低用量ピルを飲み忘れた時の対策は?避妊はちゃんとできる?
望まない妊娠を99%以上という驚異的な確率で防ぐことができる低用量ピルですが、非常に高い効果を得るためには継続して服用した上で、適切な期間休薬する必要があります。
そのため、服用している期間中に低用量ピルを飲み忘れたりしてしまうとさまざまな問題につながってしまいます。
そこで、こちらのページでは低用量ピルを飲み忘れてしまった!という時の対処法やその対策、そして飲み忘れてしまうとどういった問題につながるのか?といったことについて紹介していきますので、低用量ピルの服用をお考えの方や服用されている方はお役立てください。
低用量ピルは1日飲み忘れても大丈夫!
非常に高い避妊効果を持っている低用量ピルですが、この効果は低用量ピルを一度飲み忘れてしまったりすると完全に消失するというわけではありません。
そのため、1日飲み忘れてしまった!と気づいてた場合はや2日以上飲み忘れてから気づいてしまった場合では、対処法が異なっています。
ただし、1日だけ飲み忘れてしまったような場合、適切に対処することで問題なく低用量ピルの継続服用を続けることが可能なので、適切に対処するようにしましょう。
低用量ピルの飲み忘れ期間別の対処法
低用量ピルを飲み忘れてしまった時、飲み忘れた期間によって対処法が変化します。
そのため、ここからは毎日22時に服用している場合を例にして、飲み忘れ期間別の対処法について紹介していきます。
飲み忘れ期間ごとの対処法を事前に把握しておくようにすれば、万が一飲み忘れが起きてしまった場合でも冷静で焦らずに対処することができますし、その結果として十分な効果を得ることも可能になるので把握しておくようにしましょう。
1日飲み忘れて次の日の服用時より前に気づいた場合
最も多いのが1度飲み忘れてしまい、次の服用の前に飲み忘れてしまったことに気づくというパターンです。
毎日22時に服用している場合を例にすると
1月12日の22時に服用するのを忘れる
1月13日の22時に服用するまでに飲み忘れに気づく
という場合です。(上記の日付はあくまでも一例です。)
この場合、
・飲み忘れに気づいたタイミングで、すぐに飲み忘れた1月12日分の1錠を服用します
そして、
・1月13日の22時に服用する分についても普段通りに服用します
という対処を行います。
また、飲み忘れている期間の飲み忘れている期間に性交渉を行った場合、基本的には妊娠する可能性はほぼないとされています。
ただし、低用量ピルを飲み始めた週の最初の方だったり、21日の継続が終わりに近づいている時には妊娠の可能性があるため、アフターピルの服用を検討する必要があります。
1日飲み忘れて次の日の服用時に気づいた場合
次に、1日飲み忘れてしまって、次の服用時に前の日に飲み忘れてしまったことに気づくパターンです。
毎日22時に服用している場合を例にすると
1月12日の22時に服用するのを忘れる
1月13日の22時に服用する時に飲み忘れに気づく
という場合です。(上記の日付はあくまでも一例です。)
この場合の対処法としては
・1月13日の22時に1月12日分の1錠と13日分の1錠、併せて2錠を服用します
前述の服用前に気づいた時とは違って、1日飲み忘れて翌日の服用のタイミングで気づいた場合には、前日分と合わせて2錠を服用する形となります。
こうして翌日の服用時に飲み忘れに気づいた場合、避妊効果が完全に消失することはありません。
そのため、飲み忘れている期間に性交渉を行った場合でも、妊娠する可能性はほぼないとされています。
ただし、この飲み忘れが低用量ピルの飲み始めてすぐだったり、21錠の飲み終わり間際という場合には、妊娠のリスクも高くなるため、アフターピルの服用を検討する必要があります。
また、飲み忘れで休薬期間が7日ではなく8日となってしまった場合には、別の対処法が必要になります。その場合の対処法はこちら。
2日連続して飲み忘れた場合
低用量ピルの服用を1日だけでなく2日連続で忘れてしまうケースも少なくありません。
こちらも、毎日22時に服用している場合を例にすると
1月12日の22時に服用するのを忘れる
1月13日の22時に服用するのを忘れる
1月14日の22時に服用する前に飲み忘れに気づく
という場合です。(上記の日付はあくまでも一例です。)
この場合の対処法は
・1月14日に飲み忘れに気づいたタイミングで、飲み忘れた12日分と13日分の2錠を服用します
・1月14日の22時に14日分を通常通り服用します
という形になります。
2日以上飲み忘れしてしまった場合、低用量ピルの避妊効果は弱くなってしまいます。
そのため、飲み忘れを対処した後、十分な避妊効果が戻るまで7日間はコンドームなどの避妊具などを用いて避妊を行う必要があります。
アフターピルの服用に関しては、2日間の飲み忘れが飲み始めの第一週目の場合に起きた場合はアフターピルの服用を検討する必要があります。
また、2週目以降の場合かつ飲み忘れが起きる前の7日間は適切に低用量ピルを服用できていればアフターピルの服用をする必要はありません。ただし、飲み忘れの前の7日間の間に飲み忘れをしてしまっているような場合には見当が必要になります。
3日以上連続して飲み忘れた場合
低用量ピルを3日以上連続して飲み忘れしてしまった場合は、生理が始まっているおそれがあります。
毎日22時に服用している場合を例にすると
1月12日の22時に服用するのを忘れる
1月13日の22時に服用するのを忘れる
1月14日の22時に服用するのを忘れる
という場合です。(上記の日付はあくまでも一例です。)
こうして、ピルを飲み忘れてしまって、生理が来た場合の対処法は低用量ピルの服用を中止することとなります。
その上で、次に生理が来たタイミングで新しい低用量ピルのシートの1錠目から服用を開始します。
当然、飲み忘れをしてしまっている期間から、次のシートを開始するまでは避妊の効果も完全になくなってしまっています。そのため、性交渉などを行うときはコンドームなど別の避妊手段を用いる必要があります。
当然、コンドームなど別の避妊手段を用いなかった場合は妊娠のリスクがあるため、アフターピルの服用を検討する必要があります。
休薬期間が8日間になってしまうケース
休薬期間明けの新しいシートの低用量ピルを飲み忘れてしまった場合や休薬期間前日の分を飲み忘れてしまったという場合、休薬期間が8日になってしまいます。
休薬期間明けで飲み忘れて新しいシート開始から2日の服用前に気づいた場合は、すぐさま飲み忘れてしまった新しいシートの1錠目を服用し、2日目は普段通りに服用します。
休薬期間前の最終日に飲み忘れてしまった場合も同様です。
休薬期間が8日になってしまうような場合は、基本的に緊急避妊を行う必要はないとされていますが、排卵が起きる可能性はゼロではないため、緊急避妊を検討しても良いでしょう。
また、飲み忘れを把握していて性交渉を行うような場合には、緊急避妊を考えるだけでなくコンドームなどの別の避妊法を併用しておくようにすることで、妊娠の可能性を更に下げることが可能となっているので飲み忘れに気づいている場合は、他の避妊法を併用するなどして対処を行うようにしましょう。
飲み忘れがいつからかわからない場合
低用量ピルを飲み忘れてしまっていることに気づいたときに、いつから飲み忘れたんだろう……といった場合もあります。
こうした時は、速やかに婦人科などで診察を受けるようにしましょう。飲み忘れの期間が長ければ長いほど、低用量ピルの避妊効果は薄れてしまい、妊娠してしまっている可能性が高くなってしまいます。
そのため、いつから飲み忘れているのか分からないといったような場合には、相談した上で妊娠しているかどうかの確認をするようにしてください。
その後、避妊を行う必要がある場合は、改めて生理開始日から低用量ピルの服用を開始する必要があったりするので、それまではコンドームなどの別の方法で避妊をする必要があります。
プラセボ錠の飲み忘れは問題ない
低用量ピルには、21錠タイプとプラセボ錠(偽薬)を7錠含んだ28錠タイプがあります。
こちらの28錠タイプのプラセボ錠は休薬期間である7日間に服用習慣を忘れないようにするためのものとなっています。
そのため、21日の服用を終えてプラセボ錠を服用している時に飲み忘れが起きたとしても、問題ありません。これは、プラセボ錠は医薬品成分などを一切含んでいないためです。
とはいえ、こちらのプラセボ錠は服用習慣を身に着けるためのものなので、毎日忘れずに服用するということは非常に重要です。
低用量ピルを飲み忘れた場合に生じる可能性があること
ほぼ確実な避妊を実現することができる低用量ピルではありますが、飲み忘れてしまった時にあらわれる可能性があることがいくつかあります。
そこで、ここからは飲み忘れてしまった時にあらわれる可能性について紹介していきますので、是非参考にしてみてください。
不正出血
低用量ピルの飲み忘れであらわれる可能性があるもののひとつ目が「不正出血」です。
こちらの不正出血は低用量ピルを飲み忘れたときにあらわれやすい症状のひとつとなっています。
低用量ピルでホルモンバランスを変化させている状態の時に、飲み忘れてしまうとホルモン量が減少してしまいます。その結果、出血が起きる可能性があるのです。
低用量ピルを適切に服用していれば本来、休薬期間中に出血が起きます。しかし、飲み忘れてしまうことで休薬期間中ではないタイミングで出血が起きるため不正出血となります。
ただし、不正出血が起きたからといって焦る必要はなく、飲み忘れが1日だけなどの場合は、上で紹介した飲み忘れたときの対処法をとることで対策が可能です。
また、不正出血が長く続いてしまっているような場合や出血量が非常に多いといったような場合には、別の原因も考えられるため、婦人科クリニックなどで専門医に相談するようにしてください。
妊娠の可能性
低用量ピルを飲み忘れてしまった場合に起きる可能性のふたつ目は「妊娠」です。
低用量ピルは継続して適切に服用すれば、確実な避妊効果を得ることができますが、飲み忘れてしまえばその効果は薄れてしまいます。その結果として、妊娠してしまう可能性が高まってしまうのです。
そのため、飲み忘れてしまったという時には、飲み忘れてしまった期間別の対処法をとりながら、コンドームなど別の避妊法を併用して適切に避妊を行うようにしましょう。
また、低用量ピルを服用している場合でも、飲み忘れてしまった時のために事前にアフターピルなどを用意しておくといったようにしておくことで、スムーズに飲み忘れ時の対処が可能となる場合もあります。
飲み忘れただけでは重篤な副作用はない
低用量ピルを飲み忘れてしまった時には、不正出血や妊娠の可能性が出てきてしまいます。
不正出血は比較的あらわれやすいものですが、飲み忘れてしまった期間によっては低用量ピルの服用を中止するといった必要はなく避妊効果を再び得ることが可能です。
ただし、妊娠の可能性自体は速やかな対策が必要になるため、婦人科医に相談したりすることは重要です。
こうした可能性が出てくるものの、酷い副作用症状があらわれたりといったことは一切ありません。
そのため、低用量ピルを飲み忘れてしまったからといって過度に心配したりする必要はありません。
低用量ピルを飲み忘れないようにできる対策
継続して服用する必要がある低用量ピルではありますが、飲み忘れてしまうことがあるのは珍しい事ではありません。ですが、これまで紹介したように飲み忘れてしまった場合には、妊娠の可能性が出てきたりするので飲み忘れないように対策することが重要です。
そこで、ここからは飲み忘れを防ぐための対策法についていくつか紹介していきます。飲み忘れることが多い方や飲み忘れそうという方は是非参考にしてみてください。
習慣化するために決めごとを作っておく
飲み忘れてしまう一番の原因が、普段から飲むタイミングがバラバラだったりするケースです。
そのため、起きてすぐに服用するために目覚まし時計の横にすぐに飲めるように、ペットボトルの水と共に低用量ピルを入れたピルケースを用意しておく。これ以外にも、食後に飲む、就寝前に飲むといった日常生活で絶対に行っている習慣のタイミングと低用量ピルの服用を紐づけることで飲み忘れの対策が可能です。
そうして、生活習慣の中に服用の習慣を取り入れることで、次第に低用量ピルの服用が習慣化していくので、飲み忘れてしまうおそれも次第に減っていきます。
また、習慣づけていても21錠タイプの低用量ピルの場合は、休薬期間中が飲み忘れの原因となってしまうこともあります。そのため、偽薬を含んだ28錠タイプを用いるといったことも飲み忘れ対策になります。
携帯のアラーム機能を使用する
毎日の生活習慣の中に低用量ピルの服用を紐づけて習慣化する以外にも、携帯電話やスマートフォンのアラーム機能などを活用する方法があります。
毎日低用量ピルを服用する時間を決め、その時間に毎日アラームが鳴るようにセットしておきます。
そうしてアラームが鳴ったらすぐに低用量ピルを服用する。これだけでも飲み忘れの対策になるわけです。
ただし、アラームが鳴ったタイミングで手元にピルや水がない場合、服用を先延ばしにしてしまい結果的に飲み忘れてしまったりするケースもあります。
そこで、この対策をとる時は低用量ピルをピルケースなどに入れペットボトルの水を常に持ち歩くようにして、アラームが鳴ったタイミングですぐに服用できるようにしておくことでより確実です。
管理アプリを使用する
飲み忘れ対策として最後に紹介するのは「管理アプリ」の活用です。
スマートフォン用アプリの中には、低用量ピルの服用を管理してくれるアプリがあります。
スマートフォンをお持ちの方の場合は、こうしたアプリをスマートフォンに導入しておくことで、毎日の低用量ピルの服用を管理することができます。
こうしたアプリでは低用量ピルの服用を画面通知で知らせてくれたり、カレンダーで休薬期間の管理なども可能です。
また、スマートフォンのアラーム機能を併用することで、相乗的に飲み忘れの対策を行うといったことも可能になります。
飲み忘れ対策の方法はいくつかありますが、どれかひとつに絞ったりする必要はないので、組み合わせて対策するといったことも役立ちます。
まとめ
ここまで、低用量ピルを飲み忘れてしまった時の対処法や飲み忘れそのものに対する対策などについて紹介してきました。
飲み忘れた時の対処は飲み忘れ期間で違ってくる
飲み忘れの対策は日常生活と紐づけ習慣づけたりアプリを活用
また、飲み忘れてしまった場合には、妊娠や不正出血などが生じる可能性がありますが酷い副作用などがあらわれあることはないため、飲み忘れに対して過度に不安になる必要はありません。
適切に服用しながら、飲み忘れてしまった場合には適切に対処することでほぼ確実な避妊効果を得ることができるため、家族との人生設計を狂わせないためにも上手に活用してみてはいかがでしょうか。
低用量ピルは正しく服用しなければ避妊することができません。毎日決まった時間に服用をしていきましょう!低用量ピルは通販で購入できるのでシートがなくなった際は通販で購入することも検討してみてくださいね!