGAとは、「Female Androgenetic Alopecia」の略で、女性男性型脱毛症を指します。
男性型脱毛症(AGA)とは異なって頭部全体の髪が薄くなり、ボリュームが減少するという特徴があります。
FAGAは、特に40代から60代の女性に多く見られますが、昨今では若い世代にも広がっています。
ここからはそんなFAGAの症状や原因について見ていきます。
FAGAの症状
FAGAの主な症状は頭部全体の髪の密度が徐々に減少して薄くなることです。
髪のボリュームが減って分け目が目立つようになりますが、男性のように完全に髪がなくなることは稀です。
具体的には以下のような症状があらわれるとFAGAの可能性があるでしょう。
- 薄毛が目立つようになる
- 地肌が透けて見える
- 分け目が広がる
- 白髪が増える
- 髪の毛のボリュームが減る
- 髪の毛のハリ・コシ・ツヤがなくなる
- 頭皮のべたつきやかゆみなどがある
- 抜け毛が増える
- おでこが広くなる
また、FAGAは進行が緩やかであり、初期段階では自覚症状がほとんどないこともあります。
そのため、上記のような症状の早期発見・早期治療が重要です。
FAGAの原因
FAGAの原因は、以下の通りです。
- 女性ホルモンの減少
- 遺伝
- 乱れた生活習慣
- ストレス
女性の場合、加齢や更年期に伴うエストロゲンの減少がFAGAを引き起こす原因となります。
エストロゲンは、髪の毛の成長に欠かせない女性ホルモンであり、加齢や更年期によってエストロゲンが減少することで、ヘアサイクルが乱れて髪の毛が抜け落ちてしまうのです。
また、母から娘への遺伝によってFAGAが発症するケースもあります。
ただし、遺伝による発症のリスクは男性のAGAほどではありません。
ほかにも、過度なストレスや不規則な生活などの外部要因も髪の成長サイクルに影響を与え、FAGAの進行を加速させることがあります。
過度なストレスや生活習慣の乱れは頭皮が血行不良に陥り、頭皮に十分な栄養や酸素が行きわたりにくくなるためです。
その結果、髪の毛が成長できずに抜け毛などの症状があらわれます。
FAGAの注射治療とは?
注射治療はFAGAの治療法の一つで、直接頭皮に有効成分を注入して髪の成長を促進します。
薬物を飲む治療とは異なって局所的にアプローチできるため、より高い治療効果に期待できます。
ここからはそんなFAGAの注射治療の概要や効果について詳しく解説していきます。
FAGAの注射治療についての概要
FAGAの注射治療はメソセラピーやPRP(多血小板血漿)治療が一般的です。
これらの治療法では成長因子やビタミン、ミネラルなどの成分が含まれた薬剤を頭皮に注入して髪の成長を促進させます。
また、PRP治療では自身の血液から血小板を抽出し、成長因子を含む血小板を頭皮に戻すことで自然な発毛を促す治療法です。
FAGAの注射治療の効果・有効成分
FAGAの注射治療に使用される有効成分とその効果は、以下の通りです。
有効成分 | 効果 |
幹細胞培養上清液 | ・成長因子やエクソソームが傷付いた組織などを修復して育毛や発毛促進などに効果がある |
ミノキシジル | ・血管拡張作用や発毛促進に効果的 |
パンテノール | ・毛母細胞を活性化させる働きがあり、発毛を促進する効果がある |
ビオチン | ・髪・爪の健康や皮膚・粘膜の維持などに効果的 |
グルタチオン | ・抗酸化作用があるあり、老化防止に効果的 |
マンヌロン酸メチルシラノール | ・抗酸化作用や抗炎症作用、脂質分解作用などがある |
FAGAの注射治療では、上記のような有効成分を頭皮に直接投与することで、発毛を促進したり、抜け毛を抑えたりすることが可能です。
FAGAの注射治療のメリット・デメリット
FAGAの注射治療にはメリット・デメリットも存在します。以下で見ていきましょう。
FAGAの注射治療のメリット
注射治療の最大のメリットは、局所的に成分を直接注入できるため、効果があらわれるのが比較的早いことです。
また、経口薬のように体全体に作用するわけではないため、全身への副作用が少ないこともメリットといえます。
さらに、PRP治療のように自分の血液を使用する方法では、アレルギー反応や拒絶反応が起こりにくい点もメリットの一つです。
FAGAの注射治療のデメリット
注射治療にはデメリットもあります。
治療には複数回の施術が必要で治療費が高額になることが挙げられます。
また、注射による痛みや施術後の腫れ、赤みが生じることがあります。
そのため、敏感肌の方には不向きなケースがあります。
この治療効果には個人差があるため全ての患者に効果があるわけではありません。
このようにFAGAの注射治療は効果が高いメリットがある反面、費用面や副作用などのデメリットがある点も覚えておきましょう。
注射治療が難しい場合は薬物治療がおすすめ
注射治療が難しい場合や注射に抵抗がある場合は、薬物治療が代替手段として有効です。
FAGAに対して効果があるとされる内服薬や外用薬がいくつか存在します。
パントガール
パントガールはFAGAの治療薬として使用される栄養補助サプリメントでビタミンB群やアミノ酸、ケラチンなどを含んでいます。
これらの成分が髪の栄養状態を改善し、健康な髪の成長をサポートしてくれます。
パントガールは、髪の細さや薄毛に悩む女性に有効とされています。
ミノキシジル
ミノキシジルは血行促進効果があり、頭皮の毛包を活性化することで発毛を促します。
特にFAGAの治療においては外用薬として使用されることが多く、比較的安全に使用できる薬です。
ミノキシジルは、日本でも広く使用されており、FAGAに対する効果も確認されています。
スピロノラクトン
スピロノラクトンは男性ホルモンの働きを抑制することで、FAGAの進行を防ぐ薬です。
もともとは利尿薬として使用されていましたが、その副作用として発見された抗アンドロゲン作用を利用して女性の薄毛治療にも使用されるようになりました。
ただし、ホルモンに作用する薬であるため、副作用などには注意が必要です。
まとめ
FAGAは、女性特有の薄毛症状であり、適切な治療を行うことでその進行を食い止めることができます。
注射治療は髪の成長を促進する有効な方法の一つですが、費用や施術の痛みなどのデメリットも存在します。
注射治療が難しい場合にはパントガールやミノキシジル、スピロノラクトンなどの薬物治療も効果的です。
自分に合った治療方法を選び、専門医の指導のもと、適切なケアを行うことが重要です。