バイアグラ服用時にアルコールは飲んでもよい?飲酒による影響について解説

バイアグラ服用時にアルコールは飲んでもよい?飲酒による影響について解説EDに悩む人にはバイアグラを服用した後でも、アルコールで気分を高めて性行為をしたいと考える人もいるでしょう。
その一方で、アルコールが「バイアグラの効果を消失させるのではないか」と不安になる人もいるかもしれません。
 
そこで、この記事ではバイアグラとアルコールの関係性や飲酒による影響について解説します。
また、バイアグラを服用した後の注意点についても触れるため、バイアグラを使用している人や使用を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

 

バイアグラとアルコールの組み合わせはよくない?

まずは、バイアグラとアルコールの組み合わせについて見ていきましょう。

 

バイアグラとアルコールに相互作用はない

バイアグラの有効成分であるシルデナフィルとアルコールを分解する酵素は異なるため、基本的には飲酒しても問題なく効果を得ることができます
むしろ、お酒を飲むことで良い効果が得られる可能性もあります。
飲酒をすると中枢神経の働きが抑制され、緊張や不安を軽くすることができ、EDの症状を和らげる効果に期待できる可能性があります。

 

バイアグラと飲み合わせが良くないお酒の種類

しかし、すべてのお酒が問題ないというわけではなく、例外的にバイアグラと相性の良くないお酒もあるので注意してください。
バイアグラと飲み合わせが良くないとされるのは「グレープフルーツサワー」です。
 
シルデナフィル(バイアグラの有効成分)とグレープフルーツの成分の代謝経路が似ているため、バイアグラの代謝に影響を与えて、副作用のリスクを高めてしまう可能性があります。
同じ柑橘系でも、レモンや温州みかん、カボスやバレンシアオレンジなどのお酒であれば問題ないので、柑橘系のサワーが飲みたい場合は「グレープフルーツ以外」で選びましょう。

 

バイアグラと過度なアルコール摂取による危険性

男性の医者がバツしている
バイアグラとアルコールには相互作用がなく、グレープフルーツ以外のお酒を飲む分には問題ない、と説明してきました。
しかし、グレープフルーツ以外のお酒なら何の問題もないのでどれだけ飲んでも大丈夫!というわけではありません
 
過度なアルコール摂取は、それ自体がそもそも体に悪影響を及ぼす可能性がありますが、バイアグラとの併用ではさらに注意しなければならないことがいくつかあります。
ここでは、特に注意すべき2つの影響について説明します。

 

勃起しにくくなってしまう

大量の飲酒は「勃起しにくい」状況をつくってしまう可能性があります。
せっかくバイアグラを飲んだのに、うまく勃起することができなければ何の意味もありませんよね。
 
性行為に関連する「勃起」や「射精」は自律神経が大きく関わっています。
「勃起」は自律神経のうち「副交感神経」の働き、そして「射精」は自律神経のうち「交感神経」の働きによって起きますが、アルコールを摂取すると交感神経が刺激され副交感神経の働きを低下させてしまいます。
適度な飲酒量であれば大した問題ありませんが、過剰にアルコールを摂取すると副交感神経の働きが過度に抑制されてしまい、勃起しにくい状態に陥ってしまうのです。

 

酔いやすくなる

バイアグラを服用した状態での飲酒は普段よりも酔いが回りやすくなる可能性があります。
これは、バイアグラのもつ血管を広げて血流を促す作用によって、アルコールが回りやすくなるためです。
 
普段なら酔わないような量のお酒でもバイアグラを服用している場合は酔いが回る可能性があるため注意が必要です。
酔いが回ってふらついたりしてしまうと、思わぬ事故に繋がる可能性もあるため注意してください。

 

適度な飲酒でも気を付けておきたいポイント

バイアグラと大量の飲酒についての危険性を紹介しましたが、たとえ適度な飲酒であっても気を付けておきたいポイントはあります。
安全に楽しめるように気を付けておきたいポイントも押さえておきましょう。

 

低血圧の症状が出やすくなる

バイアグラを服用すると、全身の血管が拡張して血の流れがスムーズになり、血圧が下がります。
しかし、身体の中にある血液の量が増えているわけではありません。
勃起は陰茎に血液が流入することで起きますが、身体の末端である陰茎にも血液が流入することで身体の中枢である脳や心臓に流入する血液量が減少してしまいます。
 
そして、アルコールもバイアグラと同じ様に血管を拡張する働きがあります
バイアグラとアルコールが同じ様に血管を拡張することで血圧が大きく下がってしまい、低血圧の症状を引き起こす可能性があるのです。

 

脂質の多い食事を食べ過ぎないようにする

お酒を飲むとなると、それにあわせて食事をとることもあるでしょう。
食事で気を付けておきたいポイントは『脂質分の高い食べ物』です。
 
脂肪分の高い食事はバイアグラの吸収に影響を及ぼしてしまうため、なかなか効果があらわれないということもあり得ます。
バイアグラは服用後1時間前後で効果が得られるとされていますが、脂肪分の高い食事をとってしまうとその効果があらわれるタイミングが遅くなってしまう可能性があるのです。
どうしても脂肪分の高い食事をとらなければならない場合は、食前にあらかじめバイアグラを服用しておけば、その影響を抑えることができます

 

「適度なアルコール」の基準

最後に適度なアルコールの目安についてお話します。
「大量の飲酒は危険だけど適度なアルコールなら大丈夫」と言われても、どれくらいが適度なのかは分かりませんよね。
 
ただ、具体的に「何杯まで大丈夫」という一律の基準はありませんし、個人差やその日の体調によっても変わってしまうので明確な基準はありません。
一般的な目安として顔が赤くなったり、体がふらつくといった兆候が出る前に止めるように心がけることが大切です。
 
もっと具体的な目安が欲しい!という方は、厚生労働省の提唱する『節度ある適度な飲酒』について、以下のリンクから確認しておきましょう。

参考元:アルコール|厚生労働省

 

まとめ

指示棒を持つ薬剤師
バイアグラを服用している時、適度な量の飲酒は問題ありません。
ですが、過度な飲酒はバイアグラの効果を弱めてしまうため避ける必要があります。
適量のアルコールはEDを緩和する可能性がありますが、過剰摂取は神経伝達に影響してバイアグラの効果を十分に得られなくなる可能性があります。
また、バイアグラ服用時は普段より酔いが回りやすくなっているため、飲酒する場合は普段よりも飲酒量に気を付ける必要があります。
 
バイアグラなどのED治療薬は通販で購入できるようになり、身近な存在になりました。
だからこそ安全かつ効果的にバイアグラを使用するためには、適量の飲酒を心がけたり、完全に飲酒を控えることが大切です。

 

監修者情報

久野賀子先生

  • 医師

    久野 賀子

  • 所属・資格等

    PRIDE CLINIC 院長

  • 経歴

    2017年東京医科歯科大学医学部医学科 卒業
    日大板橋病院にて初期研修終了後、湘南美容クリニックに入職し、5年半勤務。
    新宿本院皮膚科医局長として通常の勤務だけでなく、新人医師の指導、VIP対応、トラブル対応に従事。
    2024年11月新宿二丁目にPRIDE CLINICオープン。